清掃業で独立した場合の平均的な年収は?年収を上げる方法も解説
あまり経験がなくても実務経験を数回こなせば、比較的早く独立開業できる業種として清掃業が挙げられます。
では実際に、清掃業で独立開業する場合、どの程度の年収が得られるのでしょうか。
この記事では、清掃業で独立した場合の年収や、独立時の注意点などについて詳しく解説します。
清掃業で独立した場合、どのくらいの年収になる?
まず気になる点が、独立した場合に得られる年収です。
ここからは、清掃業で得られる年収について解説します。
(1)清掃業の年収は約500万円前後
清掃業で独立した場合、一般的な年収は500万円程度です。
あまり高年収とはいえないと感じた方も多いのではないでしょうか。
売上は月に100万円上がったとしても、備品などの購入費用や家賃などの固定費、宣伝広告費の支払いなどがあります。
売上からかかってくるコストを差し引くと、月100万円程度の売上があっても、残る金額は70万円程度となります。
年収500万円というと、月の収益として約40万円程度ですので、一般的な売り上げは月に60万円から70万円程度の売上が相場です。
月に60万円から70万円程度の売上を上げられるめどがついたら、現在の収入などと比較して独立を検討するといいでしょう。
(2)やり方次第では1,000万円も夢ではない
年収の目安について500万円程度と前述しましたがあくまでも目安です。
やり方次第では年収1,000万円も夢ではありません。
独立開業当初は顧客がいませんので、広告費などを使って、宣伝しながら一軒一軒の満足度を高めていくと、自然と顧客が増えていきます。
少し時間はかかりますが着実な積み上げにより顧客を増やす方法が、一過性の集客よりも安定しているといえるでしょう。
また、特殊なスキルを持っていると、同業他社との差別化が図れます。
安定した顧客の確保や、特別なサービスを提供することによる年収アップも期待できる業種です。
(3)清掃にかかる単価はどれくらい?
一般的な清掃の費用は、1回あたり1,5000円から20,000円程度が相場です。
つまり年収500万を得るためには、月60万円程度の売上が必要になりますので、40件前後の集客ができると、年収500万円が得られるでしょう。
つまり、月に40件以上の依頼を受けるか、清掃費用の単価を上げると年収アップが可能です。
ただし、客数を増やして清掃の質が悪くなった場合や、清掃単価が高くなって依頼が減ってしまい逆に年収ダウンになってしまう可能性も考えられます。
一般的な目安を参考に、独立時の清掃価格を設定する必要があるでしょう。
(4)雇用する従業員の数によっても年収は変わってくる
独立開業時にはひとりで開業したとしても、固定客がついてくると従業員を雇用する必要があるかもしれません。
雇用する従業員の数によっても年収が変わります。
雇用した従業員によってさらなる業績アップができると当然ながら年収アップにもつながるでしょう。
従業員がなかなか育たない場合は、人件費の方が高くなってしまい年収が下がってしまうかもしれません。
従業員の雇用と教育面もしっかりと確立しておくといいでしょう。
清掃業で独立した場合、年収を上げるポイントとは?
ここからは、清掃業で独立した場合の年収を上げる方法について解説します。
(1)資金計画をしっかりと立てる
資金計画をしっかりと立てる必要があります。
いくら売上が上がったとしても、経費がかかりすぎていると利益率が下がってしまいなかなか収益が上げられません。
また事業拡大に伴い、事業用の融資を受けた場合も、毎月返済するものが増えますので、返済のメドを建てた上で事業拡大する必要があります。
開業前に資金計画をしっかりと立てた上で開業し、基本的には資金計画に沿った経営を心がけなければいけません。
事業を進める中で、資金計画に若干の違いがでてくる場合も速やかに修正し、方向性を定めた経営をしていくと自ずと売り上げがあがり、年収アップにつながります。
(2)最先端の技術を取得する
最先端の技術を常に取得する意識を持ちましょう。
開業当初の技術がいつまでも最先端の技術ではありません。
常に事業に関連する情報については、いち早く取り入れる姿勢を持ちましょう。
しかし最先端の技術を取り入れることは、最新の機器を購入すればいいというものではありません。
最新の機材はどうしても費用が高くなってしまい、コストが余計にかかってしまいます。
また、日ごろ使い慣れた機材を新しい機材に変えてしまうことで作業効率が落ちてしまうかもしれません。
まずは自分の技術を磨くことに意識を高めましょう。
(3)集客に力を入れる
最新の技術を取り入れた清掃が適切な価格でサービス提供できたとしても、周知されなければ意味がありません。
常に集客面に力を入れる必要があります。
集客の方法としては、自社HPからの集客やSNSを活用すると、費用がほとんどかからずに宣伝が可能です。
またネットの活用だけではなく、広告チラシの配布やポスティングなどの効果的な宣伝方法といえるでしょう。
清掃は一度依頼されたとしても一過性で終わってしまうケースも多く、定期的な清掃を依頼されるケースはそう多くはありません。
賃貸や分譲マンションの定期清掃などを受けられると、安定した依頼が得られますので、不動産管理会社への営業なども効果的な集客方法です。
(4)差別化をはかる
他の清掃業者にはないサービスなどが提供できると、差別化につながり仕事が増える可能性が高くなります。
例えば高齢者の清掃に特化したサービスの提供や、マンション1棟の清掃に特化するなど、自分たちがひとつでも優位性を誇り、その優位性がお顧客に伝わりやすい内容であると、自然と仕事の依頼が増えてくるでしょう。
しかし、サービスを特化することは、顧客層の幅を狭めることになる恐れも持っていますので、できれば別メニューとして提供できるようにしておくといいでしょう。
そののち独自サービスの認知度が高まり、需要が増えた時に専門分野として特化するといった方法により売上が上がり、それに伴い年収アップに期待が持てます。
清掃業で独立する前の注意点
ここからは、清掃業で独立する前の注意点について解説します。
(1)開業資金や運転資金の準備
当然ながら開業前に開業資金を確保しておきましょう。
清掃業は、他の業種と比較すると比較的低資金での開業が可能です。
しかし、開業にかかる一定の資金は必要になります。
資金が準備できていなければ、開業スケジュールに影響してしまい開業のスタートが遅れてしまうかもしれません。
また、開業したばかりではすぐに仕事の依頼が来るとは限りません。
そのため当面の生活費として運転資金も準備しておきましょう。
生活費としての運転資金は、3ヶ月分程度が目安です。
さらに、洗剤や各種備品など定期的に購入する必要があるものを購入する運転資金も必要になります。
3ヶ月分の生活費プラスアルファのお金を運転資金として確保しておきましょう。
(2)保険に加入する
賠償責任保険への加入をおススメします。
清掃業の仕事内容として、ビルの共用部分清掃などの他に、お客様の自宅清掃や店舗の清掃などが挙げられます。
清掃中に、お客様の住まいを傷つけてしまうリスクや、お客様の住まいにある品物を壊してしまうかもしれません。
保険に加入していなければ、自費で損害賠償しなければならず、高額な商品を破損してしまうと、とても賠償できない金額になってしまう可能性も考えられます。
損害賠償保険に加入していると、万が一の時に保険金でお客様の損害をカバーできますので、安心感が高まります。
清掃業で独立した場合は、損害賠償保険に必ず加入しておきましょう。
(3)独立前に集客する
前述したように、清掃業は集客できたとしても1回だけの利用で終わってしまうケースも多いので、定期的に集客し続けなければいけません。
また、開業後しばらくは仕事が取れない可能性も考えられます。
そのため独立前から集客し、少しでも開業時に仕事の依頼が来る状態に近づけなければいけません。
独立直後は、とにかく清掃業者がオープンしたことをアピールしなければいけませんので、開店セールとして、通常単価より割引して仕事を受けるのもいいでしょう。
まずは、開業したことをお知らせすることを目的とした集客を開業前に行いましょう。
(4)体調に留意する
特にひとりで独立開業する場合は体調に留意しなければいけません、
開業後に体調を崩してしまい、仕事を休むことになってしまうと、せっかく依頼を受けたお客様のご依頼をキャンセルすることになってしまいます。
そうなってしまうと、初めて取引するお客様は今後利用してくれなくなるでしょう。
開業寸前で体調を崩してしまうと、開業のスケジュールが大幅に伸びてしまいます。
独立開業するということは、自分自身が責任者ということで、他に変わりがいない状況は自分しか業務ができないことを意味します。
くれぐれも体調に留意して、特に大切な開業前後には、体調を崩して休んでしまうことがないように気を付けなければいけません。
清掃業で成功するポイントは?
ここからは、清掃業で独立した場合の成功へのポイントについて解説します。
(1)差別化できるサービスがあるといい
清掃業は比較的取り組みやすい業種です。そのため、競合相手も多くなってしまいます。
代り映えのしないサービスだと、なかなか目立つことができず、安定した収益を上げることも難しくなってしまいます。
差別化できるサービスを見つけ、前面に押し出してアピールしましょう。
特化するまでの差別化サービスではないにしても、収益の大きな下支えとなります。
(2)常に定期的な集客をする
定期的な集客は欠かせません。
清掃の依頼は、定期的な依頼ばかりではなく一回限りの場合も多く、集客し続けなければ、収益が上がらない場合もあります。
集客は、費用がかかるものばかりではありません。
SNSを活用して、清掃の内容などをアピールするのも集客につながる宣伝のひとつです。
定期的な集客によりご依頼を途切れさせないようにするのもポイントといえます。
(3)技術研修に参加する
独立時に取得している技術は、時間の経過とともに非効率的な技術になっている可能性も考えられます。
清掃業として独立開業した場合、企業に属するときよりも最新の技術情報などが得にくくなってしまうかもしれません。
技術に関する情報には積極的に耳を傾け、技術研修などにもこまめに参加するように心がけましょう。
業務の効率化や、新たなサービスが提供できるヒントをもらえるかもしれません。
(4)機器のメンテンナンスをこまめにする
所有している機器のメンテナンスはこまめに行い、異常が発生したら、早めに修繕することで結果的に機器が長持ちし、経費の削減につながります。
清掃作業が効率的に進められるのは、使い慣れた機器が十分に能力を発揮して作動することが前提です。
作業の途中で故障して使えないとなると、作業を途中で止めてしまい、成果が達成できない可能性も考えられます。
すぐ異常に対応できるためにも機器のメンテナンスはこまめに行いましょう。
まとめ
清掃業の独立開業における年収などについて解説しました。
500万円前後の年収ですが、やり方次第では1,000万円を超えることも可能です。
独立開業では定期的な集客や差別化するサービスがキーポイントとなりますが、フランチャイズに加盟して開業すれば、本部の商号やノウハウを使っての経営が可能です。
集客のサポートなどもありますので、フランチャイズに加盟しての開業も検討してみるといいでしょう。