ショットバーの開業資金の目安と内訳・安く抑える方法も解説
バー経営は、お酒を提供するスタイルですので、他の飲食業と比較すると原価率が低く、儲かりそうなイメージです。
しかし、しっかりと準備し、方向性を定めた上で開業しなければ失敗してしまい、投下する開業資金が無駄になってしまいます。
この記事では、バーの中でもショットバーに注目し、開業にかかる費用や成功のポイントなどについて詳しく解説しましょう。
ショットバーの特徴と他のバーとの比較
バー経営といいましても、いろんなタイプのバーがあり特徴が異なります。
ここからはショットバーの特徴や、他のバーとの違いなどについて詳しく解説しましょう。
(1)ショットバーとは?
ショットバーとは、グラス1杯ずつのお酒を提供するスタイルのバーを指します。
アメリカでは、同じようなスタイルのお店をバーといい、イギリスではパブと呼ばれているのが一般的です。
なぜ日本でもアメリカのようにバーと呼ばす、ショットバーになったかが気になります。
日本におけるバーとは、ホステスが接客する、いわゆるスナックタイプのお店がバーと呼ばれていたからです。
そのため、スナックタイプのバーとの差別化を目的として、1杯ずつ提供するスタイルのお店をショットバーと呼称するようになりました。
近年では、ショットバーをバーとイメージする方も増えてきています。
(2)ショットバー以外の種類
ショットバー以外のバーにはどのようなタイプのバーがあるのでしょうか。
まず挙げられるのがお酒の種類を限定して提供するスタイルのバーが挙げられます。
日本酒バーや、ワインバーなどが代表的な事例です。
特定の種類に特化することにより、珍しい種類のお酒が提供できるようになります。
特定の種類が好きな固定客を掴めるでしょう。
お酒と相性がいいものとして挙げられるのが音楽です。
音楽とお酒を楽しみながら時間を過ごすバーとして、ジャズバーやレゲエバー、ピアノバーなどがあります。
ビリヤードやダーツがお酒と一緒に楽しめるプールバーやダーツバーなどもあり、多くのコンセプトを持ったバーがあるので、色々な楽しみ方があるといえるでしょう。
ショットバーの開業資金はどの程度?
実際にショットバーを開業するとなるときになるのが開業にかかる資金です。
ここからは、ショットバーを開業するのに必要な初期費用などについて詳しく解説します。
(1)開業資金の目安
開業資金は、取得する店舗の広さやエリアなどによっても異なります。
また、提供するサービスによってはグリルなどを設置する必要があるかもしれません。
提供するサービスの内容によって、設備設置費が異なる点などからも一概には言いにくいのが現状です。
一般的な目安として1,000万円以上は必要になるといわれています。
バー経営も含む飲食業で新たに開業しようとする場合、店舗の取得費から設備の設置費用など、どうしても高額になってしまう傾向です。
運転資金なども含め、最低でも1,000万円以上の資金が必要であると考えていた方がいいでしょう。
(2)開業資金の内訳
開業資金の内訳を見てみましょう。
やはり店舗の取得費に大きく影響されてしまいます。
店舗を賃貸する際、バータイプの出店ができる店舗となると保証金を納めるケースが一般的です。
保証金の額は、貸主によって異なりますが6ヶ月分から10ヶ月程度が多いといえるでしょう。
家賃が30万円だった場合、開業時に納める保証金の額は180万円〜300万円となります。
店舗を借りると、改装しなければいけません。
内外装にかかる費用としては400万円程度を見込んでおくといいでしょう。
最後に運転資金として300万円から500万円程度を見込んでおくと、1,000万円程普度の資金が必要なことがわかります。
(3)居抜き店舗を利用すると安価に抑えられる
非常に高額な初期費用が必要なことがわかります。
さらに内装を高級な仕様にすると、もっと大きな金額が必要かもしれません。
できる限り初期投資は抑えなければ万が一失敗した際、大きな負債となってしまう可能性も考えられるでしょう。
初期費用を抑える方法として挙げられるのが居抜き店舗の活用です。
居抜き店舗とは、前の契約者が設備や内装、造作工事などを残したまま借りられる店舗を指します。
設備などに関しては、そのまま利用できるケースも多く、初期費用が大幅に抑えられるでしょう。
同じようなショットバースタイルの居抜き店舗だと、備品などもそのまま利用できますので、開業までのスピードも速くなるといったメリットもあります。
(4)譲り受けなども開業費用を抑えられる
ショットバーなどは、マスターがひとりで開業している割合も多く、後継者がいないので、マスターの高齢化に伴いそのまま廃業するケースも多いといえます。
閉店するのにも店舗の原状回復工事などで費用がかかってしまいますので、だれか後継者がいないかと考えているショットバー経営者も決して少なくはありません。
このようなお店が見つけられると、すでに整っている設備が譲り受けられますので、初期費用に高額な資金を投下することなく開業も可能でしょう。
廃業の費用が出せずに経営を続けているケースもありますので、高齢のマスターがいるショットバーなどを、探しておくといいかもしれません。
ショットバーを開業する手順
ここからは、ショットバーを開業する手順について詳しく解説します。
(1)コンセプトの決定
まず、非常に重要なのがコンセプトの決定です。
コンセプトとは、開業したいバーのタイプや、ターゲットとなる客層、客単価やお店のイメージなどを具現化することを指します。
コンセプトが明確ではないショットバーは、ターゲットと客単価が全く合わずに売上が上がらないといった事態になる可能性もあるでしょう。
コンセプトをしっかり持つことにより、他の店とは差別化した個性のあるお店になりやすいので、明確にコンセプトを定めましょう。
(2)資金準備
お店のコンセプトが決まれば、デザインなども決定しやすいので、内・外装工事費が計算しやすくもなります。
初期費用もある程度把握ができますので、資金を準備しましょう。
前述したように、開業にかかる初期費用は1,000万円を超えるケースも多いので自己資金だけでは出せない場合も考えられます。
自己資金以外に初期費用を調達する手段として最も多いのが金融機関からの借入ではないでしょうか。
特に政府系の金融機関として日本政策金融公庫が比較的利用しやすい金融機関として挙げられます。
また補助金や助成金なども自治体によっては利用できますが、お金を出した後に補助される仕組みとなっていますので、開業資金は別に準備する必要があるでしょう。
(3)開業に必要な資格や許可を取得する
ショットバー開業にあたり、必要な資格として、飲食店開業届や食品衛生責任者、深夜酒類提供飲食店営業開始届などが必要です。
また、店舗の規模によっては防火管理者の資格が必要なケースも考えられます。
ショットバーと一緒にダーツなどを設置したい場合は特定遊興飲食店営業許可なども必要です。
それぞれ申請の場所などが異なりますので、開業前に必要な許可申請を把握しておきましょう。
(4)物件取得
いわゆるショットバーなどの飲食業は、開業する店舗の場所が売り上げなどに大きく影響します。
立地選びでミスしてしまうと、マイナスを取り返すのに大きな労力を要しますし、もしかすると取り返せないかもしれません。
物件を選択する前にエリアマーケティングを実施し、自分がターゲットとする客層にふさわしいエリアかどうかといった判断が必要です。
また、エリアによっては深夜の営業が禁止されている場合もありますので、綿密に調査したうえで物件を取得しましょう。
(5)内装、外装工事
店舗を取得すると早速内装や外装工事に着手しましょう。
店舗の取得と同時に内装や外装工事の見積もりを取得し、工事に着手します。
工事中に不具合が見つかり、工事期間の延長や工事金額が増えないように、綿密な見積もりがポイントです。
(6)開業
いよいよ開業です。
早期の黒字化を目指しましょう。
ショットバー経営で売上を上げる方法
ショットバー経営で売上を上げるためには客数を増やすか、客単価を上げるといった対策が必要です。
売上を上げる方法について解説します。
(1)客数を増やす方法
客数を増やす方法として挙げられるのは、単純な方法としては、開業している時間を増やすことです。
基本的にショットバーとなると夜から深夜の営業となりますが、時間帯を少し伸ばして客数を増やすといった方法が考えられます。
また、SNSなどを活用して集客するのも効果的な方法です。
カクテルなど見栄えするメニューをSNS上にアップすると、集客につながるかもしれません。
(2)客単価を上げる方法
客単価を上げる方法としては、全体的なサービスの質や店の雰囲気、付加価値を提供することで、全体的なメニュー単価の底上げが挙げられます。
しかし、メニュー全体の値上げは一歩間違うと大幅な集客減になりますので注意が必要です。
メニューを追加して商品ラインアップを充実させるのも客単価を上げる方法として効果的といえるでしょう。
ショットバー経営で成功するポイント
ここからは、ショットバー経営で成功するポイントについて詳しく解説します。
(1)お客様とのコミュニケーションを高める
ショットバーにお客様が来店する目的として、美味しいお酒を飲みに来るのはもちろんですが。マスターとの会話やコミュニケーションを楽しみにしている方もいらっしゃいます。
お客様とのコミュニケーションを高めることにより、お酒だけではなく、マスターとの会話を楽しむことが来店目的になる客様が増えます。
(2)リピーターを確保する
お店での対応に満足された方はまた来店したいという気持ちになり、リピーターになってくれる可能性があります。
リピーターをたくさん確保しておくことは安定経営に欠かせません。
定期的に来店してくれるお客様が増えると、売上の計算が立ちやすくなります。
常に安心して通ってくれる雰囲気を作り出すことが重要といえるでしょう。
(3)チャージ料なども検討する
収益を上げるためにチャージ料を導入することも検討していいでしょう。
席に座っただけで発生するのがチャージ料金ですが、開業時にチャージ料を設定していないケースがあります。
チャージ料金を新たに設定できれば客単価は増えますが、来店客が減ってしまうかもしれません。
メリットやデメリットも踏まえた検討が必要です。
(4)物件選びにこだわる
ショットバー経営のような箱ものビジネスにおいて、立地面は非常に影響が大きいので物件選びにはこだわり過ぎてもいいくらいこだわりましょう。
立地面で失敗すると、他で取り返すといってもなかなか取り返せるものではありません。
取り返しのつかない失敗になってしまう可能性も考えられます。
前述しましたが、物件選びでは、エリアのマーケティング調査などをしっかりと行ってコンセプトに合った立地なのかどうかを判断しなければいけません。
まとめ
ショットバーの開業資金などについて解説しました。
ショットバー経営したくても経験が浅く自信がないといった方にはフランチャイズ加盟がオススメです。
フランチャイズを募集している本部の持つノウハウや看板などを使って経営できるビジネススタイルです。
研修などで知識なども身に付けられるうえ、看板が利用できますので一定の集客にも期待できます。
フランチャイズによる開業も含め、しっかりとしたマーケティングで方向性を決めましょう。