フランチャイズの駐車場(コインパーキング)経営の平均年収は?将来性も解説
なかなか使いどころが見つからず、毎年固定資産税を払っているだけでほったらかしにしている状態の土地を持て余している人も多いのではないでしょうか?
持て余した土地を持っている人に検討してもらいたいのが、フランチャイズでの駐車場(コインパーキング)経営です。
適した土地さえあれば、比較的手間をかけずに開業できるビジネスモデルですので、多くの人がフランチャイズによるコインパーキング事業を展開しています。
この記事では、フランチャイズで行うコインパーキングについて解説します。
目次
フランチャイズの駐車場(コインパーキング)業の将来性(または需要)
これからフランチャイズでコインパーキング事業を行う場合、やはり将来の需要などを見ておかなければいけません。
ここからはコインパーキングの需要などについて解説します。
(1)コインパーキングはまだまだ数が少ない
若者の車離れが進んでいるとの話を聞くことが多いのですが、本当に車離れが進んでいるのでしょうか。
下記の表は、乗用車の保有台数を表した表です。
引用:一般社団法人自動車検査登録情報協会「わが国の自動車保有動向」
上記表を見てみると自動車の保有台数は緩やかながらも増加傾向にあり2018年時点で乗用車の保有台数は6,000万台を超えています。
では、コインパーキングはどの程度の設置数や台数があるのでしょうか?
引用:一般社団法人「コイン式自動車駐車場市場に関する実態分析調査2015版」
上記表を見てみるとコインパーキングは、118万台分の確保ということになり50分の1程度しか確保されていないことがわかります。
つまりまだまだ需要があり、今後の成長性も期待できる事業ということがいえるでしょう。
(2)カーシェアの利用でさらなる需要が見込める
さらに近年新しいビジネスモデルが注目を浴びています。カーシェアリングというビジネススタイルです。
自宅や会社の近くにあるコインパーキングにレンタカーが配置されており、会員カードをかざすと車のロックが解除され自由に乗車できるという形式です。
引用:公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団
近年、カーシェア事業は急激な成長をほこり、今後も需要が増えてくると想定されています。
そうなると、コインパーキングの需要もさらに増える可能性が高まるといえるでしょう。
フランチャイズの駐車場(コインパーキング)業の平均年収
次にコインパーキングを行った場合の平均年収について考えてみましょう。
基本的にフランチャイズでコインパーキングを行う場合、コインパーキング業者が、保有している土地を借り上げて運営します。
駐車場の設置台数から、地域における相場を算出し、コインパーキングの運営状況に関係なく、一定の賃料を支払うスキームです。
もちろん、稼働状況が悪ければ契約期間が過ぎると、借上げ賃料の交渉や解約の可能性もあります。
しかし、コインパーキング業者が黒字運営である限りは、借上げ続ける可能性が高いので、安定した収入を得ることができるビジネスモデルです。
(1)賃料設定と、視認性が大きなポイント
では、収益を上げるためにはどのような点が注意点となるのでしょうか?
最も借上げ賃料に影響する部分は、コインパーキングの単価設定にあります。
単価が高い場所であれば、借上げ賃料も高額になる可能性が高まるといえるでしょう。
また、いくら場所が良くても見つかりにくい場所にあると、収益は上がりません。
大きな看板を設置して、視認性を高めることも高収益のポイントです。
収益がよくなる対策をコインパーキング業者が講じると、借上げの賃料にも大きく影響します。
借上げ賃料の設定がどの程度になるかという点が、コインパーキング運営において年収が決定する最も大きなポイントです。
初期費用・ロイヤリティなどの費用
コインパーキング事業を行おうと決定した場合、フランチャイズを選択するとどのような費用やロイヤリティが発生するのでしょうか?
初期費用を知ることで、開業資金の準備がどの程度かかるかがわかります。
また、ロイヤリティを知ることで運営に関するランニングコストがわかるのでどちらも事業を行う際に前もって知っておかなければいけないポイントです。
ここからは、初期費用やロイヤリティについて解説します。
(1)投資コストなしでの開業も可能
まず、フランチャイズでコインパーキング事業を行う場合、投資コストなしでの開業も可能です。
前述しましたが、コインパーキング業者が土地を借りてコインパーキング事業を行い、土地の所有者が借上げの賃料を受け取るスタイルならば、初期費用はかかりません。
しかし、コインパーキング業者が工事などを手掛け、費用を負担するとなると工事金額は借上げ賃料に影響します。
開業費用を負担するとなると広さによって工事金額は異なります。
負担しなければいけない金額は土地の整地費用とアスファルト工事が主な負担です。
大まかな金額になりますが目安として、100坪程度の土地に舗装工事を行う場合、100万円~150万円程度の舗装工事が必要です。
これらの費用を負担することで借上げ金額が高く設定されます。
フランチャイズによる駐車場(コインパーキング)の開業手順
では、スムーズにコインパーキング経営を行うためにも、開業手順を把握しておきましょう。
まずは、どのコインパーキング業者にするか選ぶ必要があります。
所有している土地の評価はさまざまですので、最も条件がいい業者を選定しましょう。
選定のポイントは借上げ賃料の大小だけではなく、契約期間や工事金額の負担があるかどうかなどいくつかのポイントを把握しておきましょう。
次に契約を交わすと、工事の着工です。
工事期間中から借上げ賃料を支払うケースもありますが、ほとんどのコインパーキング業者は、コインパーキングオープン時からの賃料を支払います。
工事期間はおよそ2週間前後を見込んでおきましょう。
工事が終わるといよいよオープンです。
基本的に、コインパーキング業者がすべての手続きを行うので、事業者はそう手間をかけることなくオープンにこぎつけることができます。
開業の手間があまりいらない点もコインパーキングをフランチャイズで行うポイントといえるでしょう。
必要な資格や技術
では、コインパーキング事業を行うにあたり、どのような資格が必要なのでしょうか?
また特殊な技術が必要なのでしょうか?
コインパーキング事業を行う際に必要な資格などについて解説しましょう。
(1)土地さえあれば資格なしで取り組める
コインパーキング事業を行うにあたり、基本的に必要な資格はありません。
土地を所有さえしておくと、誰でも気軽に取り組むことが可能です。
許認可も特に必要ではありませんが、もし農地をコインパーキングに行おうとする場合には、農地を駐車場に転用する許可が必要になり、少し時間がかかる場合があります。
長く時間がかかっても1か月程度では申請が下りるケースがほとんどですので、現在のうちの場合は、少し時間がかかると理解しておいた方がいいでしょう。
対象の顧客層(または業界事情、向き不向き等でもOK)
コインパーキングがほかの事業と少し異なる点は、コインパーキングが目的で注射する顧客がいないという点です。
つまり、周りの立地状況が大きく影響するといえます。
では、場所によるコインパーキングの利用者はどのように分類されるのでしょうか?
ここからは、コインパーキングを行う場所による顧客層について解説します。
(1)都心部のコインパーキングは会社関係の営業
都心部のコインパーキングは郊外と比較すると借上げ賃料も高く設定されているケースが多いといえます。
主な対象の顧客層というと、会社関係の営業職の車が利用するケースが多いです。
多少コインパーキングの賃料が高くても、会社の経費で落ちるので、大きな企業が建ち並ぶオフィス街などに関しては会社関係の車が利用対象となるでしょう。
(2)大規模マンションの近くなら来客用として活用
大規模マンションなどが建っている場所なども、来客などで利用されるケースが多いです。
大規模マンションでなくても住宅街に土地を持っている場合、お客様が駐車するためにコインパーキングを利用することが多いので住宅街でもコインパーキングの活用はメリットがあります。
住宅街には、商業店舗などが入っていることもあるので商業店舗のお客を狙うことも可能でしょう。
フランチャイズで駐車場(コインパーキング)を開業するメリット
実際にコインパーキングをフランチャイズで開業した場合にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
ここからはフランチャイズで駐車場(コインパーキング)を開業するメリットについて解説します。
(1)資金もなく簡単にできる
全てコインパーキング業者が借り上げ形式でコインパーキング事業を行う場合は資金が全くかかりません。
機器の設置も基本的にコインパーキング業者が行うので、イニシャルコストもランニングコストも必要ないのです。
所有している土地の適正だけですので、資金もなく簡単にできる点は大きなメリットといえます。
(2)管理の心配も全くない
一旦コインパーキング運用してしまうと、その後の管理も心配ありません。
コインパーキング業者が運営しますので、管理も全てコインパーキング業者が行います。
土地の所有者が行うことは、毎月の入金チェック程度で済みますので手間がかかりません。
(3)土地の形が悪くても可能
土地の形が悪くても問題はありません。
確かに、正方形や長方形の土地の方が、駐車場の台数も多くなります。
しかし、土地の形が悪くても一定の台数確保は可能です。
建物などを建てて不動産投資を行う場合は土地の形が悪かったら、戸数が入らずに収益の確保に大きく違いが出ますがコインパーキングだとそこまで大きな違いはありません。
土地の形をあまり心配する必要がない点もメリットとして挙げられます。
フランチャイズで駐車場(コインパーキング)を開業する問題点・失敗を避けるコツ
フランチャイズによるコインパーキング運用は、さまざまなメリットがありますが、メリットばかりではなく問題点もあります。
問題点をきちんと把握して、運用することで想定通りの運用が期待できるのです。
ここからは、フランチャイズで駐車場(コインパーキング)を開業する問題点について解説します。
(1)固定資産税が高くなる
土地などの不動産を所有している人に毎年必ず発生する税金が固定資産税です。
この固定資産税は、所有している土地が宅地だった場合、軽減措置として通常の固定資産税額の1/3若しくは1/6まで減額されています。
しかしコインパーキング事業を行うと、その土地は「雑種地」となり軽減措置が受けられません。
つまり、コインパーキング事業を行うことで固定資産税が3倍若しくは6倍まで固定資産税が増えてしまう可能性がありますので前もって確認しておきましょう。
(2)収入は高くはない
フランチャイズでのコインパーキング事業を行った場合、借り上げてもらうと初期費用も掛からずに気軽に取り組めると前述しました。
しかし、借り上げの金額は、一般的に月極で貸した駐車場の賃料程度ですので、そう大きな収益は期待できません。
初期投資がかからない、コインパーキング事業の収益の有無にかかわらず一定の売り上げが見込めるなど、フランチャイズでのコインパーキングでは多くのリスクが回避されます。
しかし、リスクが少ない分リターンもそう多くはないということをしっかりと認識しておきましょう。
まとめ
フランチャイズでコインパーキング事業を行う場合、コインパーキング業者が土地を借り上げて運営しますので、全く手がかからずに、しかも初期投資の必要がなく気軽に取り組むことが可能です。
遊休地の活用を持て余している人には非常に効果的な不動産運用といえるでしょう。
しかし、当然ながらコインパーキングに適した土地でなければいけません。
コインパーキングに適性の場所で認知性が高ければ安定した収入を得ることができます。
固定資産税が高くなるケースや、土地の借り上げ金額はそう高くはない点などいくつかの問題点も存在します。
まずは、自分の土地がコインパーキングとして適応しているかどうかを確認しましょう。
そして、大きな費用をかけることなく手軽に不動産を運用した場合は一度フランチャイズでのコインパーキング事業を検討してはいかがでしょうか?