スモールビジネスの始め方・メリットとデメリットについて解説
近年、日本国内の企業でも副業を認めるケースが多くなっており、会社員でも副業や兼業に興味を持つ方も増えています。
なかには自分で起業して新たな事業をスタートアップしますが、起業当初に低資金で始められるスモールビジネスも検討材料のひとつです。
この記事ではスモールビジネスの特徴や始め方、メリットやデメリットについて詳しく解説します。
スモールビジネスの定義と始め方
ここからはスモールビジネスの定義や始め方について解説します。
(1)スモールビジネスの定義
スモールビジネスとはその名前通り、小規模で始められる事業を指します。
組織ではなく個人単位でビジネスを行うケースが多く、個人事業主やフリーランスの方が行っているビジネスなどはスモールビジネスに分類されるケースが多いです。
既存のビジネスを個人など小規模で行うのがスモールビジネスですが、ベンチャーなどと混同されるケースがあります。
今までにない事業などを行うのがベンチャーといいますので両者には大きな違いがあるといえるでしょう。
(2)どの業種で起業するかを決定する
スモールビジネスをスタートさせる際、まずはどのような業種で起業するのかを決定しなければいけません。
おすすめなのは、自分の趣味を生かしたビジネスや経験や実績がある分野からのビジネスです。
スモールビジネス起業当初はうまくいかないケースもありますので、自分に合わないと感じたならば早々にあきらめてしまうかもしれません。
自分の趣味を兼ね備えたスモールビジネスならば、事業自体がうまくいかなくても、くじけずに続けられます。
また、実績や経験が豊富な分野だと、専門知識を生かしたビジネスができる可能性が増えますので、おすすめです。
(3)資金面の準備
資金面の準備が必要です。
スモールビジネスですので、全く資金がなくとも起業は可能なのですが、最低限の運転資金や設備などは準備しておくといいでしょう。
特に副業感覚でのスモールビジネスの場合、本業のために作業がはかどらない場合があります。
このような場合、外注することもありますので、やはり最低限の運転資金を準備しておくといいでしょう。
スモールビジネスとは言え、起業前にしっかりと事業計画書や収支計画書を作成し、損益分岐点や利益率といった点を把握しておく必要があります。
(4)開業届などを提出する
開業届を提出しましょう。
法人としてスタートすることも可能ですが、最初は個人事業主として起業し、事業規模が大きくなったら法人に切り替えるといいでしょう。
個人事業主が起業する場合は、開業届を届け出なければいけません。
事業を開始したのち1ヶ月以内に管轄の税務署へ開業届を提出しましょう。
事業の内容によっては、事前の許認可や他の申請が必要な場合があります。
事業計画を行うときに、必要な手続きをしっかりと確認し、スムーズにスタートできるように準備しておきましょう。
スモールビジネスを行うメリット
ここからは、スモールビジネスを行うメリットについて詳しく解説します。
(1)リスクが少ない
起業の際、最も心配になる点が、資金面の準備です。
ある程度の事業規模でスタートする場合、どうしてもまとまった資金が必要になりますので融資などで資金を準備しても毎月の収益から返済しなければいけません。
万が一事業に失敗してしまうと、負債を抱えてしまう可能性も考えられます。
スモールビジネスでの起業だと、事業にかかる資金が少額です。
ほとんど費用がかかっていなければ、素早い撤退も可能ですので非常に自由度が高くなります。
まずは、慎重にビジネスをスタートするには絶好のビジネススタイルといえるでしょう。
(2)趣味と実益を兼ねることが可能
スモールビジネスは、自分の自由に事業を選ぶことができます。
上手く趣味を実益につなげられる事業を見つけると、楽しみながら事業を行えます。
事業途中で上手くいかないことがあったとしても、趣味を兼ねていますので、あきらめずに取り組み続けられるでしょう。
趣味の追及もできますので、自分の生活に張り合いが出るかもしれません。
趣味が実益につながっていますので事業を大きくせずとも、楽しみながら事業を続けられます。
自分の趣味がいかにビジネスとつなげられるかといった点が大きなポイントです。
(3)最初は副業感覚でスタートできる
スモールビジネスは個人単位での起業が可能なビジネスですので、自分の好きな時間で好きな場所で仕事ができる点が魅力のひとつです。
このような特徴から、副業感覚でのスタートもできます。
本業が休みの時や、スキマ時間などを利用しての活動など自由度が高いのでどのような働き方も可能です。
新たにビジネスを行う場合、わざわざ本業をリタイアしてまで行うことがなく、まずは副業感覚で始めて本業にできるように成長したのちに事業規模を広げてもいいでしょう。
起業当初は、生活に大きな影響を与えない副業感覚で事業ができる点も大きなメリットとして挙げられます。
(4)人間関係の悩みが少ない
スモールビジネスは個人事業主としてひとりでもできるビジネススタイルです。
会社員などの悩みとして必ずといっていい程いわれるのが人間関係の悩みで、人間関係が原因で精神を病むなど、人によっては大きな悩みとなっています。
スモールビジネスだと、ひとりでも事業ができますので、人間関係で悩む必要がありません。
取引先などとの関係性はありますが、会社の中ほど距離が近いわけではありませんので、精神を病んでしまうほどの付き合いになるケースは少ないでしょう。
自分でできるビジネスですので関係性が悪いとなると、自分で関係性を断ち切っても構いません。
会社員だと会社の指示に従わなければいけませんが、スモールビジネスは自分で決められますので人間関係の悩みから解放されやすいといえます。
スモールビジネスを行うデメリット
次にスモールビジネスのデメリットについて解説します。
(1)収入に波がありあまり大きな収入ではない
スモールビジネスとの名前通り、収益性はあまり高くはありません。
自分の特性に特化したビジネスが完成し、他も真似できないとなると、利益率は非常に高くなり、収益性の高さも期待できます。
しかしながら一般的なスモールビジネスはローコストでの起業で、人員も一人となるとそこまで大きな収益は期待できません。
場合によっては赤字経営になる可能性も考えられます。
また、ひとりで業務を行いますので監視する人がいません。
自分に甘いとついつい作業を怠けてしまい、あまり収入を得られなかったといったケースも考えられます。
収入の波と、大きな収入が期待できない点がデメリットのひとつです。
(2)業種によっては伸びない
選択した業種によってはまったく事業が成長しないケースも考えられます。
また、事業を拡大したくても資金が足りずに事業が拡大しないといったこともあるでしょう。
趣味の分野があまりにもニッチな分野だとある程度のところで収益は頭打ちとなってしまいます。
業種によっては成長性が期待できない分野でスモールビジネスを起業しているかもしれません。
業種によってはある程度まで成長したら伸び率がストップしてしまう点もデメリットといえるでしょう。
(3)信用が得にくい
スモールビジネスは、個人事業主がなるべく自己資金をかけず、ローリスクで起業する方法です。
小規模でのビジネスが主となりますので、兼業や副業ができる分自由度が高く、ある種身軽に仕事ができます。
仕事量にしても規模にしても自分で決められる点が特徴です。
しかし、身軽な分どうしても小規模のビジネスとなってしまい、事業自体の信用性を得るのが難しい場合があります。
事業の安定性や信頼性は個人で行っている分、法人より劣ってしまう点がデメリットといえるでしょう。
スモールビジネスを成功させるポイントとは?
ローリスクとはいえ、スモールビジネスでもうまくいかず挫折してしまう可能性もあります。
ここからは、スモールビジネスを成功させるポイントについて解説しましょう。
(1)自己資金に余裕を持たせる
自己資金に余裕を持たせましょう。
スモールビジネスとはいえ、急に外注を依頼する場合や、機器の故障などにより修理が必要な場合など、自己資金が必要です。
まったく自己資金がない状態で仕事していると、いざというときに仕事が止まってしまい関係各所にも迷惑をかける事態となります。
万が一の際にでも通常通りの業務ができるように、自己資金には余裕をもってスモールビジネスを始めましょう。
(2)手間をかけないビジネスを選択する
なるべく手間をかけないようなビジネス手法がおすすめです。
スモールビジネスでは兼業や副業など、他に仕事を抱えた状態で起業するケースも多く、なかなか時間が取れない場合があります。
他の仕事に時間が取られてしまい、スモールビジネスの方に着手できないと、時間に追われてしまう結果となり、質の高い仕事ができないかもしれません。
他の仕事を持っている場合は、なるべく手間をかけないビジネスを選択しましょう。
(3)趣味や経験を活かす
趣味や経験を活かしましょう。
自分の趣味を活かすビジネスを見つけられると、仕事自体が楽しくなるし、趣味と実益を兼ねることが可能です。
また、自分の経験を活かしたビジネスを選択すると、初めて行うビジネスよりもスムーズな仕事ができるでしょう。
趣味のスキルアップが仕事にもつながるので、趣味のスキルが増しますし、ますますビジネスでも他の方より優位に仕事ができます。
仕事が好きというのは、モチベーションのアップにつながり、前向きな仕事振りとなり、仕事が長続きするでしょう。
(4)常に新たなチャレンジを行う
スモールビジネスの大きなポイントは、常に新たなチャレンジをすることです。
資本金や人員数では法人などには勝てませんので、アイデアで勝負する必要があります。
いつも同じようなスタイルで事業を行ってしまうと、いつの間にか顧客から飽きられてしまうかもしれません。
日常の生活においても、常に、ビジネスにつながるかどうかアンテナを張り巡らせておくといいでしょう。
(5)フランチャイズに加盟する
フランチャイズに加盟する方法もおすすめです。
フランチャイズ契約とは、フランチャイズに加盟することで、本部のビジネスモデルを使用して経営ができる契約を指します。
起業当初から、本部の看板や実績を使っての仕事ができますので、信頼感や安定感が高い状態でビジネスを始められるでしょう。
ノウハウがしっかりしている点もフランチャイズに加盟すると成功する可能性が高くなる理由です。
まとめ
スモールビジネスをしようとする会社員や主婦なども増えており、個人事業主などと合わせると年々取り組む方の数は増えています。
しかし、どのようなビジネスで起業するか、事業の計画は事前に建てているかといった点をしっかりと準備しておかなければいけません。デメリットにも注意してしっかりと計画したうえで起業しましょう。