ラーメン屋の廃業率が高い理由とは?廃業を避けるポイントも紹介
いまや国民食といっても過言ではないほど、多くの方に親しまれているのがラーメンではないでしょうか。
そのため、ラーメン屋を個人で開業しようとチャレンジする方も多く、毎年多くのラーメン屋が出店されているのが現状です。
この記事ではラーメン屋を開業するにあたり、飲食業界の現状やラーメン屋の廃業率などを詳しく解説します。
ラーメン屋など飲食業界は厳しい?
まずは、ラーメン屋も含む飲食業界全般を取り巻く動向などについて詳しく解説します。
(1)構える店舗次第で経営状況は大きく異なる
飲食業での開業を検討するにあたり、大きなポイントとして挙げられるのが箱物ビジネスの難しさといった点です。
飲食店を開業する場合、店舗を構える必要があります。
飲食店経営は、立地面とコンセプトによって成功するかどうかがほとんど決まってしまうといっても過言ではありません。
ひと通りが多い立地でかつ、コンセプトに合った集客が可能であるかが大きなポイントです。
いくら人通りが多くても、コンセプトがずれていると集客につながりません。
メニューの腕やオーナーの人柄だけでは、必ずしも成功しないといった点が飲食業界での開業が難しいとされる理由のひとつです。
(2)初期投資が高額になってしまう
飲食店は初期投資が高額になってしまう点も難しい理由のひとつです。
前述したように、飲食店開業は店舗を構えなければいけません。
まずは店舗を取得するコストが必要になります。
店舗の改装費や設備の設置などにも多額のコストがかかるでしょう。
飲食業を開業する場合15坪程度の広さでも、初期投資は1,000万円以上の資金が必要なケースも多く、さまざま業種の中でも飲食業は初期投資が高額になりやすいビジネスです。
自己資金だけでは開業できず、融資を利用するとなると、毎月の売上から借入金を返済しなければいけません。
融資を受けると損益分岐点が高くなってしまいますので、経営が非常に難しくなってくるといえるでしょう。
(3)真似されやすい
真似されやすい点も挙げられます。
例えば、海外で人気となっている食べ物を国内に持ち込んで飲食店を開業した場合、上手く日本人に受け繁盛したとしても、すぐに真似されてしまうケースも散見されます。
特にラーメン業界などは味の種類は、味噌、塩、しょう油、トンコツなどいくつかに限られてしまい、メインの具材はある程度固定されています。
例えば、味噌ラーメンが人気のお店となると、近くに同じ味噌ラーメンの店がオープンするといった具合に真似がされやすい食べ物です。
提供する商品が真似されやすい点も飲食業での開業が難しい理由のひとつといえます。
(4)飲食市場が縮小している
飲食業界は全体的に縮小傾向です。
大きな理由のひとつとして、コンビニやスーパー、宅食など、食のサービスを提供するスタイルが多様になっている点が挙げられます。
ただでさえ、少子高齢化によるマーケット全体が減少している上に、食を提供するスタイルが多様化していますので、どうしても飲食業界の市場は厳しいものになってしまいます。
2019年から猛威を振るったコロナウイルスにより、宅配ビジネスも浸透していますので、単純な飲食店開業だけではニーズに合わないかもしれません。
飲食業の中でもラーメン屋の廃業率が高い理由
飲食業界の中でもラーメン屋は、非常に廃業率が高いといわれています。
なぜラーメン屋の廃業率が高いといわれるのでしょうか。
ラーメン屋の廃業率が高い理由5点について詳しく解説します。
(1)立地条件が大きく影響する
飲食業全体にいえることですが、立地条件をあまり考えずに開業するケースが多い点が挙げられます。
前述したように飲食店ビジネスにおいて非常に重要なのは立地面とコンセプトです。
いかに人通りの多い場所でコンセプトに合ったメニューが提供できるかが成功の大きな分かれ目ともいえます。
特にラーメン屋を開業する方の中には、味に絶対に自信を持っており、味さえよければお客様がついてくると思って開業してしまい、上手くいかないケースが挙げられます。
確かにラーメン屋には固定ファンも比較的多く、有名店になるとあまり立地を気にする必要がないかもしれません。
しかしまだ名前もよく知られていないお店などは、最初に必要なのは名前を知ってもらうことです。
立地面の重要さを考えずに開業し、失敗してしまうケースが多いといえるでしょう。
(2)回転率が低い
ラーメン屋の開業においては、回転率を上げる動きが必要です。
特に坪数が少なく座席があまりないような店舗で開業している場合は、回転率を上げて集客の数を増やさなければいけません。
ラーメン屋の中には、回転率を上げることをあまり気にしておらず、次のお客様を呼び込む手際が悪いお店などもあります。
回転率の低さも廃業率に大きく影響するといえるでしょう。
(3)競合店が多い
ラーメン屋は、固定ファンも多く、大勢の方に親しまれている国民食のひとつです。
そのため脱サラしてラーメン屋を開業する方も多いので、飲食業の中でも比較的開業するお店が多いのが特徴といえます。
ラーメン店が多ければ多い程、比較となるものが多くなり、本当に満足できるサービスを提供できているお店しか残りません。
競争が激化することにより、お客様が望むレベルが上がりますので、競合店の多さの中から生き残る必要がある点もラーメン屋の廃業が多い理由といえるでしょう。
(4)人員が確保できない
ラーメン屋の開業から経営において、繁盛していくとアルバイトなど新たな人材を雇用しなければいけません。
ラーメン屋の特徴として比較的長時間営業しているお店が多く、オーナーだけではお店を開け続けておくことはできません。
後述しますが、ラーメン屋の仕事は重労働です。
ラーメン屋でのアルバイトは、そうそう人が集まらず、アルバイトの募集に苦労するケースが見受けられます。
せっかくアルバイトを見つけて、ある程度仕事を覚えてもすぐに辞めてしまい、また新たなアルバイトを探すとなると、サービスの品質が保てません。
人員確保の難しさもラーメン屋の廃業率が高い理由のひとつです。
(5)体力面がきつい
ラーメン屋の営業は体力を伴う仕事です。
前述したように長時間の労働になる点と、仕込みが必要で、多くのお客様が来店されたときの効率的かつ俊敏な動きが必要なのが、体力が必要な理由です。
お店の業務が終わると、経理などの作業も必要になりますので、時間と体力の消耗により疲弊してしまうケースが多いといえます。
忙しくなりすぎて身体を壊してしまい、いつの間にか閉店してしまうケースもラーメン屋には多いといえるでしょう。
ラーメン屋で開業する場合はフランチャイズがオススメの理由
ラーメン屋を開業する場合、フランチャイズに加盟しての開業がオススメです。
ここからはフランチャイズがオススメの理由について解説します。
(1)安定した売り上げがつくりやすい
フランチャイズに加盟して開業することにより、既に世間に認知された商品が提供できます。
本部のブランドや知名度がありますので開業当初から集客が見込めるでしょう。
独立開業する場合、開業時の集客が不安材料のひとつとして挙げられます。
軌道に乗るまで一定の期間を要しますのでまとまった運転資金が必要です。
しかし、フランチャイズに加盟しての開業だと開業当初から一定した集客に期待ができますので、運転資金をそこまで準備しなくていいでしょう。
(2)オペレーションが効率的
フランチャイズに加盟しての開業により、未経験者でも開業がやりやすくなります。
フランチャイズでは、なるべく誰もが気軽に利用できるようにオペレーションを効率化し、加盟店が同じように経営できる仕組みがつくられています。
初めてのラーメン店開業となると、まずは効率的な仕組みを整えるまでに大きな時間がかかってしまい、利益が残らない時期が長く続くかもしれません。
フランチャイズ本部は既に効率的なオペレーションをつくっていますので、開業当初より利益も出やすい仕組みでスタートできます。
(3)本部のサポートなどで余裕ができる
経営者ともなると、従業員とは立場が違いますので経営について相談する相手がいないといわれます。
特に初めて開業する場合など誰に相談したらいいかわからず、経営の悩みを抱え込んでしまうケースも多いといえるでしょう。
フランチャイズに加盟して開業すると、本部の担当者が付きますので、経営における悩み事が相談できます。
その他にも本部によってさまざまなサポートが受けられますので、経営において余裕ができる点もフランチャイズがオススメの理由です。
(4)原価が抑えられやすい
ラーメン屋開業で利益を上げるためには、集客も大切ですが利益率を上げることも重要です。
利益を上げるためには原価を抑えなければいけません。
フランチャイズに加盟して開業する場合、本部が卸メーカーに対して価格交渉していますので、通常よりも安い卸価格で材料を取得可能です。
さらに個人経営よりもフランチャイズは店舗数が多いため、スケールメリットにより安い価格での卸交渉もやりやすい点が、原価が抑えられる理由のひとつといえます。
これにより利益が上がりやすい体質になるといえるでしょう。
(5)加盟店同士の交流ができる
前述しましたが、ラーメン屋を開業すると経営者の立場です。
経営者になると独立開業の場合、相談する相手が見つからず、問題を抱え込んでしまう可能性が考えられます。
フランチャイズに加盟すると本部の担当者が相談に乗ると解説しましたが、さらに加盟店ン同士の交流にも期待できます。
お互いの悩みややり方などが共有できるような相手が見つかると、一緒に励ましあい成功例や失敗例などを意見交換できるでしょう。
しかし、フランチャイズ本部によっては交流が許可されていない場合もあります。
ラーメン屋で廃業しない開業のポイント
ここからは、ラーメン屋開業において廃業しないポイントを解説します。
(1)ラーメン屋を開業する立地を何より注意する
開業時の立地は何よりも重要な要件です。
ラーメン屋を含む飲食店は、立地によって集客面が大きく異なります。
開業する立地は十分に検討を重ねた上で決定しましょう。
(2)余裕を持った資金計画
資金計画には余裕をもって取り組みましょう。
独立開業する場合、知名度もないので、軌道に乗るまでに一定の期間を要します。
そのため、運転資金をある程度持っておかなければ、資金繰りに行き詰ってしまうかもしれません。
運転資金には余裕を持っておかなければ、すぐに経営難に陥ることも想定されます。
運転資金だけではなく、開業にかかる資金にも余裕を持たせた計画で開業を目指しましょう。
(3)人員配置に注意する
ラーメン屋の開業後、最初はひとりで対応できたとしても、お客様が増えてくるとスタッフの雇用が必要になります。
スタッフが増えた場合の人員配置にも注意しなければいけません。
効率的な配置にしなければ、人件費ばかりかさんでしまい、利益が上げられないでしょう。
忙しい時間帯と、仕込みができる時間帯など、一日のうち人員が必要な時間帯にどれだけ配置するかといった、計画的な配置が必要です。
(4)相談相手を見つける
繰り返しになりますが、経営者はどうしても相談相手が少なくなってしまうので悩みを打ち明ける機会が少なく、大きなストレスとなってしまうケースがあります。
悩みを打ち明けられ、適切なアドバイスをくれる相談相手が見つけられると気持ちの余裕ができるでしょう。
経営者の良き相談相手となりやすいのが税理士や会計士などです。
経験が長い、同業の経営者なども良い相談相手となるでしょう。
まとめ
国民食ともいえるラーメンは多くの参入がありますが、失敗してしまうケースも見受けられます。
開業前には立地調査やエリア分析などを欠かさずに行い、計画的な開業を目指さなければいけません。
フランチャイズに加盟しての開業だと、本部のサポートや業者の紹介などもありますので余裕を持った経営もできるでしょう。
いくつかの開業パターンから、自分に合った開業方法を検討しましょう。