昨今大ブームのサウナ開業に必要な初期費用は?安定した収益を得るための準備も解説
若い世代を中心にサウナの人気が高まる中、「サウナを開業したい」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
サウナを開業するためには、高額な初期費用が必要になるため、入念な資金計画を立てることが大切です。
また、開業後、安定した収益を得るためには差別化のための戦略をしっかりと考えておくことが重要なポイントとなります。
この記事では、サウナ開業に必要な初期費用、資金調達の方法、安定した収益を得るために必要な準備などについて解説します。
サウナの開業・経営に必要な費用
サウナを開業して経営するためには、どの程度の費用が必要なのでしょうか。
サウナの開業に必要な初期費用や、経営に必要なランニングコストについて説明します。
(1)サウナの開業に必要な初期費用の目安
サウナ開業に必要な初期投資には、土地の購入や賃貸料、建物や設備の設計・施工費用、内装の購入費用などが含まれます。
設備としては、サウナ、水風呂、シャワー、外気浴スペースのほか、受付スペース、リネン庫、トイレ、パウダールーム、ロッカールーム、休憩スペース、バックヤードなども必要です。
これらにかかる費用は、地域、施設の規模、設備のグレードなどによって大きく異なりますが、小規模な施設でも数千万円程度、中規模以上の施設では一億円以上必要となる場合もあります。
特に、オートロウリュなどの最新の設備やクオリティの高い内装を導入する場合、高額な費用がかかります。
(2)サウナの経営に必要なランニングコスト
サウナの経営には、さまざまなランニングコストがかかります。
例えば、人件費、光熱費、清掃費などが挙げられます。
これらの維持費は、月々の収益に見合った金額を予算に組み込む必要があります。
また、設備の修理やメンテナンス費用も考慮しておくことが重要です。
適切な管理と効率的な運営を行うことで、コストを抑えることも可能です。
例えば、エネルギー効率の高い設備を導入したり、効率的な清掃スケジュールを立てたりすることで、光熱費や清掃費を削減することができます。
サウナの開業のための資金調達の方法
サウナを開業するためには多額の資金が必要となるので、必要な資金を調達することが重要です。
サウナ開業に必要な資金を調達する方法を紹介します。
(1)日本政策金融公庫の新規開業資金を利用する
サウナ開業のための資金調達には、日本政策金融公庫の新規開業資金を利用することができます。
日本政策金融公庫の新規開業資金は、新たに事業を開始する人が利用できる創業融資で、限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)です。
日本政策金融公庫は創業支援に力を入れている政府系金融機関なので、銀行などの民間の金融機関よりも有利な条件で融資を受けることができます。
ただし、新規開業資金を利用するためには、一定の要件を満たした上で審査に通過する必要があります。
詳しく知りたい方は日本政策金融公庫の公式サイトでご確認ください。
参考URL:新規開業資金(日本政策金融公庫公式サイト)
(2)クラウドファンディングを活用する
クラウドファンディングを活用することも、サウナ開業のための資金調達の方法の一つです。
サウナーのバイブルともいわれている『マンガ サ道』の作者であるタナカカツキ氏がプロデュースした渋谷SAUNAS(サウナス)は、クラウドファンディングのプロジェクト開始からたったの3ヶ月で1,400万円以上の資金集めに成功したことで話題になりました。
渋谷SAUNASは、8種類9つのサウナ室と2種類4つの水風呂を完備し、全ての人に“ととのう”体験を提供するために細部に至るまで趣向が凝らされています。
クラウドファンディングを活用してサウナ開業の資金集めを実現するためには、SAUNASのような魅力的なコンセプト作りやリターンの提供が大切なポイントとなります。
サウナの開業に必要な準備
サウナを開業して安定した経営をするためには、事前の準備が欠かせません。
具体的にどのような準備が必要なのか説明します。
(1)市場調査
まずは、競合となる他のサウナや顧客のニーズの調査を行います。
人気があるサウナを視察してもよいでしょう。
他のサウナのサービス内容や料金設定などを詳しく調査して資料にまとめ、開業するサウナ施設がどのような戦略で差別化を図れるのかを考えましょう。
また、顧客のニーズについても調査し、どのようなサービスが求められているのかを把握します。
(2)ビジネスプランと事業計画書の作成
次に、ビジネスプランと事業計画書を作成します。
ビジネスプランには、収益性や費用対効果を詳細に分析した上で、将来の展望や戦略などを記載します。
事業計画書には、具体的な運営計画やマーケティング戦略、人材配置などを詳しくまとめます。
これにより、開業後も安定した経営ができるようになります。
ビジネスプランや事業計画書は資金調達の際にも必要なので、しっかり作成しましょう。
(3)資金調達
ビジネスプランと事業計画書が完成したら、資金調達を進めます。
サウナを開業する際は前述した通り多額の初期費用がかかるため、自己資金だけでは賄えない場合がほとんどです。
日本政策金融公庫の新規開業資金やクラウドファンディングなどを積極的に活用して、必要な資金を調達しましょう。
資金調達が思うように進まない場合は、商工会や商工会議所などに相談するとよいでしょう。
(4)適切な場所の選定と施設の設計
資金調達の目処が立ったら、サウナ施設の場所の選定と施設の設計も進めましょう。
サウナ施設の場所は、集客力や利便性に大きな影響を与えるため、アクセスの良さや周辺環境を考慮して選ぶことが大切です。
サウナの設計においては、快適な温度や湿度を保つための工夫や衛生管理に関する配慮が必要です。
専門家のアドバイスを受けながら、最適な設計を行いましょう。
サウナを営業するためには、構造基準や衛生管理基準など、さまざまな規制を受けることになるので、設計段階でサウナ施設の図面を持参して、保健所に相談してください。
その際、必要な申請手続きや書類なども確認しておきましょう。
サウナ開業までの手順
サウナ施設の場所の選定と施設の設計が完了したら、開業に向けて準備を進めることができます。サウナ開業までの手順について説明します。
(1)必要書類の用意と申請手続き
設計段階で保健所に確認した必要書類を用意して、申請手続きを行います。
必要な書類や申請は地域等によって異なりますが、一般的には主に以下のような書類が必要となります。
- 公衆浴場営業許可申請書
- 構造設備の概要書
- 建物の平面図及びその諸施設の配置図
- 建築基準法に基づく検査済証の写し
- 消防法令適合通知書
(2)施設の検査
サウナ施設の建設が完了したら、施設の検査を受ける必要があります。
検査では、建築基準や衛生基準などに適合しているかを確認します。
問題点などの指摘を受けた場合は、速やかに改善して報告しましょう。
(3)営業許可の取得
申請書や関連書類を提出し、所定の審査を受けることで、営業許可を取得することができます。
ただし、許可を得るまでには一定の期間がかかる場合もあります。
また、営業許可を取得した後も、定期的な点検や報告書の提出などの義務を果たすことが求められます。
(4)スタッフの雇用と教育
サウナの開業に向けて、スタッフを雇用して教育を行う必要があります。
利用者が快適に過ごせる清潔な空間を維持するためにも清掃スタッフの教育は非常に大切です。
また、受付を担当するスタッフに対しては、接客マナーやコミュニケーションスキルのトレーニングを行いましょう。
サウナを開業後、安定した収益を得るためのポイント
サウナを開業後、安定した収益を得るためには、以下のことを意識するとよいでしょう。
(1)清掃と衛生管理
サウナ施設は、衛生管理を徹底することが求められます。
清掃と衛生管理を徹底することで、利用者の安心感や満足度が向上します。
施設内の床や壁、設備などを定期的に掃除し、汚れを取り除くことで、清潔な環境を維持することができます。
また、清掃の際には適切な消毒剤を使用し、雑菌やウイルスの繁殖を防ぐことも重要なポイントです。
定期的な清掃や消毒、衛生管理のルールの徹底など、清潔さを維持するための適切な管理体制を整えましょう。
(2)定期的なメンテナンス
施設内の設備の定期的な点検や保守作業も欠かせません。
定期的なメンテナンスにより、故障やトラブルなどを未然に防ぐことができます。
メンテナンスは施設の品質維持にも大きく影響します。
サウナ施設は高温多湿の環境下で運営されるため、設備の劣化や損傷が起きやすい傾向にあります。
湿度による金属部品の錆びや木材の腐食などが放置されると、施設の見た目や機能性に悪影響を及ぼす可能性があるため、定期的にメンテンナンスを行い、早めに修繕することが大切です。
(3)広告と宣伝
サウナ開業後の集客には、施設の認知度を高めるための広告や宣伝が欠かせません。
広告費用の見積りを行い、効果的な広告戦略を立てることが重要です。
インターネット広告やSNSを活用するなど、ターゲット層に適した広告手法を選ぶことが成功の鍵となります。
オンライン広告やSNSを活用して、サウナ施設の魅力や特徴を発信するのもよいでしょう。
口コミやレビューを適切に管理することも大切です。
(4)イベントやキャンペーンの実施
サウナ開業後の集客には、イベントやキャンペーンの実施も効果的です。
利用者にとって魅力的なイベントやキャンペーンを企画し、集客効果を狙いましょう。
会員制度や特典の導入も、リピーターの確保や収益向上のための有効な手段です。
会員制度を導入することで、定期的な収益を見込むことができます。
また、会員特典やポイント制度などを導入することは、顧客の満足度を高めて、リピーターを増やすことにつながります。
まとめ
この記事では、サウナ開業に必要な初期費用、資金調達の方法、安定した収益を得るために必要な準備などについて解説しました。
サウナビジネスは需要が高まっていますが、競争も激化しています。
安定した収益を得るためには、開業前に入念に差別化戦略を立てて、準備を行うことが大切です。
サウナを開業して安定した収益を得るためには、フランチャイズに加入することを検討してもよいでしょう。
フランチャイズに加入することにより、本部の経営ノウハウを利用でき、さまざまなサポートを受けることもできるため、経営を軌道に乗せやすくなります。