フードライセンスシェアリングサービスとは?売上やコストの目安も解説
既存の飲食店舗を構えている方が注目している新たなビジネスがフードシェアリングサービスです。
この記事ではフードライセンスシェアリングサービスの特徴や導入するメリット、売上やコストの目安、導入した時の本部サポート体制などについて詳しく解説します。
目次
フードライセンスシェアリングサービスの特徴
そもそもフードライセンスシェアリングサービスという言葉を聞いたことがないという人も多いのではないでしょうか。
ここからは、フードライセンスシェアリングサービスの特徴などについて詳しく解説します。
(1)フードライセンスシェアリングサービスの特徴
フードライセンスシェアリングサービスとは、実店舗を経営しながら、空き時間などに複数ブランドのメニューをデリバリーなどで提供できるサービスを指します。
実店舗の営業中にできるアイドルタイムなどを利用して、比較的調理しやすい商品などが提供可能です。
飲食店を経営しているオーナーはフードライセンスシェアリングサービスによって別の収入が得られるでしょう。
飲食店を経営していない人の場合でも店舗なしで経営できるビジネススタイルです。
とても多様な出店形態がありますので自由度も高く、今後注目される新たなビジネスといえるでしょう。
(2)多くのメニューが利用できる
取り扱えるサービスは何と100種類以上あります。
同じフードライセンスシェアリングサービスでも販売する商品はそれぞれ異なりますので差別化もできるビジネスです。
また既存店舗との相乗効果が見込める商品を販売してもいいでしょう。
既存店舗のシステムで提供が可能な商品を絞ると余計な設備を導入する必要もないのでコストの削減も図れます。
オーナー次第でどんなメニューでも提供できるのがこのサービスの大きな魅力です。
近年のコロナウイルスにより飲食業は大打撃を受けてしまいましたが、その中でも大きく需要を増やしたのがデリバリー業です。
コロナが終息した昨今も引き続きデリバリー業は需要を伸ばしています。
フードライセンスシェアリングサービスは、今の需要にもマッチしたビジネススタイルといえるでしょう。
(3)本業とのダブルインカムが可能
フードライセンスシェアリングサービスの最も大きな魅力は既存の飲食店が取り扱える点です。
本業とフードライセンスシェアリングサービスのダブルインカムが期待できます。
前述したように既存店舗との相乗効果が見込める商品の提供により既存店舗の売上アップも狙えるでしょう。
特に、Z世代と呼ばれる若年層に人気のメニューが多く、ブランド開発も定期的にされており、新鮮味のあるメニューがいつでも楽しめます。
客層によって柔軟に対応でき、収益の大幅アップにも期待できるサービスといえるでしょう。
フードライセンスシェアリングサービスを導入するメリット
ここからはフードライセンスシェアリングサービスを導入するメリットについて解説します。
(1)1ヶ月以内で開業できる
フードライセンスシェアリングサービスは非常に速いペースでの導入が可能です。
最短で25日程度でのスタートができます。
非常に速いペースで開業できるとなると、多くの動きが必要と思われるかもしれません。
しかし、手続きや面倒な設定などはすべて専任のスタッフが請け負います。
また選択した商品が既存店舗のイメージにそぐわなかったとしてもフードライセンスシェアリングサービス上のメニューはオンライン上での販売です。
つまり、実店舗のイメージを壊すことなくサービスが利用できます。
手続きも面倒でなく短時間で開業できる点が大きなメリットといえるでしょう。
(2)調理が簡単にできる
フードライセンスシェアリングサービスで提供されるメニューは、あまり手がかからずに提供できる商品がほとんどです。
またメインの原材料は長期間使用できる食材なので、保存期間が長く食品ロスなどが少ないものが中心となっています。
また調理方法に関してもすべて提供されており、ほとんどの調理方法が簡単です。
既存店舗の設備で調理できるのがほとんどですので、誰もが調理できるシステムが採用されています。
アルバイトでも簡単に調理できなければ、時間を有効活用できません。
誰もが簡単に調理できる点も大きなメリットといえるでしょう。
(3)利益率が高い
フードライセンスシェアリングサービスのもうひとつの特徴として高い利益率が上げられます。
何と最大の利益率は40%と飲食業ではとびぬけて高い利益率です。
利益率が高い要因としては、安価な食材を用いますので原価率が25%前後に抑えられている点や簡単な調理で人件費がかかりにくい点が挙げられます。
さらにアルバイトでも調理できる商品がほとんどですので、料理人を高い人件費で雇う必要もありません。
これらの理由から高い利益率で取り扱いできる点が大きなメリットです。
フードライセンスシェアリングサービスを導入した時のサポート体制
フードライセンスシェアリングサービスを導入した場合、どのようなサポートを受けられるのでしょうか。
ここからは、導入した企業に対するサポート体制について解説します。
(1)本部の担当者がつく
専属のサポート担当者が付きます。
定期的なサポート面談によって、改善の必要性を協議したり、悩みを解消したり、オーナーの良き相談相手になります。
売上に応じたサポートミーティングもあり、店舗の問題点や売上から見る店舗の状況などを詳しくアドバイスしてくれる存在です。
とても心強く、適切なサポートにも期待できます。
(2)登録などが不要
フードライセンスシェアリングサービスを導入するとデリバリーの対応が必要です。
大手デリバリーサービスと契約を結ばなければいけません。
また、インターネット上で注文を受け付けますので、SEO対策や、マーケティング、キャンペーンなども定期的に開催する必要があります。
これらの取り組みをオーナーがするとなると、労力も時間もかかる上に、きちんと完了するまでフードライセンスシェアリングサービスが実行できません。
このような登録作業に関しても、すべてフードライセンスシェアリングサービスが対応します。
面倒な登録業務などもほとんどない状態で開業可能です。
(3)新ブランドを定期的に紹介
フードライセンスシェアリングサービスのブランドは、現時点でも100種類以上あり、オーナーの好みに合わせて選択可能です。
しかし、この種類にとどまらず、定期的に新ブランドを紹介してくれますので、メニューに困るということはまずありません。
またデリバリーサービスのプロモーションなどもすべて引き受け、サポートしてくれますので、利用者の安心感は非常に高まります。
セカンドビジネスとして始める場合、本業の方にも時間が取られてしまいますので、どうしてもフードライセンスシェアリングサービスの時間を省略したいと考えてしまいます。
フードライセンスシェアリングサービスは面倒な作業と感じやすいものに関してはほとんど本部側で引き受けますので、取り組みやすいといえるでしょう。
フードライセンスシェアリングサービスの売上や開業費用
ここからは、フードライセンスシェアリングサービスを利用した場合の売上やコスト面について詳しく解説します。
(1)売上の想定
フードライセンスシェアリングサービスを導入すると、結局どれだけの売上を上げられるかが一番の注目ポイントです。
フードライセンスシェアリングサービスはさまざまな形態での出店が可能と解説しました。
本業のアイドルタイムを使って、いわばセカンドビジネス的な利用方法でもいいでしょうし、ゴーストレストラン方式でも提供ができます。
一般的な売上も出るとしては月の売上が100万円程度だと30万円の営業利益を想定していますので約30%の利益率を見込んでいます。
規模によっても売り上げが異なりますが、セカンドビジネスとして利用する場合の一般的な月売り上げは150万円程度です。
ゴーストレストラン方式などのデリバリー特化型だと、月400万円程度の売上が見込めるでしょう。
つまり、セカンドビジネスとして利用する場合の営業利益は月45万円。
デリバリー特化型だと月120万円程度の想定です。
非常に高い売り上げが期待できるビジネスといえます。
(2)開業にかかる費用
次に気になるのが開業にかかる費用です。
フードライセンスシェアリングサービスは、本業のスキマ時間を使って取り組む場合、調理設備などは整っていますので、新たに設置する必要がありません。
そのため開業にかかる費用が大幅に抑えられます。
既に調理施設を持っている店舗ならば開業にかかる費用は、ほとんどかかりません。
本業での設備がそのまま利用できることから開業にかかる費用は大幅に抑えられるビジネスといえるでしょう。
(3)加盟プランを比較
フードライセンスシェアリングサービスを導入する場合いくつかのプランが選択可能です。
加入プランを下の表にまとめました。
プラン | ベーシック | ビジネス | プロフェッショナル |
特徴 | 月額固定費とロイヤリティで導入可能 | 初期導入費とロイヤリティで導入可能 | 永続的に使い放題のプラン |
利用可能ブランド | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
サポート面談 | 有 | 有 | 有 |
契約期間 | 2年契約 | 2年契約 | 2年契約 |
上記のサポートプランから選択可能ですので自分に合ったプランを選択するといいでしょう。
フードライセンスシェアリングサービスを導入する流れ
ここからは、フードライセンスシェアリングサービスを導入する流れについて解説します。
(1)申込締結
契約内容などを確認し異存がなければ契約締結と費用の入金が必要です。
(2)面談
サービス開始前に面談が実施されます。
主な面談の内容としては利用するブランドの確認や開業する日のすり合わせなどです。
ブランドが非常に多いのでどれにするか悩むかもしれませんが、これまでには決定しておく必要があります。
(3)デリバリーサービスへの登録
フードライセンスシェアリングサービスを導入する場合、デリバリーサービスの登録が必要になります。
お店で提供する場合は登録不要ですが、ゴーストレストランタイプでの出店を検討している場合は必須となり、事前に登録となります。
このようなデリバリーサービスへの登録が負担と感じる方もいるのではないでしょうか。
デリバリーサービスへの登録など面倒な場合は、フードライセンスシェアリングサービス事業者が手続きします。
このような代行を上手く利用するとスムーズに開業が可能です。
(4)食材の発注
利用するブランドやデリバリーへの登録が完了すると食材の発注です。
ブランドに必要な食材を発注し、提供できるように準備を整えましょう。
(5)開業
ここまでの手順が終わるといよいよ開業です。
前述したように最短で25日程度で開業できます。
非常の効率的な対応が早い開業につながるといえるでしょう。
まとめ
フードライセンスシェアリングサービスについて解説しました。
非常に魅力的なビジネスですが、まだそこまで多くの加盟店がいるわけではありません。
しかし、2022年と2023年を比較してみると、このサービスを導入した店舗は、1年で2倍以上増加しています。
面倒な手続きはすべて本部側が対応しますので、非常に手がかからないビジネスです。
今後の成長や将来性に期待が持てるビジネススタイルといえるでしょう。