歌で健康寿命を延ばす カラオケを通じて老後に夢のある社会をつくりたい

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インタビュー: カラオケハウス銀の夢/うたプロモーション株式会社 代表取締役 宇野 穣 氏

業務内容について教えてください。

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主にシニアのお客さまを対象にしたカラオケハウス「銀の夢」をFC展開しています。「カラオケハウス」は、歌うことが好きな方はもちろん、カラオケを通じた健康づくりにも配慮した新しい形のカラオケ店。高齢社会のニーズに合わせて伸びていく新業態の分野として、いま全国的にFC加盟店舗を増やしながら拡大しています。カラオケを楽しむ場というと、従来はカラオケボックスやスナックが代表的な場所でした。カラオケボックスは仲間同士が個室に入って楽しむ空間であり、スナックはお酒や女の子がメインでカラオケはサブ的な存在です。その中で、誰でも1人で気軽に行けて、お酒がなくても純粋に歌うことを楽しめる場として、「カラオケハウス」をつくりたいと考えました。

 

「カラオケハウス」の特徴について教えてください。

カラオケハウスは、歌が好きな方の誰もが気兼ねなく同じ場所に集まり、初めて会った方でも歌を通じて楽しい時間と空間を共有できる場所です。そして「銀の夢」は、「健康☓カラオケ」をコンセプトに、シニア向けの健康維持を目的にカラオケを楽しんでいただける空間であることが大きな特徴です。カラオケは実はすでに20年ほど前から、「高齢者の認知症予防に良い」と言われてきました。ただ、今までは本当に認知症防止に役立つようなカラオケの楽しみ方や歌い方をしていなかったのです。それが、カラオケハウスという新たな形態であれば、健康づくりにつながる効果を生むことができると考えました。2012年に1号店をオープン後、次第にご近所の年配の方々が大勢来店してくださるようになり、楽しそうに歌っては笑顔で帰って行かれるようになりました。健康寿命を延ばすにはカラオケが一番だと確信し、歌好きの方が1つの空間に集って楽しめる「カラオケハウス」の意義を強く感じたのです。

 

なぜ、「健康☓カラオケ」というコンセプトを重視したのですか。

ある数字のデータに大きなショックを受けたことが発端でした。WHOの発表では、日本人の健康寿命は男性72歳、女性が77歳で、平均寿命は男女それぞれ80歳、87歳でした。この数字は、健康寿命が尽きたあとの約10年もの間、寝たきりか要介護の生活が続いていることを表しているわけで、この事実に私は愕然としました。人生の終末の10年間は、自分の足で立つこともできない寝たきりであるという事実に衝撃を受けたのです。健康寿命を迎えてからの介護対策は重視されつつありますが、本当に大切なのは、平均寿命との差をできるだけ少なくすること。健康寿命をどう延ばすかが、もっとも重要な事柄であるべきだと考えました。そして、高齢者の健康維持や認知症などの予防において、「カラオケハウス」でカラオケを楽しむことが効果的であると考え、このコンセプトを重視したわけです。

健康寿命が延びる事で恩恵を受けるのは、本人よりも健康寿命が尽きて要介護や寝たきりになる事で負担を強いられる身内の方だと考えます。高齢者本人よりも、次世代の人たちにとって健康寿命を伸ばす事がいかに大事かまだ認識が足りないと思います。しかし国を挙げて健康寿命を延ばす取り組みがこれから本格化する事で急激にその認識が高まる事が予想されます。「カラオケハウス」の営業形態が健康寿命を延ばす事に有効だと全国的に認知される事で一気にこのカテゴリーの店が拡がって行くと確信しています。

 

カラオケハウスは健康にどのような好影響があるのですか。

たとえば「カラオケボックス」に仲間うちで出かける場合と違って、「カラオケハウス」は今日初めて会った人など、不特定多数の人たちが集まった中で、自分の歌を披露する場所です。その中では、自分の知らない曲に触れ合う機会も多くなり、自身も「次までにはこの曲を覚えて披露しよう」という想いが働いて大きな刺激になります。すると「曲を覚える」という行動につながり、その学習習慣が脳に良い影響を与えます。つまり、曲を覚えることが脳の活性化につながり、認知症の予防やリハビリテーションに効果があることが注目されているわけです。またカラオケハウスにはステージがありますから、聴く人の注目を集めて歌うことで良い緊張感が保たれ、「人に見られる」という、普段の暮らしにない新鮮な刺激を得られることも良い効果でしょう。

 

宇野社長はカラオケハウスでどんなことを実現したいですか。

feature_0006_2お客さまから「社長のおかげで毎日元気でいられる」という言葉を聞くと、この事業をさらに拡大していかなければいけないと強く感じます。私はマイナスイメージがつきまとう「高齢社会」を、プラスイメージの「長寿の社会」にしたいのです。シニア世代が家でテレビを見てごろごろしているよりも、こうした交流の場で楽しく過ごして、イキイキとした暮らしを送ってほしい。みんなでワイワイとカラオケを楽しむ姿を若い世代にも見てもらって、「歳をとるのも捨てたもんじゃないな…」と思えるような世の中にしていく力になりたいですね。また一方で、カラオケハウス「銀の夢」の業態が、シャッター商店街の起爆剤になればとも考えています。いま全国のいたるところにシャッター商店街がありますが、そんな商店街に共通しているのは、シニア世代が多いということ。カラオケハウスはあらゆる部屋の空きスペースを低コストで活用できますから、まちおこしの起爆剤になるのではないかとの想いがあります。

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