本場台湾の味が日本上陸! 自家製タピオカ茶スタンド
BOCジャパン合同会社
台湾の国民的ドリンク「タピオカミルクティー」
台湾は日本人にとって人気の旅行先で、近年ではつねにベスト5に入るほどの人気を誇っている。
人が親切で、エキゾチックな街並み、物価が安く、食べ物も美味しい、と3拍子も4拍子も揃っているのだから、人気になるのも頷ける。
日本の南に位置し、飛行機で3時間ほどで行けるのも人気を後押しする。
そんな台湾には、名物ともいえる国民的なドリンクがある。
タピオカミルクティーがそれだ。
台湾でタピオカミルクティーが生まれたのは1980年代とされ、ミルクティーに大粒のタピオカを入れ、太い口のストローで飲むのが一般的。
もはや台湾では街を歩けば、そこかしこにタピオカミルクティーのお店があるほどだ。
日本で「台楽茶(たいらくちゃ)」としてタピオカミルクティーのお店を、大きくフランチャイズ展開していこうと計画しているサンテラス合同会社の小松知彦さんに、その魅力を伺った。
「タピオカミルクティーは、台湾では何千というブランド、何万というお店があります。モールの中に5~6店舗、ちょっとモールを出たところにも3店舗といった感じです。その分、競争率は激しいので、残っているお店はどこもクオリティが高いのが特徴ですね」
台湾ではタピオカミルクティーはジュースというより、お茶感覚で飲まれているという。
日本のカフェのようにお店の中で飲むのではなく、タピオカミルクティーを片手にショッピングをしたり、学校帰りの学生がそれを買って塾に行ったりといった具合だ。
日本でこのような業態のお店はなく、駅ナカにあるフレッシュジューススタンドが近いかもしれない。
インスタでも若い女性を中心にブーム
小松さんは本場台湾のタピオカミルクティーのスタンドショップを日本にも広く展開していきたいと考えている。
「ここ最近、日本でもタピオカミルクティーの人気は高まる一方で、メニューとして提供するお店も広まり始めています。特に若い女性の人気がすごくて、インスタグラムをはじめとするSNSにはたくさんのタピオカミルクティーの写真がアップされています。たしかにコロコロとしたタピオカの玉が入ったドリンクはインスタ映えする見た目なので、それもブームの一因になっているかもしれません」
ただ、現状はブームとしての人気という側面が大きく、今後も人気が継続するのかという点について、小松さんは普通のタピオカミルクティーでは難しいだろうという。
「タピオカミルクティーって、そもそもそんなに難しいものではないんです。作り方もとてもシンプルで、タピオカパールを鍋でぐつぐつ煮て、それをミルクティーと合わせるだけ。台湾ではスーパーでも簡単にタピオカパールが手に入るので、自宅でも楽しまれています。でも、逆にシンプルだからこそ、それぞれのお店の特徴があって味わいに差が出ます。ミルクティーといっても、台湾ではウーロン茶のミルクティーやほうじ茶のミルクティー、それ以外にも鉄観音茶、ジャスミンといったように、ミルクティーだけでもバラエティーはさまざま。そういったお茶のバラエティーを売りにしたお店だったり、フルーツティーが人気のお店だったりと、生き残りをかけてさまざまな工夫がされているのが台湾のタピオカミルクティーの現状です」
フランチャイズ展開での秘策は「手作りタピオカ」
台湾のクオリティの高いタピオカミルクティーを日本に持ってくるだけでもかなりの強みになりそうだが、小松さんはそれだけでは足りないと考え、タピオカパールで差別化を図る。
「タピオカミルクティーのブームで、最近ではコンビニでもタピオカドリンクが手に入りますが、やはりお茶の品質やタピオカパールのクオリティという面で、本場の味には適わないのが現状です。わたしたちが『台楽茶』で提供するタピオカミルクティーは、本場の味であるということに加え、タピオカパールを店頭で手作りすることをコンセプトにしています。台湾でもあまり見かけない、この自家製タピオカのメリットは、まず食感に表れます。通常のものよりモチモチとした柔らかい食感が特徴で、そこに沖縄の黒砂糖で作った黒蜜と、北海道のミルクを合わせることで本場を越える味わいに仕上がりました」
タピオカパールはキャッサバイモを粉にして練り込み、玉状にすることで作られるが、これを小さなお店でも設置できるコンパクトな機械で行うために、台湾の会社と共同で粉を開発したという。
たとえば製麺自体をお店で行う丸亀製麺のように、自家製タピオカを大々的にアピールしていきたいと小松さんは考えている。
「自家製タピオカは、美味しさというメリットはもちろん、お客さんにタピオカが作られる過程を楽しんでもらえるという演出効果もあります。これからはスタンド形態を中心に、フードトラックといった形態も進めていきたいですね」
スタンド形態ということで、お店に必要なスペースも小さくて済むのも、この業態のいいところ。
台湾の夜市ではじめて出会ったタピオカミルクティーの味が忘れられないという小松さんの思いが、今後どのように日本中に広まっていくのかが楽しみだ。