ラーメン屋経営の在り方自体が変わる『ばんから』システム!

株式会社花研 代表取締役 草野 直樹株式会社花研 代表取締役 草野 直樹

ラーメン屋は失敗するというイメージを払拭したい

ひと昔前まで『脱サラ』と言って真っ先に思い浮かべるのはラーメン屋だった。ところが現在は、ラーメン屋をやると失敗するというイメージが定着しつつある。実際、ラーメン屋を開業し10年後に生き残る店舗は1割にも満たないという。

「ばんからラーメン」を運営する株式会社花研代表取締役である草野直樹氏は、出せば潰れるというラーメン屋のイメージを変えたい、そのためにはこれまでのラーメン屋の仕組み自体を変える必要があると言う。

「昔と比べて圧倒的に違うのは、お客さんが時間の価値を高く見るようになったことです。要するに『時短』ですね。昔は1日3食食べるのが当たり前だったのが、今は1日1食でも良かったり、週末はファスティングをするとか。また、地方なんかでは、昔は家族でロードサイドのレストランに食事に行っていたのが、今はフードコートでいいや、となってきている。手っ取り早いし、子どもも習い事もあるし、って。そういった時間に対する価値観が全然変わってきましたよね」と草野氏。

そんな時代の変化の中で、ラーメン屋に求められているものは何なのか。草野氏の答えは非常にシンプルだ。喜んでもらえるようなサービスの提供。ただ、それだけだと言う。

「ラーメンなんて、何かの用事のついでにぱっと来て食うものです。どこで食ったって、ある程度は旨い。そういう嗜好品的な性質が強いので、大事なのは気軽に使ってもらえるものを提供しているというところを忘れてはいけないんです。提供時間の早さや手軽さ、行きやすい立地、そういったものを全部含めてやっていかなきゃいけない。結局、そこをしっかり持っていないと、カップ麺に食われてしまう。最近のカップ麺なんて、具材をのっけたら下手なラーメン屋さんより全然美味しいですよ(笑)」

『オレの味』だけでは通用しない理由

また、極度な味へのこだわりといったラーメン屋ならではの独特の風潮にも、草野氏は疑問を投げかける。

「ラーメンの世界ってもっと気軽にやってもらわなきゃいけないのに、今の国内市場はちょっと衰退している。というか疲弊しちゃっている状態です。世代交代がうまくいっていないので、今後さらに悪化することも考えられます。現在、4万件くらいのラーメン屋さんが営業しているのですが、その総売上はたった8000億しかないんですよ。平均すると年商2000万円くらいです。ということは、個人のマーケットじゃないですか。個人の業態であるが故に参入もしやすいわけですが、長続きさせるためにはちゃんと経営をしなきゃいけない。それはどんな商売でも一緒です。しかし、なぜかラーメン屋の場合は違っていて、味が良ければ何とかなるという一心で始める人が多いんです。『オレの味』って」。

「お客さんが求めているのは『オレの味』ではなくて、気軽に美味しいラーメンが食べたいということです。スープがなみなみ入ったラーメンが『お待たせしました!』って運ばれてきたら心躍るわけですよ。『今日ラーメン食いに行くからおごってやるよ』って言われたら喜ぶわけですよ。本来そういうものであるはずなのに、『オレの味』だとか、味に目が行き過ぎてしまった。たしかにそれで上手くいっているところもあります。また、味の競争で以前より全体のレベルが上がってきているという事実はあるんですが、そもそも店を始める前に立地診断すらしないとか、要するにマネジメントを勉強しないで来る人が非常に多いので、生き残る確率が少ないんです」。

時代遅れのラーメン業界で今やるべきこと

現在のラーメン業態は、30年前のカフェ業態の状態だと草野氏は言う。自動化できるものは自動化していくことが、味の均一化につながり、経営自体も安定していくというのだ。

「『ばんから』をやっていく時から、うちは仕組みでやっていこうと決めたんです。美味しさも仕組み、また美味しさを出し続けるのも仕組み。看板を出すからには、誰がやっても同じ美味しさを提供しないといけないので、そこをシステム化してスタートしているんです。味噌自体も旭川でうちの味噌を作っています。そこまでやると、仕組みってちゃんと維持も担保もできる。例えば、カフェって今はどこでもバリスタマシンで美味しいラテが飲めますよね。昔はバリスタがいないとできなかったわけで。それが進化なんです。ただラーメンとなると、それでは味気ないといった話になる。それはまさに30年前のカフェの業態と同じで、ラーメン業態が遅れている証拠だとも言えます。味の担保は人に依存するのではなくて、もっとちゃんとテクノロジーを使うべきだと思っています。」

経営に必要なマネジメントであるとか、日々の経理業務といったことまで、うちのノウハウやシステムを使ってもらったらいい、と言う草野氏の言葉は、まるでインターネット黎明期のオープンソース的な発想に近い。

「これから新しく出店するラーメン屋さんが潰れにくく、経営として長く続くように、うちが持っているノウハウを使ってもらいたいと思っているところなんです。ラーメン屋を開業する人の多くは、どこそこの店で修行したって言うんですよ。ただ、それはレシピなんです。正直、レシピなんて今の時代、クックパッドやYouTubeを探せば美味しいのが出てきますよ(笑)。そうじゃなくて、ブランディングだとかマーケティング、立地診断、要するにサービスを売るっていうところをみんな無視しちゃっているので」。

「うちは50年間、たくさんの店を作ってきました。大事なのは施工も含めて、いかにお客さんにサービスをうまく提供するか、です。味もサービスだし、笑顔もサービス、提供時間の短さだって、座っている椅子の柔らかさだってサービスです。これらをどうやって提供するのか、ゼロから考えなくても、うちのノウハウを使ってもらえるようにしようと思っています」。

「外食って、これからも残っていく産業だと思っています。残っていくためにも大事なことはサービスの提供、楽しさの提供です」と言う草野氏。

苦戦を強いられている外食産業、とくにラーメン業界の中で、草野氏は今後3年間で100店舗到達、海外店舗の拡充、さらには若手経営者の育成といった多くの目標を掲げ、『身近なご馳走であるラーメン』の復権に全力を注いでいる。


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