急成長する無人古着屋「SELFURUGI」が提供する新しい購買体験

株式会社AVEND/無人の古着屋SELFURUGI(セルフルギ)

投稿者・コラム執筆者

コロナ禍の閉塞感から生まれた無人古着屋という新モデル

無人古着屋という新しいビジネスモデルで急成長を遂げているのが、株式会社AVENDだ。代表の南雲宏樹氏は、専門商社からリクルート、さらにAmazon Japanにてコンサルティングを担当してきた異色の経歴を持つ。アパレル未経験ながらも、独自の戦略とデータ活用を武器に、現在は「SELFURUGI」を中心に全国24店舗を展開している(2025年9月末時点)。

1号店は池袋に2021年12月にオープンした。ちょうどコロナ禍で街の人々の生活が大きく制限されていた時期である。
「第一子が2020年に生まれたのですが、外出がほとんどできず、大きなフラストレーションを感じました。友人の中でも鬱になって休職する人が増え、日本全体が鬱屈とした雰囲気でした」と南雲氏は当時を振り返る。

その状況で彼は「安心して買い物ができ、前向きになれる新しい購買体験を提供したい」と考え、無人店舗という業態に着目したのだという。緊急事態宣言で街が閉ざされ、人々の外出が制限される中、消費行動は大きく変化した。従来の店舗ビジネスは打撃を受けたが、非接触型の購買やオンライン対応を強化する企業は新たな機会をつかんでいた。南雲氏はこの状況を的確に読み取り、古着×無人店舗という新しい形で市場に挑戦した。

古着×無人店舗。その成長の理由と仕組みとは

古着、さらに無人店舗という業態に踏み切った理由について、南雲氏は次のように語る。
「仕入れのルートが整っていたこと、そして古着市場の成長を確信していたことが大きな理由です。新品アパレルへの批判的な風潮やSDGsの追い風もあり、古着は社会的関心が高く、産業として成長すると思いました」

無人店舗という形態も、消費者ニーズを的確に捉えた選択だった。従来の古着屋には「入りづらい」「接客が過剰」といったイメージがあった。実際、購入中に話しかけられたくない人は6割に上るという調査もある。「非接触・非接客」という形態により、顧客が自分のペースで買い物できる環境を提供できると考えたのだ。

この狙いは見事に成功し、コロナ禍を過ぎた今も成長は止まらない。こうした拡大を支えるのが、各地の無人店舗を運営するオーナーの存在だ。

オーナーの役割は大きく二つに分けられる。ひとつは「売れ筋や不振商品の把握と本部へのフィードバック」。地域によって売れる商品は異なるため、現場での気づきを本部に伝えることが重要になる。もうひとつは「在庫管理と循環」。古着は良いものから売れるため、残った商品を放置すると顧客は離れてしまう。値下げで売り切り、得た資金で新商品を投入する。この循環を維持することが利益確保の鍵となる。

現在、フランチャイズオーナーのほとんどはアパレル未経験者だ。南雲氏は「重要なのは商品知識ではなく、売れ行きを客観的に管理できるスキルです。仕入れや価格決定は本部が担うので、オーナーは販売に集中できます」と語る。

本部のサポート体制も充実している。仕入れから検品、洗濯、値付け、配送まで一括管理。広告や集客も代行され、メタ広告を中心に動画広告の制作・運用も本部が担当する。さらに、通行量や商圏データ、過去の成功・失敗事例を分析して出店可否を判断し、販売データの提供によって売れる商品の傾向を示す。この仕組みにより、経験の浅いオーナーでも高い成功確率で店舗運営が可能となっている。

顧客の声を力に、無人古着店が示す小売の新しい可能性

南雲氏は自ら手がけるビジネスの中で、手応えとやりがいを肌で感じている。
「結局、ビジネスで一番面白いのは、誰に価値を届けているかが実感できる瞬間です。お客さんが楽しそうに商品を手に取ってくれる姿や、リアルな空間で商品が存在している感覚。そういう“手触り感”がビジネスの醍醐味だと思います。広告運用のように数字だけで結果が出る世界もありますが、やはり店舗に愛情を注いだ分だけ、売上や利益として返ってくる泥臭さや手応えが面白い。そこに、僕は最もやりがいを感じます」

新しい購買体験を掲げてスタートした無人店舗だったが、そこには思わぬ利点もあった。
「ある店舗でアンケートをお願いしたところ、1か月で200件もの生の声が集まりました。スタッフが常駐していると、悪い意見は書きづらく、これほどの数は集められません。無人だからこそ、多様な意見を収集し、店舗運営に直接反映できるのです。むしろ無人だからこそ、手触りのあるビジネスを広げられると思っています」

今後の展開について南雲氏は、「現在24店舗で年内に8店舗増、さらに月2店舗ペースで拡大し、5期目で70店舗、6期目で100店舗を目指します」と語る。市場の上限は100店舗程度と見込んでおり、将来的には相性の良い別業態への展開も視野に入れる。規模拡大と同時に、店舗オペレーションの最適化やデータ活用もさらに進める方針だ。

ゼロから築き上げた無人古着屋という新しいビジネスモデルは、顧客の声を丁寧に拾い、地域ごとの特性に応じた運営によって、リアルな購買体験の価値を最大化する。「SELFURUGI」は、人々が自分のペースで安心して買い物を楽しめる空間を全国に広げる存在だ。そして、この挑戦はまだ始まったばかり。無人であっても手触りのあるビジネスは、人々の暮らしに新しい価値を届け続けるだろう。


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