空きテナントを活用したビジネスのメリットとデメリット・おすすめの業種も紹介
空きテナントを所有しているものの、賃貸に出してもなかなか空室が決まらないというケースもあります。
そうすると、家賃収入が減少してしまうだけではなく、空きテナントを抱えたままの状態で維持費だけがかさんでしまいます。
そのため、所有している空きテナントの空室がなかなか決まらない場合、オーナー自らがビジネスに活用するという選択肢があります。
そこで、この記事では空きテナントをビジネスに活用するメリットやデメリット、おすすめの活用ビジネス方法についてご紹介します。
目次
なぜ空きテナントを活用したビジネスをすべきなのか?
空きテナントの賃貸がなかなか決まらないと悩んでいるオーナーは多いです。
そのまま賃貸が決まることを待っていても、いつ賃貸が決まるのかは分かりません。
空きテナントがある場合には賃貸が決まることを待つのではなく、ビジネスとして活用することを検討すべき理由からみていきましょう。
(1)空きテナントは増加傾向にある
総務省が公表している平成30年の「住宅・土地統計調査」によると、少子高齢化による人口減少が影響し、空き家の数が過去最高の13.6%に増加しています。
空き家数の増加は深刻な社会問題となっています。
そして、空き家と同様に空きテナントも空室が増加しており、空室を埋めるために募集賃料も低下傾向にあります。
空きテナントが増加した原因として、2019年からのコロナウイルス感染拡大が関係しているといえます。
コロナ禍でテレワークが推進されるようになり、オフィスを構える必要性がなくなってしまい、空きテナントが増加してしまいました。
空き家を所有しているオーナーにとっては、テナントの需要が減少していることは大きな問題です。
賃貸に出しても決まりにくい現状からも、オーナー自身が空きテナントを活用するビジネスに目を向けなければいけないといえるでしょう。
(2)空きテナントを活用したビジネスが普及した背景
近年インターネットの普及と進化により、ビジネスの世界の環境が大きく変化しています。
以前は所有している空きテナントの空室が続いたとしても、、本業を持っている場合は空室テナントを活用したビジネスにつなげにくいといった現状もあったのではないでしょうか。
しかし、インターネットの普及と進化により、インターネットを活用しながら空室をオーナー自身がビジネスとして利用する方法を探すことや、ビジネス管理することができる環境になっているといえるでしょう。
(3)空きテナントを活用すべき理由
空きテナントが募集してもなかなか決まらなければ、賃貸諦めて解体することを検討するケースもあるでしょう。
空きテナントを解体すれば、売却することや、更地にしてから駐車場経営することなどが可能です。
しかし、解体をするのであれば解体費用は大きな負担になります。
テナントの構造によっては、解体費用が高額になってしまうこともあります。
そのため、よほど老朽化が進んでいない限り、賃貸が決まらないという理由で空きテナントを解体することはオーナーにとってマイナスの負担が大きくなってしまいます。
余計な費用をかけずに活用する目的でも、空きテナントをオーナー自身で活用ビジネスにつなげる必要があるといえるでしょう。
空きテナントの活用ビジネスにおけるメリット
オーナー自らが空きテナントを活用しようと検討する場合、まず知っておきたいことは空きテナント活用ビジネスのメリットでしょう。
空きテナント活用ビジネスをすることにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
(1)収入が得られるようになる
空きテナントを空室のまま所有していても、収入は得られません。
いつ借主が現れるか分からない状態で賃貸の募集を続けるよりも、オーナー自らが空きテナントを活用ビジネスにつなげることで収入を得られる可能性が高まります。
もちろん、空きテナント活用ビジネスが必ずしも成功するとは限りません。
しかし、現在はインターネットを活用することで新たなビジネスチャンスが増えています。
空室活用ビジネスが成功すれば、家賃収入以上の収入になることも期待できるでしょう。
(2)コストがあまりかからない
すでに所有している空きテナントでビジネス活用を検討するため、家賃などのコストがかかりにくい点は大きなメリットです。
店舗を構えるビジネスをする場合、通常であれば物件の契約時には補償金や仲介手数料などの費用が発生します。
また、毎月支払うテナント費用は固定費の中でも大きな割合を締めます。
一方で、自身の所有する空きテナントを活用すれば、開業するための費用を抑えることができ、賃料負担もありません。ため
そのため、損益分岐点を低く設定することが可能になり、ビジネス展開しやすくなるでしょう。
(3)新しいビジネスに挑戦できる
空きテナント活用ビジネスには、さまざまな種類の業種やビジネス形態があります。
すでに所有している空きテナントだからこそ、オーナーが「やってみたい」と思える新しいビジネスを開始するきっかけになるでしょう。
これまで経験したことのない業種であったとしても、フランチャイズに加入すれば既存のノウハウやブランドの認知度を利用し、手軽に新規ビジネスが開始できます。
(4)オーナーが現場に立たずに運営もできる
前述したように空きテナント活用ビジネスでは、さまざまな業種やビジネス形態があります。
オーナー自身が現場に立たなくても売上を出せるような業種やビジネススタイルもあり、副業としてビジネス展開することも可能です。
近年ではインターネットの浸透と進化によってビジネスも多様化されており、新たなビジネスチャンスも増えています。
業種によって異なりますが、オーナーが現場に立たなくても運営できるビジネス形態を選択すれば、より効率的に空きテナントを活用できるといえるでしょう。
空きテナントの活用ビジネスにおけるデメリット
空きテナントを活用ビジネスにつなげることはメリットが多いですが、デメリットが全くないというわけではありません。
デメリットについてあらかじめ理解をし、注意や対策を建てることが大切です。
ここからは、空きテナントを活用ビジネスに繋げる場合のデメリットについてみていきましょう。
(1)景気に左右される
自分でビジネス展開するため、景気の波に大きく左右されやすい点はデメリットでしょう。
そのため、空きテナントを活用したビジネス展開を行う前にマーケティングをすることが大切です。
場合によっては自分が考えるビジネスが、立地やエリアなどの原因で顧客の需要とマッチしておらず、上手くいかない可能性があります。
また、自分たちが検討するビジネスとエリアの相性が良い場合でも、活用方法を失敗すれば収益をあまり得られないケースもあるでしょう。
空きテントがあるという理由だけでビジネス活用してしまえば大きな損失を生む恐れもあるため、事前にマーケティングをしっかり行ってください。
(2)ある程度のノウハウが必要
新たなビジネスを起業するのであれば、ノウハウがないため苦戦することが予想されます。
空きテナントを活用ビジネスにつなげる場合、ある程度ノウハウを持った状態でビジネス展開すべきだといえるでしょう。
空きテナントを活用することを最優先にするのではなく、ある程度のノウハウを持って起業する準備をすることが大切です。
フランチャイズであれば本部のノウハウを共有することで、全くの未経験の業種でもビジネス展開しやすくなります。
新しい業種で空きテナントを活用するのであれば、フランチャイズでビジネスを始める方が失敗のリスクを軽減できます。
(3)融資が難しい場合がある
空きテナントで新たなビジネス展開を検討する場合、場合によっては融資が必要になるかもしれません。
しかし、未経験の業種でのビジネス展開は、融資が通らないケースもあります。
事業規模にもよりますが、空きテナントだけでは担保能力が低いと判断されれば融資はおりません。
例えば、コインランドリーを経営しようと検討したとしましょう。
コインランドリーはオーナー自らが動く必要がなく、空きテナントの活用ビジネスには最適です。
しかし、初期の設備導入費用に大きなコストがかかります。
融資が通らなければビジネスを展開することはできず、諦めなければなりません。
フランチャイズならば設備導入などを本部にサポートしてもらえるケースもあることや、フランチャイズの知名度から融資が通りやすくなることもあります。
空きテナントにおすすめの活用ビジネス
空きテナント活用ビジネスにはさまざまな種類があります。
ここからは、空きテナントにおすすめの業種についてご紹介します。
(1)レンタルオフィス
レンタルオフィスとは従来のオフィスとは異なり、オフィスに必要な設備が整った状態で短期間契約から可能なオフィススペースを貸し出すものです。
空きテナントを募集するときとは異なり、個人単位で利用できるスペースや、会議室だけを利用できるようなスペースなど、空間を分割して貸し出します。
レンタルオフィスはリモートワークの方や、フリーランスの方、少人数の起業など、近年では需要が高まっています。
インターネット環境の整備や、デスクの準備などの初期投資が必要ですが、本業を持っている方の空きテナント活用として最適といえるでしょう。
(2)コワーキングスペース
コワーキングスペースもレンタルオフィスと形態は変わらず、オフィスとしての目的で空間を貸し出すものです。
レンタルオフィスとの違いは、レンタルオフィスが個室として仕切られているのに対し、コワーキングスペースはフリースペースとなっている点です。
大きな机などを準備し、各々がその場所で作業を行います。
コワーキングスペースは、フリーランスなどの個人事業主がよく利用されることが多く、時代のニーズにマッチしたビジネスだといえるでしょう。
レンタルオフィスと同様、インターネット環境の整備やデスクの準備などの初期投資が必要になります。
コワーキングスペースでは空間を分割する必要がないため、レンタルオフィスほど広い空間ではなくてもビジネス活用しやすいでしょう。
(3)民泊
空き家を所有している場合、民泊として活用するケースも増えています。
近年では、空き家だけではなく空きテナントも民泊施設に改装してビジネス展開しています。
民泊活用するには保健所への申請などいくつかの条件をクリアしている必要がありますが、上手く活用できれば収益性の高いビジネスといえるでしょう。
インバウンド需要が見込めるエリアでの民泊経営には、外国人観光客などの需要により、事業の安定性にも期待が持てる業種です。
(4)トランクルーム
トランクルームとは、荷物置き場として利用できる収納場所が設けられているレンタルスペースです。
空きテナントをいくつかのスペースに分け、トランクルームとして貸し出せば、賃料収入を得ることができます。
シーズンが終わった洋服の保管や、家に置くことのできない大きな家具や趣味の道具、ビジネス上の書類保管など、利用用途は幅広いです。
そのため、幅広いユーザーに向けてビジネスを展開できるという強みがあります。
セキュリティシステムの設置などは必要ですが、スペースを区切るだけで貸し出しできるため、比較的初期投資を抑えることができます。
(5)パーティールーム
パーティールームは、名前の通りパーティーをするために空間をレンタルする方法です。
パーティー以外でも、撮影スタジオの代わりやセミナー会場、何かの教室など用途は多様です。
近年ではパーティールームで忘年会などを開いたりすることもあり、需要が高まっています。
しかし、用途が多様なのでホワイトボードやカラオケ機器、ゲームなどさまざまな設備が必要になります。
また、騒音などに備えて防音対策なども必要になるでしょう。
新しい空きテナントの活用ビジネス
空きテナントはさまざまな活用が可能ですが、近年需要が高まりつつある新しいビジネスも多数あります。
ここからは、目新しい空きテナントの活用ビジネスを紹介します。
(1)セルフエステ
定期的に料金を支払うことでサービスを利用できるというサブスクリプション方式で会員を募り、セルフエステを行えるというビジネス形態です。
こういったセルフエステの店舗運営では、従業員は受付と清掃のみに配置し、施術は利用者が自ら行います。
そのため、エステの資格を取得する必要がありません。
施術方法は画面の動画を見ながら操作できるほど簡単な操作で施術が可能です。
利用者のチェックアウト後に掃除を行い、次の利用者を案内するため手間がかかりません。
近年利用者が増えているサービスといえるでしょう。
(2)ホワイトニング
セルフエステと同様のサブスクリプション方式で会員を募るタイプのビジネスで、利用者が自身でホワイトニングを行うビジネス形態になります。
医療用ジェルを使用しますが、特別な資格を取得する必要はありません。
利用者が自身でホワイトニング施術を行うため、受付と清掃の従業員だけを設置するので人件費も最小限に抑えられます。
(3)期間限定の出店へのレンタル
空きテナントを長期的に賃貸として貸し出すのではなく、期間限定で貸し出すという方法もあります。
いわゆるポップアップストアと呼ばれる期間限定の出店の場所として空きテナントを貸し出します。
商品を宣伝したい企業などが期間限定で出店するケースが多く、ブランドイメージの向上やSNSでの拡散が主な目的です。
こうした期間限定の出店への貸し出しは、立地の良い場所でのみ有効といえます。
(4)物置
空きテナントを物置代わりに貸し出すというビジネス方法もあります。
利用者の荷物を一定期間預かるスペースとして利用するビジネスですが、トランクルームよりも手軽なイメージです。
物置なので長期間の利用ではなく、ちょっとした空きスペースの活用に利用されることが多いといえます。
マッチングサイトなどもあり、利用者も増えている点や、設備投資にあまりコストがかからない点が特徴です。
まとめ
空きテナントの賃貸がなかなか決まらない場合、オーナー自身が活用するビジネスを検討する必要があります。
空きテナントは増加傾向にあるため、空きテナント活用ビジネスは新たなビジネススタイルとして注目されています。
さまざまな活用が可能であり、オーナー自らがあまり動く必要がない点も特徴で、賃貸に出す以上の収益を挙げられる可能性も高いといえるでしょう。
ただし、ノウハウがない状態でビジネスを始めることはリスクが高いため、フランチャイズなど既存のノウハウが利用できるビジネス方法を検討してみてください。