太陽光発電ソーラーパネルのフランチャイズの開業手順と初期費用
東北大震災以降、再生可能エネルギーの活用が注目を浴びています。
そこで、太陽光ソーラーパネル事業を行いたいといった人も多いのではないでしょうか?
しかし、今後の太陽光発電ソーラーパネル事業は先行きが厳しいのか、また初めての事業でうまくいくのかといった不安があるでしょう。
太陽光発電ソーラーパネル事業は、フランチャイズ経営も行うことが可能です。
目次
太陽光発電ソーラーパネル業は先行きしぼむ事業なのか?
太陽光発電ソーラーパネル事業を行う前に時々目にするのが、先行き事業として成り立たないのではないかといった声です。
将来性が乏しい事業ならば、参入しても後で苦しむかもしれません。
太陽光発電ソーラーパネル事業の将来性について解説します。
(1)FIT制度の見直しがあり新規参入は少なくなる可能性
太陽光発電ソーラーパネル事業を行う場合、最も影響がある制度がFIT制度です。
FITとは太陽光発電などの再生可能エネルギーを買い取る制度のことを指します。
個人が事業として行う太陽光発電ソーラーパネル事業の電力を電力会社が買い取ることを定めたものです。
2012年は1kwあたり40円でしたが現在では12円~13円と下落傾向にあります。
そのため、新規での参入は少なくなるのではないかといった見方が増えているのが現状です。
(2)今からの新規参入でも十分収益は出る
買い取り価格が少なくなり、新規参入が難しいとなると先行きは厳しいのではないかとの見方が増えているのが現状です。
確かに買い取り価格が抑えられているので売り上げ自体は依然と比べると厳しくなるのかもしれませんが、代わりに導入コストも大幅に抑えられています。
以前の1/3~1/2程度に導入価格が抑えられるので、コストの抑制で十分な利益が出せるようになっています。
しかも今後も再生可能エネルギーの活用は続けられていきますので、新規参入でも十分、利益は確保できるといえるでしょう。
太陽光ソーラーパネル発電はどれくらい儲かるの?
では、実際に事業として行った場合、太陽光発電ソーラーパネル事業はどの程度の利益が出るのでしょうか?
ここからは、太陽光発電ソーラーパネル事業の利益面について解説します。
(1)不労所得としての副業感覚での参入も可能
いったんソーラーパネルを設置して稼働してしまうと、そこまでいろいろと動く必要がありません。
不労所得として収益を上げることも可能な事業といえるでしょう。
つまり一般のサラリーマンでも比較的容易に参入できるといえる事業です。
最初にかかるコストと発電量を計算し、利回りが計算できると、そう大きな変動がなく発電され収益を上げることができます。
副業感覚の参入も少なくありません。
(2)利回り10%も可能で、数か所運営で年収も大幅に上がる
太陽光発電における収益は、ソーラーパネルを導入し、太陽光による電力を電力会社に販売するビジネスモデルです。
平均の想定利回りは、表面で10%前後、そこから経費を差し引く実質利回りは7%前後だといわれています。
しかし、発電量が多い地域などで事業を行うとさらに利回りは上昇し、実質利回りでも10%程度の利回りを確保することも可能です。
しかも、数か所での運営により年収を大幅に上げることも可能でしょう。
十分に売り上げも見込める事業といえます。
太陽光ソーラーパネル発電を開業する初期費用やロイヤリティは?
太陽光発電ソーラーパネル事業に限らず、フランチャイズ事業を行う場合、気になるコストが加盟店料や、ロイヤリティといった金額です。
加盟店料とはフランチャイズ本部に加盟した場合に支払う費用で、最初に一回だけ支払う費用となります。
ロイヤリティとは、フランチャイズ本部の知名度や運用ノウハウを使うことができる代わりに発生する使用料といっていいでしょう。
ここからは、太陽光発電ソーラーパネル事業をフランチャイズで行った場合の初期費用やロイヤリティについて解説します。
(1)太陽光発電ソーラーパネルを開業する初期費用は
初期費用として最初に考えるのが購入費用です。
一般的に導入の費用として、1kwあたり30万円前後が相場といわれています。
4kwのソーラーパネルならば120万円程度を見込まなければいけません。
しかし、1台程度の設置であれば、あまり利回りも取れないので複数台設置している人が多いといえるでしょう。
およそ1,500万円程度のコストで150万円~100万円程度の利益が見込めます。
また、前述した加盟店料などに関しては、フランチャイズ本部にもよりますが一切加盟店料がかからないフランチャイズ本部もあります。
加盟店料の有無などで、フランチャイズを選ぶ判断材料の一つとしてもいいでしょう。
(2)フランチャイズに加盟するロイヤリティは?
次にロイヤリティを見てみましょう。
基本的に太陽光発電ソーラーパネル事業の売り上げは天候にも左右される部分はありますが、そう大きくぶれる可能性は低いです。
そのためフランチャイズ本部は、設置と定期的なメンテナンスの手配のみということが多く、ロイヤリティをもらっていないこともあります。
これもフランチャイズ本部によって異なりますので、フランチャイズ選びの判断材料となるでしょう。
フランチャイズによる太陽光ソーラーパネルの開業手順
ここまでは、売り上げやコストなどについて言及してきました。
次に気になる点は開業手順です。
ここからは太陽光ソーラーパネル事業の開業手順をステップごとに解説します。
(1)ステップ1 プランの作成とフランチャイズ本部の確定
まずは、フランチャイズとなる企業の決定とプランを作成する必要があります。
設置エリアやコスト、発電量に伴う売り上げなどを算出し、どの程度の収益が上がるのかをシミュレーションしましょう。
設置費用面などは複数のフランチャイズ本部から見積もりを取り、最もパフォーマンスがいい企業と契約を交わします。
(2)ステップ2 補助金の申請
プランが固まり開業すると決まったら、フランチャイズ本部と契約を締結します。
また、国や自治体から補助金や助成金が下りる場合がありますので、申請を行いましょう。
ある程度書類などの準備ができていると早く申請が下りる可能性もありますので事前の準備が必要です。
(3)ステップ3 事業計画認定申請
FIT制度を利用し、電力を買い取ってもらうためには、経済産業省へ事業認定が必要です。
この申請には少し時間がかかり1ヶ月~3ヶ月程度を見込んでおく必要があります。
非常に集める書類が多くなりますので、事前に準備しておきましょう。
(4)ステップ4 太陽光ソーラーパネルの設置及び電力供給
いよいよ太陽光パネルの設置です。設置自体はそう難しいものではありません。
およそ1週間程度で設置可能です。
あわせて、電力の供給を行うため電力会社と供給契約を締結しなければいけません。
電力会社の調査や検討があり認定されるまでに数ヶ月かかる場合もありますので注意しておきましょう。
(5)ステップ5 開業
ここまでの手順をクリアして稼働となります。
状況によっては半年以上の日数が必要になるかもしれません。
なるべく早く稼働するためにも準備などを前もって行うことが早期開業のポイントです。
太陽光ソーラーパネル発電を開業する必要な資格や技術
太陽光発電ソーラーパネル事業を行うにあたり特に必要な技術や資格は必要ありません。
副業感覚で取り組みやすい理由の一つです。
しかし、開業にあたり開業届の提出などが必要となります。
開業届での書き方などを見てみましょう。
(1)開業届の書き方
管轄の税務署に開業届を提出しなければいけません。
書面は、国税庁のHP若しくは直接訪問し手に入れることができます。
記入個所のポイントを下の表にまとめました。
提出日 | 提出する日付を記入します |
納税地 | 住民票がある住所を記入します |
所得の種類 | 事業所得です |
開業日 | 特に指定はありません |
事業の概要 | 太陽光発電と記入します |
給与等の支払い状況 | 専従者に配偶者や親族を入れてもいいです。 |
わかりにくい箇所がある場合は、提出する税務署に質問すると教えてくれますので、聞き取りしましょう。
(2)青色申告書と消費税課税事業者選択届出書
開業届と一緒に青色申告書と消費税課税事業者選択届出書を提出しておくと、確定申告の時に有利な場合があります。
太陽光発電ソーラーパネル事業などは事業所得となり、青色申告が利用できます。
青色申告の場合は、特別控除や減価償却資産の優遇などで、65万円の控除が認められるので白色よりも有利といえるでしょう。
また、事業における税金では、消費税を納めなければいけません。
売上が1,000万円を越える場合、課税事業者となるために「消費税課税事業者選択届出書」の提出が必要になります。
売上が1,000万円を超すようであれば提出を忘れないようにしましょう。
フランチャイズで太陽光発電ソーラーパネルを開業するメリット
ここまで、太陽光発電ソーラーパネル事業の売り上げやコスト、開業手順などについて解説しました。
では、実際に開業した場合、フランチャイズを利用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
メリットを見てみましょう。
(1)運営ノウハウがしっかりしている
フランチャイズの最も大きなメリットは、未経験でも運営ノウハウがきちんとあるので参入しやすい点があります。
特に知識がなくともフランチャイズ本部がカバーしますのでフランチャイズを選択する人も多いようです。
(2)あまり動く必要がない
そもそも太陽光発電ソーラーパネル事業は自分たちがあまり動く必要がありませんが、対応が必要な点は定期的なメンテナンスが挙げられます。
しかし、フランチャイズに加盟していれば、定期的な点検時期に報告などを行いますので、メンテナンス忘れなどの心配がありません。
また、メンテナンス業者の手配も行う必要がありませんのでさらに動く必要性が少なくなります。
(3)他のシミュレーションが比較しやすい
フランチャイズ本部はさまざまなデータを保有しています。
発電量に伴う、売り上げの推移やエリアごとの発電量など、さまざまなデータを保有していますので、他と比較して事業が順調なのかどうかを比較しやすいといえるでしょう。
これが自分だけで事業を行ってしまうと、売り上げが順調なのかどうか比較がやりにくいため、経営判断がやりにくい場合があります。
これも大きなメリットといえるでしょう。
フランチャイズで太陽光発電ソーラーパネルを開業する問題点・失敗を避けるコツ
次に問題点もきちんと把握しておく必要がありますので、問題点と失敗を避けるコツなどについても解説します。
(1)売電価格が下がっていて収益が出にくくなっている
前述しましたが、年々売電価格が下がっているため以前ほどの収益が出にくくなっています。
導入費用が抑えられたので、それでも事業としては成り立ちますが発電量が低いエリアなどでは苦戦する可能性も考えられるといえるでしょう。
ある程度、ソーラーパネルを効率的に設置して、無駄な使い方をしないようにすることや、なるべく発電量の高いエリアを選ぶなどの判断が必要です。
(2)維持費や初期費用がかかる
太陽光発電ソーラーパネル事業は、初期投資にまとまった費用が必要です。
多くは、金融機関の融資などを利用して導入致しますが、最初に借金をして投資を行うことになるでしょう。
また、長持ちさせるためにも定期的なメンテナンスは欠かせません。
このような費用が発生するので、導入金額やメンテナンス費用などはきちんと精査しましょう。
導入金額の精査や、効果的なメンテナンスなどコスト面の節約は必ず行いましょう。
(3)エリアにより発電量が違う
エリアによって発電量が大きく異なります。
発電量が多い程、電力を売る量が多くなりますので、エリアごとの発電量はきちんとチェックしておかなければいけません。
エリアにおいては低い利回りになることも想定されます。
実は太陽光発電ソーラーパネル事業はエリアも大きく影響することがわかります。
前述しましたが、最大限に発電できるエリア選びも成功のポイントです。
まとめ
今回は、太陽光発電ソーラーパネル事業の将来性、フランチャイズによる開業手順などについて解説しました。
太陽光発電ソーラーパネル事業は副業感覚で取り組みやすいことでも人気がありますが、発電量が低いエリアなどでは苦戦する可能性もあるため注意が必要です。
フランチャイズ加盟を検討している方は、本部の説明会に出席するなど、情報収集をしっかり行い、慎重に検討するとよいでしょう。