シングルマザーがフランチャイズで起業するメリットとデメリット
シングルマザーになったとき、子育てと仕事を全部自分一人でしないといけないとなってしまうと不安感も増してしまうのではないでしょうか?
シングルマザーは、子育てと仕事の両立が非常に大変です。
特に子供さんが小さいときには子育てに比重がかかってしまいます。
一般的にシングルマザーの年収は低く、家計のやりくりは非常に大変といった声は多いです。
なかにはシングルマザーでも、フランチャイズに加盟して起業する人などもいます。
シングルマザーが起業する場合、フランチャイズに加盟すると、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
この記事では、シングルマザーの現状も踏まえ、フランチャイズでの独立開業について解説しましょう。
目次
シングルマザーは増えている?平均年収や貯蓄額は?
シングルマザーとは、離婚などにより母親ひとりで子育てと仕事を両立している人たちを指します。
一般的にシングルマザーは、子育てと仕事、家事とあらゆる責任がのしかかってしまい、疲弊している上に年収も低いといわれているのです。
まずはシングルマザーの平均年収や貯蓄額といった現状を詳しく分析してみましょう。
(1)シングルマザーの平均年収は?
シングルマザーの平均年収については、厚生労働省が発表している下記の表を見てみましょう。
引用:厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果」
シングルマザーの平均年収は243万円、就労収入だと200万円と非常に低い年収であることがわかります。
日本全体の平均年収が445万円ですので、就労収入だとおよそ2倍の違いがあるのです。
子育て、仕事、家事といったことをすべて一人でこなさなければいけませんので、仕事の比重を重くすることができず、年収が低くなってしまう傾向にあります。
(2)シングルマザーの貯蓄額はどのくらい?
シングルマザーの平均年収は、日本の全体的な平均年収と比較しても非常に低いことがわかります。
シングルマザーは、何度か繰り返していますがすべてのことを自分でこなさなければいけませんので、体を壊してしまうと、収入が一気に途絶えることになるでしょう。
そのため、一定の貯蓄額は万が一に備えて持っておきたいものですが、シングルマザーの平均貯蓄額はどのくらいなのでしょうか?
シングルマザーの平均貯蓄額に関しても、厚生労働省が発表した下の表を見てみましょう。
引用:厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果」
ほぼ半分が50万円以下と貯蓄額が非常に少ないことがわかります。
つまりほとんどのシングルマザー世帯が、体を壊して急に仕事ができない場合や、仕事を辞めて転職するとなると、一気に困窮してしまうことになるでしょう。
金銭面では非常に苦しい状況であることがシングルマザーの特徴ともいえるでしょう。
(3)シングルマザーの数は増えているの?
上記の表を見てみると、シングルマザーのうち9割以上が生別、つまり離婚によってシングルマザーになったことがわかります。
シングルマザーは金銭面では非常に苦しい状態になると前述しましたが、それでもシングルマザーの数が増えているのが現状です。
2000年から2010年においてシングルマザーの数は約7万人程度増加したといわれています。
特に未婚のシングルマザーなどが増加しており、自分の意志で未婚のシングルマザーを選択する人も増えているのです。
シングルマザーをマイナスと捉えるだけではなく、シングルマザーでもチャンスがあれば、ビジネスの分野で頑張ることができる土壌が整ってきていることが挙げられます。
全体的には、年収も貯蓄額も低いシングルマザーなのですが、自分次第で大きなビジネスチャンスをつかむことも可能です。
シングルマザーがフランチャイズで起業するメリットとは?
シングルマザーは色々な面で大変とはいえ、近年はビジネスチャンスも十分掴むことができる環境が整いはじめています。
フランチャイズによる独立開業も新たなビジネススタイルのひとつです。
ではシングルマザーがフランチャイズに加盟して起業を検討する場合、どのようなメリットを得ることができるのでしょうか?
ここからは、シングルマザーがフランチャイズに加盟して独立開業するメリットについて解説します。
(1)子育てとの両立がやりやすい
子育てと両立がやりやすいということが挙げられます。
すべての業種がやりやすいというわけではありません。
自分で独立開業するときに子育てとの両立がやりやすい業種で開業ができるので、そのような業種を選ぶといいでしょう。
子育てとの両立がやりやすいというと、自宅で行えるビジネスや、ネットで完結するビジネスなど、いくつかの業種を挙げることができます。
子育てとの両立ができそうな業種で起業できる点がメリットとして挙げられるでしょう。
(2)経営者なので自分のワークスタイルで起業が可能
子育てとの両立において開業するにあたり、子育てのしやすい業種を選ぶほかに、子育てのしやすいワークスタイルを選択することも可能です。
例えば土日は休みのスタイルを選択することも可能ですし、自分は昼からの出勤といったワークスタイルにしてもいいでしょう。
もちろんフランチャイズですので本部の意向を無視することはできません。
しかし、自分で経営するので、ある程度は自分のライフスタイルに合わせたワークスタイルを選択することもできます。
これもフランチャイズに加盟して独立開業するメリットといえるでしょう。
(3)高収入にも期待ができる
高収入を得ることも可能です。
会社員として働くことで安定性は保たれます。
しかし急激な年収アップは望みにくく、ましてや子育てに時間がとられる中、自分の都合と会社の都合を上手く合わせることは難しいでしょう。
独立開業することで、自分が経営者となりますが、フランチャイズ本部のサポートを受けることもできますので、うまくいくと大きな収益を上げることもできます。
売り上げが上がれば当然ながら報酬も期待できますので、高収入を得ることもそう難しいことではありません。
(4)未経験でもサポートが充実しているので起業しやすい
先ほどから、子育てのしやすい業種を選べば良いと述べましたが、いくら子育てがやりやすい業種だからといって未経験の分野に飛び込むのは、なかなかできるものではありません。
しかし、フランチャイズに加盟しての独立開業となると、本部の成功ノウハウや看板、知名度が利用できますので、集客にも最初から期待が持てます。
さらに研修なども充実しているフランチャイズに加盟すると、実践教育や、定期的な研修などでその業種について深く学ぶことも可能です。
これもメリットとして挙げられます。
シングルマザーがフランチャイズで起業するデメリットとは?
シングルマザーがフランチャイズに加盟しての独立開業はメリットばかりではありません。
デメリットもありますので、ここからはフランチャイズに加盟して開業する場合のデメリットについて解説していきましょう。
(1)突発的なトラブルを解決するのも全て自分
自分が経営者となりますので、突発的なトラブルなどに関しては、いくら従業員を雇っていたとしても、すべて経営者である自分が行わなければいけません。
頻繁にあるというわけではないでしょうが、このようなトラブル解決には多大な労力を要することとなってしまいます。
精神的なプレッシャーなど、会社員では味わう必要がない苦労を負ってしまうこともあるでしょう。
フランチャイズに加盟しているのでトラブルの対応方法なども本部のアドバイスを受けることは可能です。
しかし、対応するのはあなた自身となりますので、デメリットとして挙げられます。
(2)初期費用がかかる
初期費用がかかる点もデメリットとなります。
開業にあたり、店舗を構える場合は物件取得費が必要です。
フランチャイズに加盟する場合は、加盟店料が必要となる場合もあり、場合によっては何百万円にもなってしまうでしょう。
しかもシングルマザーの平均貯蓄額を紹介しましたが、貯金を持っている人もあまり多くはありません。
初期費用についてもデメリットとなります。
(3)本部の意向を優先する必要がある
フランチャイズには、本部の経営ノウハウを利用できるし、看板や知名度を利用した状態で経営することが可能です。
反面本部の意向を優先しなければならず本部の意向を無視した経営はできません。
自由な経営はできませんので、ワークスタイルにおいて、子育てを優先したくともできないといったことにも考えられます。
フランチャイズに加盟する際に自分の状況をしっかりと相談し、子育てなどの両立ができるかをきちんと確認しなければ、こんなはずではなかったと後悔するかもしれません。
(4)会社勤務の安定性はなくなる
シングルマザーの平均年収は高くはないと述べましたが、会社に勤めている場合、やはり安定性は独立開業よりも高いといえます。
急に休む場合の福利厚生や有休などは、平成、昭和以前の環境よりも日本全体の働く環境が整備されていますので、福利厚生面では会社勤務が有利です。
フランチャイズに加盟しての独立開業となると、安定性はどうしても会社勤務よりも劣ってしまいますのでこれもデメリットといえるでしょう。
シングルマザーがフランチャイズ起業する場合の資金調達方法
フランチャイズに加盟する場合や独立開業する場合、初期費用の準備ができず断念してしまうといった人も多いのではないでしょうか?
特にシングルマザーの平均貯蓄額は非常に少ないので独立開業するにあたり、どのように資金を調達するかも開業の大きなポイントとなります。
ここからは、独立開業にかかる資金の調達方法について解説しましょう。
(1)クラウドファンディング
不特定多数の人から投資してもらうクラウドファンディングなどは効果的な資金調達方法です。
ネット上で投資家に対し投資をお願いし、資金を調達することができます。
一定のリターンを提供しなければいけませんが、現金ではなく、開業する会社の商品やサービスなどの提供で構いません。
近年、新たな資金調達方法の一つとして社会的にも認知され始めている資金調達方法です。
(2)慰謝料などの利用
先ほど、シングルマザーになった原因として、9割以上が離婚によるものだと解説しました。
離婚時には慰謝料が発生することも多く、多くは男性から女性に対して慰謝料を払い離婚します。
金額は各家庭によって異なりますが、何百万円となることも珍しいことではなく、慰謝料を事業用資金として活用することが可能です。
(3)銀行融資
最もオーソドックスな方法としては銀行融資です。
しかし、開業もしていない段階で融資が通るのか不安といった人も多いのではないでしょうか?
フランチャイズに加盟することにより、本部が金融機関を紹介してくれることがあります。
もちろん紹介してもらったからといって必ず融資を受けることができるかはわかりません。
しかし、本部の紹介なども受けることができると融資の可能性も高くなりますので、資金調達方法として選択することができます。
(4)補助金の活用
居住している自治体によってはシングルマザーや新規事業に対する補助金などが利用できる場合があります。
自立支援給付金や、さまざまな手当などが活用できます。
子育て女性起業支援助成金など雇用保険加入が5年以上といった制限などがありますが、このような助成金などを有効活用することにより、独立開業の資金が調達可能です。
まとめ
シングルマザーは子育てや家事、仕事と多くの責任を負っています。
そのため、時間にゆとりもなく、満足のできる収入を得られずに苦しんでいる人も多いのではないでしょうか?
近年、シングルマザーも含む女性が活躍できる環境が、以前と比べると大きく改善されています。
そのため、独立開業といった選択を行うことも可能です。
シングルマザーがフランチャイズに加盟して開業する機会も増えていますし、メリットも挙げられます。
しかしデメリットもありますので、開業を検討中のシングルマザーはメリットやデメリットを十分に理解して新たな試みにチャレンジしてはいかがでしょうか?