定年後に自営業を始めるメリットとデメリット・成功するためのポイントも解説
健康年齢が上がったこともあり、定年後でもまだまだ働いていたいといった方も以前と比べると増加しています。
労働人口の減少などといった社会情勢も、定年後に働きやすくなっている理由に挙げられるでしょう。
では、定年後に自営業を始めるとどのようなメリットやデメリットなどがあるのでしょうか。
この記事では定年後に自営業を始める方法や、成功のポイントといった点について詳しく解説します。
定年後に自営業を始める場合の流れ
まず確認しておきたいのが自営業を始める流れです。
基本的に、自営業を始める方法について年齢は関係ありません。
定年後でも全く問題なく自営業を始めることができます。
定年後に自営業を始める流れについて解説しましょう。
(1)業種と屋号などを決める
まずはどのような業種で起業したいのかを決める必要があります。
どのような業種で起業したいのかを明確にしなければ、具体的な起業のイメージもかかるコストもわかりません。
起業当初資金が必要な業種であれば、資金調達の方法も検討しなければいけませんし、店舗を構える必要性なども検討する必要があります。
業種を明確にしたうえで、次に屋号を決定しましょう。
集客面でも名前の付け方が大きく影響します。
できる限り、覚えやすく読みやすい名前にしなければいけません。
しかし、あまりにも似たりよったりの名前にしてしまうと、同じ業種で同じ名前の会社がある場合など、トラブルが発生する要因ともなってしまいます。
事前に同じような名前がないかを、インターネットなどでチェックしておくと良いでしょう。
(2)事業計画書を作成し、必要なものを準備する
なるべく効率よく、無駄なく始めるためにも必要なのが、事業計画書の作成です。
事業計画書を作成することで、起業までの流れや起業後の落とし穴を事前に見つけ、対策することができます。
事業計画書に、必要な情報を記載することで、起業するビジネスの事業見通しや必要な資金などを再確認することができます。
また、起業に向けて必要なものを準備しなければいけません。
一般的には、事業に必要な印鑑や銀行口座を準備が必要です。
事業用のクレジットカードなどがあっても便利でしょう。
あわせて備品の準備やパソコンなどを準備しておくと、その後の準備に役立ちます。
(3)資金調達
事業計画書を作成して、起業に必要な資金がある程度わかれば、資金を調達する方法を決めなければいけません。
自己資金だけで起業できるのであれば、大きな問題はありませんが、まとまった資金が必要な場合、融資の検討が必要です。
金融機関や日本政策金融金庫からの融資などを利用して資金調達ができます。
自営業で起業する場合は、日本政策金融公庫からの融資がおすすめです。
シニア起業家支援資金などの制度が挙げられます。
55歳以上で新規事業を目指す方向けの融資です。
自分が開業する際に、最も有利な融資が引き出せる金融機関を選択しましょう。
(4)開業の届け出
個人事業主として、開業する場合、税務署に開業届の提出が必要です。
開票届は国税庁のHPか最寄りの税務署で取得できます。
事業を開始した日から1ヶ月以内の提出が必要ですので提出期限に注意しましょう。
定年後に自営業を始めるメリットは?
定年後に自営業を始める方も増加していますが、どのような点に魅力を感じるのでしょうか。
定年後に自営業を始めるメリットについて解説します。
(1)今までの人脈やスキルが活かせる
定年後の起業は、今までの人脈やスキルを最大限活かしての起業ができますので、これらを活かした業種で起業できると成功する可能性が非常に高くなります。
ひとつの業種で長く働いた方は、その業種のスペシャリストとして起業が可能です。
複数の業種を経験した方は、柔軟に色々な業種でチャレンジしやすく、スキルの掛け合わせにより多くの需要があるかもしれません。
社会人経験も豊富ですので、トラブルの対応なども的確に処理できやすく、顧客からの信頼度を高めやすいこともメリットとして挙げられます。
今まで培った人脈から紹介など集客面でのメリットも考えられるでしょう。
(2)自由に働くことができる
自分の裁量で自由に働くことが可能です。
会社員勤めだと、どうしても組織の一員として業務に従事することが求められます。
性格の合わない上司の下で働くことへのストレスなどを抱えがちです。
また自分のしたいことが充分にできないといったストレスなども考えられます。
自分で起業すると、すべて自分の裁量で自由に働くことが可能です。
すべてが自分の責任となりますので、自分で思ったように働くことで定年後に社内の人間関係など余計なストレスを抱える必要がありません。
定年後から再雇用などで会社勤めとなると、年下の上司で自分の方がスキルも実績も多くても上司の指示に従わなければならず、ストレスが大きくなることも考えられます。
自由に働くことができる点も大きなメリットです。
(3)ずっと働くことができる
会社勤めともなると、ずっと同じ業種で働きたくても、人事異動などで全く畑違いの部署で働くことも考えられます。
なにより年齢の壁があり定年になってしまうと、どんなに健康的で意欲があっても、いったん退かなければいけません。
しかし、定年後に自営業を始める場合、自分が望む限りずっと働くことも可能です。
定年が無くなってしまいます。
自分で引退の線引きが自由に決められますので、生涯現役として働くことも許されます。
(4)収入が増える
定年後に会社を退くことで、大きく影響するのは収入面です。
今まではある程度の給与収入であったとしても、定年を機に給与収入は無くなってしまい年金生活となってしまいます。
定年後に自営業を始めることにより、年金以外の収入を得ることが可能です。
もしかすると、会社員時代よりも大きな収入を得られるかもしれません。
年金生活だけでは、生活が厳しいと感じる方も多く、定年後に自営業を始めることにより、収入が増える点も大きなメリットといえるでしょう。
定年後に自営業で起業するデメリットとは?
定年後に自営業を始めることはメリットばかりではありません。
デメリットもありますので、メリットとデメリットをしっかりと理解した上で自営業を始めることを検討する必要があります。
自営業を始めるデメリットについて解説しましょう。
(1)体力面の心配
定年後に起業しますので、体力面の衰えは避けられません。
しかも年齢を重ねるごとに、体力は年々落ちてしまうので、今までできていた仕事が急にできなくなってしまうことも考えられます。
また無理が効かない年齢にもなりますので、納期前に無理してしまうと、身体を壊してしまうかもしれません。
加齢による体力の低下は避けようがなく、体力を考えながら業務量を調整する必要もあります。
体力面の心配をしなければいけない点がデメリットのひとつといえるでしょう。
(2)柔軟性の欠如
経験が豊富で、会社でもある程度上の位置にいた方が自営業を始める場合、今までの地位にいる感覚で始めてしまいがちです。
今までの地位はあくまでも組織の中でしか通用しないということを自覚しなければ、お客様や関係業者が取引をしないといったトラブルも考えられます。
また、今までの成功体験にこだわってしまうと、時代のニーズに対応できないため、想定した収益が上げられないかもしれません。
定年後に自営業で起業する場合は、柔軟性が必要です。
柔軟性が欠如していると、あっという間に廃業にもなりかねませんのでデメリットとして注意しておきましょう。
(3)再起がかけにくい
定年後に自営業を始める場合、必ず成功するとは限りません。
失敗してしまう可能性も十分考えられます。
もし失敗してしまった場合に再起がかけにくい点もデメリットとなります。
起業に失敗した場合、年齢も重ねていますので再就職に不利な状況となっていますし、再度起業する場合、最初の起業で失敗した負債が残っているかもしれません。
以前勤めていた会社への再雇用というのも非常に厳しくなっているでしょう。
再チャレンジしにくい面がデメリットのひとつです。
(4)最初にコストがかかる
定年後の自営業に限りませんが、当初にコストがかかってしまう点もデメリットです。
自分が起業したい業種によっては店舗を構える必要もあります。
そうなると当初にまとまった資金が必要です。
退職金だけでは足りなくて融資などを利用しなければいけないとなると、それだけリスクも大きくなってしまいます。
最初にコストがかかる点もデメリットとなるでしょう。
定年後に自営業を始める際、成功のポイントは?
定年後に自営業を始めるメリットやデメリットについて解説しました。
これらのメリットやデメリットを踏まえ、定年後に自営業を始める際、成功するポイントについて解説します。
(1)経験を活かした起業がオススメ
定年後の起業となると長い社会経験からの起業ですので、社会人としての基本ができています。
異業種とはいえ、成功しても不思議ではありません。
しかしながら、今までの得意分野を活かした分野での起業がおすすめです。
スキルと経験を活かせる分野で開業することにより、スペシャリストとして成功する可能性も高くなります。
柔軟性があれば、時代のニーズにも合わせられるので、さらに成功しやすいといえるでしょう。
(2)未経験の分野で起業するならフランチャイズを検討する
定年後に昔からの夢である業種での起業を検討する方もいらっしゃいます。
営業職のサラリーマンだった方が、昔からの夢である飲食店経営を定年後に行うなどが挙げられるでしょう。
昔からの夢であったとはいえ、未経験分野での起業はさまざまなリスクを伴います。
理想としていた経営が全くできないかもしれません。
未経験分野での起業は、フランチャイズを検討してはいかがでしょうか。
フランチャイズとは、成功した起業が加盟店を募り、加盟店は本部の屋号や運用システムを使って経営することを指します。
フランチャイズに加盟することにより、本部の運営ノウハウや技術などが研修で学べます。
さらに、本部の担当者に悩みなども相談できますので経営の不安が大きく和らぐでしょう。
未経験の分野での起業に関しては、フランチャイズに加盟しての起業を検討しましょう。
(3)コストをなるべく抑え、手を広げない
定年後の自営業を始めるデメリットとして再起がかけにくいことを前述しました。
もし、多額の借金をしたうえで定年後に開業してしまうと、万が一廃業してしまった場合に、大きな借金を背負ったまま、再就職ができにくいといったことが想定されます。
老後の生活が非常に苦しくなるかもしれません。
また、定年後の起業がうまくいって手を広げようと検討した場合、手を広げすぎると負担が大きくなってしまいます。
起業にかかるコストはなるべく抑え、あまり手を広げ過ぎないことも考えておく必要があります。
(4)環境をきちんと整えた上で起業する
新たに自営業を始めるとなると、やるべきことは非常に多くなってしまいます。
本業に集中できる環境を整えておかなければいけません。
特に起業当初は、書類の提出や営業活動、事務作業といった慣れない作業も行う必要があります。
起業前に、集中できる環境づくりが必須です。
まとめ
定年後に自営業を始めるケースは年々増えています。
しかし、起業する方が増えているからといって成功するとは限りません。
事前の準備や調査、資金などを踏まえたうえで起業を検討する必要があります。
しかし、社会人として長い経験がある方の起業は、社会人経験もあまりない若い方の起業よりも、多くのメリットを持って起業することが可能です。
定年後の起業は健康面などの不安などがありますので、自分の体調や健康度合いも客観的に判断して起業を検討する必要があるでしょう。
しかし定年後でも新たに働けるチャンスは、年々高くなっています。
年齢にとらわれないチャンスが広がってきたといえるでしょう。
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