低資金で開業可能なフランチャイズの業種は?開業資金や助成金も解説

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フランチャイズ開業 低資金

フランチャイズオーナーとして独立するうえで、多くの人が直面するのが資金面の壁です。

開業資金には100万円単位の費用がかかることもあり、場合によっては500万円を超えることもあります

しかし、フランチャイズビジネスにおいては、必ずしも多額の開業資金が必要になるわけではありません。

低資金で開業する方法を紹介します。

投稿者・コラム執筆者

低資金で開業するメリット

事業を始めるには、まとまった金額の開業資金が必要なイメージもあります。

事実、資金は多いに越したことはないのですが、低資金も開業は可能で、資金が少ないゆえのメリットもあります。

低資金で開業する長所を見てみましょう。

(1)資金が貯まるのを待たずに開業できる

数百万円単位の開業資金が必要なケースでは、サラリーマンや副業をしながら事業資金を貯めることが多く、開業までに相応の時間がかかります。

ときには、事業に有利なトレンドが発生しても、資金不足からチャンスを逃してしまうこともあるでしょう。

低資金で開業する場合、開業資金を稼ぐ時間は短く済みます

商機を逃すリスクが少なく、思い立ったときに事業を開始できることもあります。

(2)初期費用を抑えられる

低資金で開業するビジネスモデルは、往々にして設備投資や初期費用の投入が少なく済みます

そのため資金リスクを抑え、コンパクトに開業することが可能です。

(3)初期投資の回収が早い

低資金での開業は、初期投資の回収が早いのも大きなメリットです。

仮に初期投資に300万円投入した場合、月に10万円回収できたとしても、全額回収するには2年半かかる計算になります。

一方、開業に50万円しかかけない場合だと、月に5万円だけ回収しても、1年以内に資金を回収できる計算になります

資金がいくら必要かは事業によって異なるため、一概に低資金であれば良いとはいえません。

ただ、開業で投資した金額を早く回収できるのは、短期で黒字化を目指す方には大きな利点です。

低資金で開業可能なフランチャイズの業種

開業資金がいくら必要かは業種によって異なります。

一般的なフランチャイズ事業のなかでは、次の業種が、比較的低資金で開業できる傾向にあります。

【低資金で開業できるフランチャイズビジネス(一例)】

これらの事業に共通するのは「オフィスや店舗の取得が不要」「在庫を持たない」など、初期費用とランニングコストを抑えたビジネススタイルであることです。

低資金で開業する場合の初期費用の目安は?

低資金で開業する場合、一般的には100万円~200万円程度になります。

ただし、フランチャイズブランドによっては50万円を下回ることもあり、ときには数万円程度のこともあります。

これらは業種や運営スタイルによっても異なるため、一概に目安を出すことが難しいところです。

では、開業費として、具体的にどのような費用が発生するのでしょうか。

一般的なフランチャイズビジネスでは、以下のようなものが開業費用に含まれます。

【開業費用の内訳(一例)】

  • 加盟金
  • 保証金
  • 道具や設備準備費
  • 研修費
  • 店舗取得費(必要に応じて)

以上に加え、開業初期は売上不振に陥りやすいことから、数か月分の生活費を準備しておくとよいでしょう。

フランチャイズの開業費用を安く抑える方法

多額の資金を捻出することが難しい場合、いかに開業費用を安くするかが重要なポイントとなってきます。

費用節約のコツを紹介します。

(1)居抜き物件の中から店舗を選ぶ

店舗に居抜き物件を選ぶと、初期費用の節約につながるケースがあります。

居抜き物件とは、以前の借主が什器や設備を置いたまま退去した物件のことです。

残置物は新たな借主が引き継ぐことができるため、店舗の準備にかかる費用を大幅に節約できます

仮に飲食店を始める場合だと、厨房機器やテーブルセットを揃えるだけでも百万円単位でお金がかかることがあります。

この分の支出を削減できるのは大きなメリットです。

(2)商品やサービス内容をしぼる

開業当初は商品やサービス内容を、需要が高いもののみに焦点を当てることも効果的です。

原材料費の節約や、最初に購入が必要な道具を減らすことにつながります。

(3)リサイクル品の活用

店舗の設備は、必ずしも新品で揃える必要はありません。

リサイクルショップや中古の業務用機器の販売店から調達すれば、安価で済むことも多いです。

(4)本部のサポートを活用

フランチャイズブランドによっては、本部から開業資金の融資を低金利で受けられることがあります。

内装工事や設備の搬入費用も、本部を通すことで安く依頼できることもありますので、相談してみてもよいでしょう

低資金で開業する注意点と失敗を避けるコツ

資金の少ない人にとっては、低資金での開業は非常にメリットが大きいです。

ただし、捻出できる費用が限られることから、注意点も存在します。

(1)加盟金ゼロのフランチャイズには落とし穴も

開業資金をあまり用意できない場合、加盟先候補となるのが「加盟金ゼロ」のフランチャイズブランドです。

しかし、加盟金ゼロ=総合的なコストが安いというわけではないため注意が必要です。

例えば、加盟金がかからない代わりに毎月のロイヤリティが高く設定されていることがあります。

また、本部から受けられる「出店調査」「スタッフの育成」「トラブル処理」などのサポートが薄くなることも考えられます。

「加盟金ゼロ」という要素だけで加盟先を選ぶのはリスクが高いため避けた方がよいでしょう

(2)低資金でもやっていけるビジネスか確認する

加盟前に、少ない資金でもやっていけるビジネスかどうかも確認する必要があります。

店舗の用意や商品・原料の仕入れが必要なタイプのフランチャイズでは、物品の用意にブランド本部の意向が介在することが多いです。

出入り業者や仕入れの数量が決まっていることも珍しくありません。

無理のない数量の仕入れが可能か、適切な在庫管理ができるかなど、長期的に続けられる事業内容かは、しっかりと確認する必要があります

(3)開業できる業種が限定される

フランチャイズビジネスでは、低資金で開業できる業種は多数存在します。

裏を返せば、低資金で開業する場合、開業可能な業種は限定されます。

例えば、実店舗が必要な場合、店舗取得費や初期の設備の導入のため、開業資金はどうしても多くなります。

在庫を抱えるビジネスも、在庫の保管場所や仕入れにかかる費用が発生するため、低資金で始めることは難しい場合もあります。

開業する業種が定まっていない場合、資金面の事情から業種がある程度限定されることは、念頭に置いておきましょう

日本政策金融公庫の融資を利用する

開業資金を全額自己資金で用意することが難しければ、金融機関からの融資も視野に入れるとよいでしょう。

特に、政府系の金融機関である「日本政策金融公庫(日本公庫)」は、新規開業の事業への貸付も積極的に行っています

では、日本政策金融公庫ではどのような融資を受けられるのでしょうか。

用意されている融資制度と、申請から入金までの流れを紹介します。

(1)日本政策金融公庫の融資の種類

日本政策金融公庫は、貸付金の用途に応じ、中小企業や個人事業主向けに数種類の融資制度を用意しています。

【日本政策金融公庫の融資(一例)】

融資制度 使用目的 融資上限
一般貸付 用途の限定なし 7,200万円
セーフティネット貸付 困窮事業の救済

3,000万円から

4,800万円

新企業育成貸付 創業・第二創業 7,200万円
企業活力強化貸付 設備投資・事業強化 7,200万円
企業再生貸付 企業の再建 7,200万円

参考:国民生活事業|日本政策金融公庫

融資で得た資金は借入金のため、無理のない計画的な返済計画を立てる必要があります。

この点には注意してください。

(2)融資開始までの流れ

日本政策金融公庫では、相談から融資開始までは以下の流れで進行します。

【申請から入金までの流れ(個人事業主の場合)】

  1. 予約のうえ融資相談
  2. 融資の申し込み
  3. 面談
  4. 融資決定
  5. 融資契約の締結
  6. 入金

申込から入金までは、手続きの進み具合にもよりますが、通常3週間程度かかります。

①申込時に必要な書類は?

融資を申し込む際は、申込書のほかに以下の書類が必要です。

【全員が用意する書類】

  • 直近二期分の申告決算書(個人事業主の場合)
  • 直近二期分の確定申告書および決算書または試算表(法人の場合)
  • 設備の見積書(設備資金の申し込みの場合)

【初めて融資を受ける場合の必要書類】

  • 創業計画書または企業概要書(新事業を始める、または創業間もない方)
  • 法人の履歴事項全部証明書または登記簿謄本(法人の場合)
  • 運転免許証またはパスポートのコピー
  • 許認可証のコピー(許可・届出が必要な事業の場合)

②面談で確認される内容は?

面談では、資金をどのように使いたいのか、事業の見通しはどうか、資産・負債の状況などを確認されます。

必要に応じて、店舗や工場・事務所などを訪問されることもあります。

助成金や補助金の活用

国や自治体から、事業にかかわる助成金や補助金の給付を受けられる場合があります。

これらは返済の必要がないため、資金が少ない場合には重宝する制度です。

では、現在利用されている補助金・助成金にはどのようなものがあるのでしょうか。

【トライアル雇用助成金】

安定した就職が困難な方をハローワークや職業紹介事業者経由で、一定期間雇用した場合の助成金です。

最長3か月、1人につき月額4万円が支給されます。(一般トライアルコースの場合)

参考:トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)|厚生労働省

【キャリアアップ助成金】

派遣労働者などの非正規の有期労働者のキャリアアップ促進の取り組みに対する助成金です。

正社員化や賃金規定の改定などを行った場合に、その費用の一部が助成されます。

正社員化コースの場合、最大72万円の助成を受け取ることができます。

参考:キャリアアップ助成金のご案内|厚生労働省

【ものづくり・商業・サービス補助金(ものづくり補助金)】

事業拡大や新商品開発のための設備投資に対する補助金。

企業間の連携による新プロジェクトや、新たなビジネスモデルの開発など、企業経済の活性化や成長に幅広く利用できる補助金です。

補助額は1,000万円から1億円、最大三分の二まで補助を受けられます。

参考:ものづくり補助金|中小企業基盤整備機構

【IT導入補助金】

事業に対するITツールの導入を支援する補助金です。

対象となるIT化要素は幅広く、「勤怠」「物流管理」「予約管理」「コロナウィルス対策」などさまざまなものが対象です。

使用目的によって、費用の二分の一から三分の二、最大450万円まで補助を受けられます。

参考:IT導入補助金について|一般社団法人 サービスデザイン推進協議会

まとめ

フランチャイズビジネスでは、低資金で開業することも可能です。

リスクを抑えた運営ができる点から、独立を検討する多くの方に注目されています。

事業内容や店舗調達のコツを実践することで、費用を抑えながらビジネスオーナーになることが可能です。

ただし、紹介したように低資金での開業にはリスクもあるため、メリット・デメリットを総合的に評価し、事業内容や加盟先のブランドを決定しなければなりません。

希望する事業内容に対して資金が足りない場合、融資や助成金・補助金の利用も視野に入れてみましょう。


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