フランチャイズ加盟は1人でもできる?おすすめの業種や注意点を紹介
フランチャイズビジネスで従業員を雇用して店舗を構えれば、人件費などが発生して利益が出しにくくなると考えるかも多いのではないでしょうか。
フランチャイズビジネスでは従業員を抱える店舗型のビジネスも多いのですが、オーナー1人で開業できるビジネスモデルも多数存在します。
今回は、1人で始められるフランチャイズビジネスの業種を紹介するとともに、一人でフランチャイズ開業するメリットや注意点を解説します。
目次
1人で開業できるフランチャイズビジネスの業種
フランチャイズビジネスにはさまざまな業種があります。
多様化しているフランチャイズビジネスの中でも、1人での開業が可能な業種を紹介します。
(1)ハウスクリーニング業
ハウスクリーニングとは、住居や空室の掃除を専門とするサービス業です。
一般家庭など個人向けのハウスクリーニング業の場合、1人での開業が可能です。
依頼件数が増加して一人で対応できなくなればスタッフの雇用が必要になりますが、依頼件数を絞って小規模に展開することでオーナー1人での経営が実現できます。
ハウスクリーニングの場合、開業資金が100万円前後と他のフランチャイズの業種に比べるとリーズナブルな金額で開業できる傾向にあります。
クリーニングのスキルや顧客の獲得などは、フランチャイズ本部からの助けが得られるため、未経験でも開業できることがフランチャイズビジネスならではの強みです。
(2)リペア業
リペア業は、傷ついた物を修理・補修する専門業者です。
フローリングや柱など住宅の補修を専門にする業者もあれば、衣類やスマホなどさまざまなリペア業者のカテゴライズがあります。
リペア業の場合、オーナー自身がリペアの技術を持っていれば一人で開業することが可能です。
リペア業は必ずしも店舗を構える必要はないため、自宅の空きスペースなどで開業できます。
また、商品などを作っているわけではないので利益率が高いことが魅力です。
フランチャイズならばリペアのための材料の仕入れなどのサポートを受けることができ、初期費用も60万円程度と低コストで始められます。
(3)パーソナルジム
パーソナルジムは個人向けのマンツーマン指導を前提とするため、1人での開業が可能な業種です。
目標とする体型作りやダイエットだけではなく、疲労回復や老化防止目的での需要も出てきています。
パーソナルジムは通常のジムと違って利用者がを限定されるため、トレーナーを複数雇用する必要がありません。
フランチャイズの場合、加盟金ゼロ円で開業できるブランドや、比較的自由度の高い運営形態を採用しているところもあります。
そのため、フランチャイズで開業しやすい業界だといえます。
(4)ネットショップ
ネットショップは、パソコンとインターネット環境、商品を用意すれば、即日でも始められる手軽な業種です。
スタッフの雇用や店舗を構えるが必要なく、1人での開業を視野に入れられます。
初期費用も安く、なかには30万円程度で開業可能な加盟先もあります。
(5)キッチンカー
フードトラックで移動販売を行うキッチンカーも一人でフランチャイズ開業をする業種として人気があります。
近年では平日にビジネス街で昼食時間を狙って販売し、祝日にはイベントへ出店するなどして利益を出すキッチンカーも増えています。
キッチンカー初期費用に200~300万円ほど必要になりますが、研修費や車両準備費、備品・消耗品、初期材料費などが初期費用に含まれていることが多いです。
1人でフランチャイズオーナーとして開業するメリット
1人でフランチャイズオーナーとして開業することは、身軽に事業を始めやすいということ以外にも複数のメリットがあります。
1人でフランチャイズオーナーとして開業するメリットについてみていきましょう。
(1)雇用コストや従業員の管理が不要
従業員を雇えば、給与だけではなく各種保険や福利厚生等などの雇用コストが発生します。
また、シフトの作成やスタッフ育成・研修、従業員間での人間関係の調整などの管理が必要になるため、手間もかかるといえます。
従業員を雇うことでこなせる業務量は増加してオーナーの業務負担の軽減や、売上の倍増も期待できますが、それに付随して発生する業務や手続きも少なくありません。
1人での開業するのであれば、こうした手続きなどに手間取る必要がなく、気軽に1人で運営できるというメリットがあります。
(2)自分の都合に合わせた働き方ができる
サラリーマンであれば、勤務先の規定に従って出勤し、勤務時間は仕事で拘束されることとなります。
一方で、1人でフランチャイズのビジネスをする場合、フランチャイズ本部との契約の範囲であれば、出勤時刻も勤務時間も自由です。
仕事のペースも自由に進めることができます。
その分全ての責任を自分で負うことになりますが、自由に自分の都合と判断で時間を使えるという点はメリットが大きいといえます。
(3)経験値やスキルを高められる
事業の運営には、営業や宣伝活動、会計業務などさまざまな業務をこなす必要があります。
1人で開業する場合、全ての業務を1人でこなさなくてはなりません。
慣れるまでは大変かもしれませんが、全ての業務を経験することで業務における経験値やスキルを高めることができます。
全ての業務を経験しておけば、経営者としてさらなる資質の向上につなげられるでしょう。
(4)定年後の収入を確保できる
定年退職後の収入確保のためにフランチャイズで1人開業する方も増えています。
小規模な事業は経費も少ない傾向にあるため、老後に収入を得る手段としておすすめです。
フランチャイズであれば、未経験の事業への挑戦もブランド本部がサポートしてくれます。
退職後に新しいことに挑戦したい方にもぴったりです。
1人でフランチャイズビジネスを始める流れ
1人でフランチャイズビジネスを始めたいと考えても、どのように開業すればいいのか分からない方も多いでしょう。
ここからは、1人でフランチャイズビジネスを始める流れを簡単に紹介します。
(1)フランチャイジーの事業を知る
フランチャイズビジネスを始めるにあたり、まずはフランチャイズの業種を決めて、その業種にどのようなフランチャイズブランドがあるのか知る必要があります。
インターネットを駆使して、フランチャイズブランドごとの特徴などを比較しながら検討してみましょう。
気になるフランチャイズブランドがあれば、会社へ問い合わせて、資料の取り寄せや、説明会へのに出席などで情報を集めてください。
現在は、パソコンによるオンライン形式で説明を受けられるところもあります。
(2)フランチャイジーとの面談
説明会などでフランチャイズ事業の内容知り、開業したいフランチャイズブランドが決まれば、フランチャイズ本部の担当者との面談を行います。
説明会だけでは分からなかった部分や疑問点について、質問できるチャンスです。
また、面談ではフランチャイズ本部の担当者からさまざまな質問を受けることになります。
現在の仕事や収入などの状況や、家族の同意、希望する収入などを聞かれ、自分と似た状況の加盟社のモデルケースについて説明を受けられることもあります。
(3)契約・開業条件の打ち合わせ
加盟の方針がおおむね固まったら、契約内容や開業の条件について具体的な打ち合わせを行います。
ここで打ち合わせた内容は契約書に記載されることになるため、あとでしっかりと確認するようにしましょう。
(4)フランチャイズ契約締結と初期費用の支払い
契約書に署名捺印すると、正式に契約が締結されます。
契約書の署名捺印前は契約・開業条件の打ち合わせから1~2週間ほど時間が設けられていることが多いため、この期間に契約書内容に不備などがないか確認しておきましょう。
そして、加盟金や保証金が必要な場合は、契約書に定めた期日に従って支払います。
(5)店舗・設備の準備
店舗を構える場合は物件の契約や内装工事を行い、設備が必要であれば開店日に間に合うよう調達します。
この期間に実店舗やフランチャイズ本部で研修を行うようなケースもあります。
研修では実際に店舗に立ち、業務を身につけていきます。
(6)開業と開業届の提出
研修や店舗・設備の用意が整えば、いよいよ開業です。
このとき忘れてはいけないのが、開業届の提出です。
開業届は、個人事業主が新しく事業を始める際に必ず必要なものです。
一定の控除を受けられる税金の青色申告を行なうには開業届が必須となります。
開業届は、開業から後1か月以内に、納税地を管轄する税務署に届け出てください。
参考:A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続(国税庁)
1人でフランチャイズ開業する際の注意点
フランチャイズビジネスを1人で始めたものの、何らかの壁にぶつかってしまうという方は少なくありません。
1人開業の「あるある」つまずきポイントをご紹介します。
(1)売上獲得のための戦略を練る
事業を長く続けるためには、売上を伸ばすかことが重要です。
フランチャイズで開業したから売上が確実に確保できるというわけではありません。
売上を伸ばすためには、自分に適したやり方などの戦略を開業前から練る必要があります。
たとえば飲食店の場合であれば、住宅街と学生街・オフィス街など出店場所ごと需要のあるメニューや売り方が異なります。
立地の性質や客層を理解して適したアプローチを行わなければ、人気店に成長させることはのは難しいのです。
適した立地や客層を知るために、市場調査を事前に行うことは、一つの方法です。
資金に余裕がある場合は、外部のマーケティング会社に依頼して調査するのも良いでしょう。
また、自分の足で近隣のライバルとなる店舗に出向き、人気の秘密を探ってみることもできます。
本部によってはマーケティングから戦略まで一緒に練ってくれるようなケースもあります。
まずは、自分の場合はどういった売り方がよいのか、事業を知ってもらうにはどうすればよいのか、整理してみましょう。
(2)管理業務を一人でこなす必要がある
1人で開業するということは、すなわち直接的な店舗の業務のほか、管理業務も自分自身で行わなでやらなければなりません。
領収書の整理や売上の記録、仕入れの管理など、管理業務のその内容は多岐に渡ります。
とくに、確定申告など税金の申告は複雑なので、混乱してしまう苦手とする方も多いです。
事業に集中したいのであれば、管理業務をは外部に委託することを検討してみましょう。
クラウドソーシングサービスを使って個人に依頼することもできますし、管理業務の専門会社に丸投げすることも可能です。
(3)融資の申請は外部の力を借りることも視野に
金融機関からの融資が必要となった場合、融資の申請書や決算書、事業計画書などの書類提出が必要です。
こうした融資申請のための事業計画書の準備を慣れない人が一人で作成するのは大変です。
自信がない場合や、事業が多忙で作成の暇がない場合、事業計画書作成の代行業者を利用することもできます。
1人開業だからといって、すべての業務を1人で行う必要はありません。
必要に応じて外部業者や委託の利用も検討してみてください。
フランチャイズを成功させるための販売戦略
1人でフランチャイズを開業し、成功させるには販売戦略も重要です。
広告・宣伝を上手く利用すれば、顧客に適切なアプローチができ、売上の確保が期待できます。
(1)WEBサイト・SNSの運営
WEBサイトやSNSでの宣伝はもっとも有効な宣伝方法であり、コストもかからないという魅力があります。
そのため、お店や会社の多くは自社のSNSアカウントやWEBサイトを保有していることが多いです。
TwitterやInstagramなどのSNSは無料で利用できますし、WEBサイトも自前で用意すればサーバー代とドメイン代だけで持つことができます。
こうしたSNSやWEBサイトを上手く利用し、店舗の魅力を拡散していきましょう。
(2)チラシのポスティング
店舗近隣の客層に知ってもらうためには、チラシのポスティングが効果的です。
オープン記念の割引やクーポンをチラシに付随させることで、より多くの集客が期待できます。
自分でチラシを用意して配ることもできますが、手間がかかってしまいます。
効率よく多くの近隣の客層に配布するには、代行業者を利用することがおすすめです。
価格は業者や配布エリアによって異なりますが、5,000部の印刷と配布を数万円程度で依頼できることが一般的です。
(3)フリーペーパーへの広告掲載
駅やコンビニなどで配布されているフリーペーパーへの掲載も、事業の認知度を向上させるのに有効な方法の一つです。
より多くの人の目に留めてもらえる可能性が高まります。
フリーペーパー会社は複数あるので、ターゲット層へのアプローチに効果的な媒体を選びましょう。
料金は媒体や広告のサイズによって異なりますが、おおむね1部1円から5円が相場となります。
1部3円の広告を1万部分掲載すると、おおむね30,000円の費用となる計算です。
まとめ
フランチャイズビジネスは、大規模な店舗を用意して従業員を雇用するような事業だけでなく、小規模に1人で始められるものもあります。
予算を抑えて収入を確保できるため、老後のビジネスや副業として検討する方も多いです。
フランチャイズビジネスでは「どこのフランチャイズブランドに加盟するか」が非常に重要です。
資料収集や本部訪問などで情報収集をし、自分にあった加盟先を十分に検討しましょう。
最初は、どのような加盟先があるかインターネットで気軽にチェックしてみるのがおすすめです。
気になった加盟先はメモしておき、詳細を調べてみましょう。