危険な悪徳フランチャイズの見分け方とは?特徴やFC選びのコツ
「サラリーマンから独立してみたいいけど、リスクがありそうで不安」
「悪徳フランチャイズに引っかからないためのポイントについて知りたい」
世の中には約1,300種類ほどのフランチャイズチェーンが存在します。
成功しやすいFCが多数ある一方で、加盟者から利益を得ることだけを目的とした会社も一部には存在するものです。
もし悪徳フランチャイズに加盟してしまうと、稼げずに失敗する可能性が大きいです。
この記事では開業する前に知っておくべき、悪徳フランチャイズの見分け方を解説します。
危険な悪徳フランチャイズとは
起業したい人たち向けに企業がノウハウや商標などを提供して、チェーン店を経営していくのがフランチャイズです。
今ではコンビニや飲食店だけでなく、幅広い分野でフランチャイズを活用できます。
2018年版「JFAフランチャイズチェーン統計調査」のデータによると、日本では1,328社のチェーンがフランチャイズを実施しています。
従来に比べてチェーン数は減っていますが、店舗数は増加傾向です。
参考:https://www.jfa-fc.or.jp/particle/29.html
収益性やサポートに期待できるチェーンが多く存在する一方、中には加盟者から利益を得ることだけを目的とした悪徳フランチャイズもいます。
もし悪徳フランチャイズに加盟してしまうと何が起こるのか、集客の手口やリスクについて見てみましょう。
(1)高い収益性などで集客
加盟者をカモにする悪徳フランチャイズは、収益性や低コストを売りにして集客します。
独立を検討するサラリーマンは資金が少ないことが多く、開業して稼げることに期待するためです。
例えば、悪徳フランチャイズの一種といわれる「オープン屋」は、実現することが困難な収益モデルで独立希望者を集客します。
加盟者に多額の設備投資をさせることでオープン屋は儲かるのです。
また、加盟金0円で加盟者を増やそうとする悪徳フランチャイズもいます。
加盟金が無料であるのは加盟者にとってメリットですが、別の名目でコストを要求される可能性が高いです。
契約料や研修費、宣伝費などの費用を請求されれば、加盟者はお金を支払う必要があります。
もし契約前に初期費用を知らされていなくても、加盟したフランチャイズから抜け出すのは難しいです。
(2)悪徳FCと契約するリスク
利益だけを重視した悪徳フランチャイズと契約してしまうと、独立に失敗して借金だけが残るリスクがあります。
多くの悪徳FCは経営面のサポートをあまりせず、加盟店を放置する傾向です。
未経験で店舗を経営するのは難しく、本部のサポートがなければ収益が悪化しやすくなります。
商品の開発や宣伝をしない本部であれば、お店の利用者を増やすことも困難になるのです。
店舗の収益性が悪くて起業に失敗すると、設備投資や諸経費による借金が残るものです。
もし契約期間の途中でお店を廃業してしまうと、本部から契約解除の違約金が請求される場合もあります。
独立の失敗で残った借金は返済し続ける必要があり、最終的には自己破産してしまう人も多いです。
加盟者から搾取する悪徳フランチャイズには、借金で生活難に陥りやすいリスクがあります。
悪徳フランチャイズを見分けるには
「リスクが大きい悪徳フランチャイズを避けたい」と思う人は多くいるでしょう。
起業で成功するには悪徳フランチャイズを選ばず、信頼できるチェーンに加盟することが重要です。
悪徳フランチャイズを見分けるポイントは次の5つです。
- リスクやデメリットの説明がない
- 資料に記載された事項が曖昧
- 担当者から加盟を急かされる
- オーナーからの口コミが悪い
- 会社情報が詳細に記載されていない
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
(1)リスクやデメリットの説明がない
フランチャイズ店舗の経営にはリスクがあり、必ずしも稼げるとは限りません。
お店を開業した当初は赤字になりやすい傾向もあり、リスクを説明しないフランチャイズ本部は怪しいです。
検討しているフランチャイズが悪徳であるのかは、担当者がデメリットについてもきちんと説明してくれるかで判断しましょう。
次のような質問をすることで、マイナス要素を説明できるのかが分かります。
- もしお店が赤字になったとき、ロイヤリティはどのように計算されるのか?
- 加盟金が無料である代わりに、研修費などの初期費用が発生しないのか?
- 仕入先の指定や商品配置など、経営の自由度はどこまで約束されるのか?
これらの質問に本部の担当者が曖昧な答え方をした場合、そのフランチャイズは悪徳である可能性があります。
信頼できるFCと契約するためには、あえてデメリットを聞くことが重要です。
(2)資料に記載された事項が曖昧
フランチャイズへの加盟を希望した人には、本部から法定開示書面や経営計画書などが配られます。
本部の信頼性を確かめるためには、資料に細かく情報が記載されているのか確認することも重要です。
例えば、計画書の必要投資額を見て、具体的な内訳や金額が記載されてあるかチェックしましょう。
初期費用の内訳が曖昧だと、開業時にどのような費用が発生するのかの把握が難しくなります。
また、加盟前に本部から法定開示書面が配られない場合、そのフランチャイズは悪徳である可能性が高いです。
小売業と飲食業には法定開示書面を交付する法的義務があるためです。
たとえサービス業であっても、日本フランチャイズチェーン協会が法定開示書面の説明を強く奨励しています。
加盟前に本部から配られた資料を見て、開示すべき事項が記載されているのか確認しましょう。
参考:法定開示書面について(一般社会法人日本フランチャイズチェーン協会)
(3)担当者から加盟を急かされる
一部のフランチャイズでは担当者がノルマを達成するために、独立希望者に加盟を急かす場合があります。
実際に加盟説明会へ参加してみると、加盟を強く促す社員やオーナーがいるのはよくあることです。
促されて加盟してしまう人は多くいますが、起業にはリスクがあるため注意が必要です。
リスクやデメリットを知らないまま加盟してしまうと、お店の経営で失敗しやすくなります。
また、良い面だけを強調して加盟を促している場合、本部が加盟者を増やすことだけを目的としている場合もあります。
担当者から加盟を急かされたときは冷静に対処することが重要です。
(4)オーナーからの口コミが悪い
悪徳フランチャイズにおいては、既にオーナーが経営で苦しんでいて、インターネットなどに悪い口コミを書き込んでいるケースがよくあります。
信頼性を確かめるにはオーナーの口コミを見ることも重要です。
インターネットでは匿名で口コミを書き込めるため、具体的な情報であるのか確かめましょう。
「サポートがよい」「収益性が高い」などの抽象的な口コミの場合、本部の社員が書き込んでいる場合があります。
また、ニュースを見て、フランチャイズ本部が不祥事を起こしていないか確認することもオススメです。
実際に、大手コンビニチェーンで長時間労働などの問題があり、オーナーが自殺したケースもあります。
労働環境や経営などに問題が少なければ、悪い口コミも少なくなる傾向です。
悪徳フランチャイズを見分ける方法として、オーナーの口コミやニュースを見ることを勧めます。
(5)会社情報が詳細に記載されていない
悪徳フランチャイズは利益だけを重視して、利用者に対する配慮が欠けている場合がよくあります。
ホームページやパンフレットを見て、検討している会社が信頼できるか判断しましょう。
経営理念や事業紹介、CSRなどの会社情報が細かく記載されていれば、ビジネスにしっかりと取り組んでいることが分かります。
公開される会社情報の量と信頼性は比例する傾向です。
優良なフランチャイズを見つけるには
「独立で成功するために優良フランチャイズを見つけたい」と考える人もいらっしゃるでしょう。
お店を開業する人が知っておくべき優良フランチャイズを見つけるコツは次の5つです。
- FCを展開する目的や存在意義を質問
- 自分と本部の価値観を比較
- 本部の指導力を分析
- 事業の成長性や収益性をチェック
- 費用が適切であるのか検討
それぞれのコツについて簡単に紹介します。
(1)FCを展開する目的や存在意義を質問
優良フランチャイズを見つけるには、説明会などで担当者に展開目的などを質問することが重要です。
加盟店を増やしたい理由を本部から聞くことで、本部の信頼性を判断しやすくなります。
また、目的だけでなく本部の存在意義について質問するのも良い本部を見分けるコツです。
質問に対して担当者が具体的に回答してくれて、納得できるような意見を持っていれば信頼できます。
(2)複数の本部を比較
より良いフランチャイズを見つけるには、さまざまな説明会に参加して資料を集めましょう。
そして、次のような項目で複数の本部を比較してみることがオススメです。
- 会社の資本金や年間売上高
- 経営理念の具体性、取り扱う商品の独自性
- 開業するのに必要な資金額
- 上場しているかどうか
- 店舗開発計画による数年後の店舗数
紙やオフィスソフトで表を作成して、これらの項目を本部ごとに埋めていくことで比較しやすくなります。
具体的な項目で比較することで、より良いフランチャイズを見つけやすくなるのです。
(3)本部の指導力を分析
初めてフランチャイズで起業する人は、パンフレットや説明会で本部の指導力を把握することも重要です。
サポートの具体的な内容を知っておくことで、安心してお店を開業できるか判断できます。
(4)事業の成長性や収益性をチェック
社会の動向から消費者のニーズをチェックして、検討しているフランチャイズの収益性を把握しましょう。
ニーズのある分野を選ぶことで、独立した後の成功率を高められます。
例えば少子高齢化が進む国内では、介護や宅配などのサービス業に対する需要が大きくなる傾向です。
高齢者にニーズがあるお店を経営することで、高い収益性に期待できます。
(5)費用が適切であるのか検討
事業計画書やパンフレットから必要な費用を見て、金額が適切であるのか検討しましょう。
明らかに相場より費用が高額な場合、フランチャイズ本部が加盟店を搾取している可能性があります。
まとめ
国内には1,000種類を超えるフランチャイズがあり、中には悪徳な会社も多く存在します。
悪徳フランチャイズに加盟してしまうと、独立で失敗して借金が残るリスクがあるため注意すべきです。
まともなフランチャイズに加盟するには、担当者の質疑応答や資料から信頼性を確認することが重要です。
さまざまなフランチャイズをチェックして、より良い本部と契約しましょう。