フランチャイズによる天ぷら屋開業の収益性と初期費用・失敗を避けるコツは?
日本を代表する食として挙げられるもののひとつが天ぷらです。
天ぷらは、バラエティ豊かな食材に衣をつけ、揚げたてサクサクの触感と味が楽しめます。
魚介類や野菜を中心にてんぷらで楽しめ、高級志向でも家庭料理としても提供できる料理です。
天ぷらは、長年の経験と技術が必要な料理と思われていますが、フランチャイズに加盟して開業することもできます。
この記事では、フランチャイズに加盟して天ぷら屋を開業する場合の収益やコスト、フランチャイズに加盟するメリットや問題点について詳しく解説しましょう。
目次
天ぷらの魅力
先ほども少し挙げましたが、天ぷらの魅力はどこにあるのでしょうか。
ここからは、天ぷらの魅力について詳しく解説しましょう。
(1)ポピュラーで寿司と並んだ日本料理
前述しましたが、天ぷらは日本を代表する食として寿司と並んで海外にも人気の料理です。
好きな日本食として上位にランキングされており、全世界的に知られている料理といえるでしょう。
コロナ禍で、外国人の来訪も減っている昨今ですが、コロナ前までは約3,000万人の外国人観光客が訪日し、日本食の代表といえる天ぷらを楽しんでいます。
また、外国人だけではなく、多くの日本人も天ぷらを好み、美味しい天ぷらを求めています。
非常にポピュラーで寿司と並んだ日本を代表する食である点が、天ぷらの魅力といえるでしょう。
(2)家庭料理や高級料理などさまざまな楽しみ方がある
天ぷらは家庭料理として楽しむことができ、江戸庶民の食べ物として昔から多くの人に好まれていました。
しかし、高級なネタを天ぷらにしてお客様に提供しているお店もあり、高級料理として楽しむこともできます。
非常に食材の幅が広いのが魅力のひとつです。
一般的には野菜やエビを天ぷらにして食べますが、なかにはカラスミや松葉ガニ、フグといった高級食材を天ぷらにして提供するお店もあります。
家庭にある食材から高級食材までさまざまな楽しみ方がある点も大きな魅力です。
フランチャイズによる天ぷら屋の収益は?
実際にフランチャイズで天ぷら屋を開業する場合、収益はどの程度上げることができるのかといった点が気になるところです。
ここからは、フランチャイズによる天ぷら屋開業における収益面について詳しく解説します。
(1)原価率が低く利益率が高い
天ぷらの収益面における特徴として挙げられるのが、原価が安いという点です。
飲食店での開業にあたり、多くの経営者が頭を悩ませるのが原価率です。
原価率が高ければ、どうしても薄利多売になってしまい、集客に力を入れなければいけません。
その点天ぷらは、比較的安価な野菜などを使って天ぷらとして提供できますので、30%を切る原価率で、美味しい天ぷらを提供することが可能です。
(2)収益のモデルケース
利益率が高い天ぷらをフランチャイズにより開業する場合収益のモデルケースにより、どの程度の収益を得られるのかが想定されます。
あるフランチャイズ本部の収支モデルから想定される収益を下の表にまとめました。
月額売上 | 600万円 |
原価 | 180万円 |
人件費 | 120万円 |
広告費 | 30万円 |
家賃 | 30万円 |
水道光熱費 | 10万円 |
その他 | 100万円 |
計 | 130万円 |
20坪程度の広さと仮定した場合、月額130万円程度が見込めますので、1店舗経営だけでも十分な収益を得ることが可能です。
営業利益率が21.6%と飲食業界の中でも高い利益率である業種といえるでしょう。
初期費用・ロイヤリティなどの費用
収益がわかると次に気になるのが、開業にかかるコストやフランチャイズ本部に支払うコストなどではないでしょうか。
フランチャイズに加盟しての開業は、さまざまなサポートを受けて開業ができますが、自主独立よりもかかる費用があります。
ここからは、開業における初期投資やフランチャイズに加盟した場合の加盟店料やロイヤリティなどについて詳しく解説します。
(1)開業における初期費用はどのくらいかかる
天ぷら屋の開業においてもっとも大きな費用として挙げられるのが店舗取得費です。
店舗の取得費は、広さや場所によって異なりますので一概には言えません。
店舗取得費のコストはなるべく抑える必要があるのですが、店舗の立地が集客に大きく影響します。
コストは抑えながら、立地にも十分配慮した店舗展開が必要です。
また、店舗の内装や厨房機器代などにも大きな費用がかかります。
20坪程度の物件取得費を500万円程度と仮定した場合の開業費用としては、1,600万円前後を見ておくと良いでしょう。
(2)加盟店料やロイヤリティは?
先ほどフランチャイズに加盟する場合と、自主独立の場合では、フランチャイズに加盟すると、加盟店料やロイヤリティなどが発生します。
加盟店料とはフランチャイズに加盟するために当初必要な入会金と考えておくと良いでしょう。
ロイヤリティとは、本部の屋号やメニュー、運営システムなどを利用できる代わりに毎月支払う使用料といった位置づけです。
加盟店料やロイヤリティなどは加盟する本部によって金額が異なります。
天ぷら屋をフランチャイズで開業する場合、加盟店料は、100万円〜200万円程度が一般的です。
ロイヤリティは、毎月定額の場合や、毎月の売上に対して数%のロイヤリティなど加盟店によって異なります。
一般的には毎月売り上げの5%程度が一般的といえるでしょう。
これらの費用についても本部選びの参考になります。
フランチャイズによる加盟店へのサポートは何を行う?
フランチャイズに加盟することにより、開業前や、開業してからも色々なサポートを受けながら準備や経営を行うことが可能です。
では加盟店になることによりどのようなサポートを受けることができるのでしょうか。
ここからは、フランチャイズ本部が加盟店に行うサポートについて詳しく解説します。
(1)研修により未経験でも開業可能となる
天ぷら屋の開業は、経験者しか開業できないというわけではありません。
なかには未経験から天ぷら屋を開業する場合もあります。
フランチャイズに加盟すると、開業前に研修や勉強会などを開催し、未経験の方でも開業ができるようにサポートしています。
未経験からの開業を検討している場合は、研修制度がしっかりと確立しているフランチャイズに加盟しての開業がおすすめです。
(2)直営店での実地研修によりリアルな経営が体験できる
研修は、ただ講義を受けるだけではなく、直接直営店で研修を受けることができる本部もあります。
実際に、お店の中で天ぷらを揚げたり接客したりすることで、実践的に学ぶことが可能です。
リアルに経営を学べますので非常にリアルな店舗経営を学ぶことができるでしょう。
(3)研修店舗に指定されると、研修費用が支払われる
開業して、上手く収益を挙げながら経営することができると、本部から研修店舗に依頼されることがあります。
同じようにフランチャイズ経営をしたい人を自分のお店で学ばせることができると、人数により研修費用が支給されます。
営業の利益だけではなく、研修を行うことで収益を得ることも可能です。
(4)オーナー権利売却制度で廃業も安心
フランチャイズに加盟した場合、気になるのが廃業したときの違約金などが挙げられます。
最初に加盟金を払ったうえに廃業した場合、違約金がかかるとなるとさらに費用を負担することになってしまうでしょう。
フランチャイズ本部によっては、加盟店が廃業する場合、持っている権利を他の人に売却する制度があります。
新しい加盟店から、加盟店料を全額受け取ることができる仕組みです。
開業時のコストを少しでも取り戻すことができますので、廃業時に大きな助けとなります、
フランチャイズで天ぷら屋を開業するメリット
ここまでは、フランチャイズに加盟する場合のサポートなどについて詳しく解説しました。
このようなサポートを受けた経営ができますので、フランチャイズに加盟しての天ぷら屋経営にはさまざまなメリットがあります。
ここからはフランチャイズに加盟して天ぷら屋を開業する場合のメリットについて解説していきましょう。
(1)職人でなくても研修で開業が可能
先ほどの未経験からでも研修サポートにより開業が可能になるといった点を挙げました。
天ぷらは、一定の経験がある熟練の技術を持った人しかできないと思っている人も多いでしょう。
しかし、研修などにより熟練の技術を持っていなくても開業は可能です。
研修制度がしっかりと確立しているフランチャイズ本部に限りますが、フランチャイズに加盟する大きなメリットといえるでしょう。
(2)昼と夜で業態を変えた経営も可能
フランチャイズ本部によっては、昼夜形態を変えて開業することも可能です。
例えば、昼は串カツ屋さんとして経営し、夜は天ぷら屋といった雰囲気を変えた経営を行うこともできます。
これにより、昼夜どちらでも利用できるお客様が増えますので、収益の上昇や固定客の確保が見込めるといえるでしょう。
(3)心配事も担当者に相談できる
店舗経営ともなると経営者はひとりですので、なかなか相談する人が少なくなってくる点も心配事として挙げられます。
従業員では経営者の感覚とは少し異なるところもあり実際に悩みを相談できる相手としてはあまり適さないかもしれません。
フランチャイズに加盟すると、店舗担当の本部社員と連携しますので、悩み事などを相談することができます。
特に経験豊かな店舗担当者だと、今までもさまざまな悩みを加盟店から聞いていますので、より具体的な解決策を提示してくれるケースも考えられるでしょう。
経営について本部の担当者と話ができる点も大きなメリットです。
フランチャイズで天ぷら屋を開業する問題点・失敗を避けるコツ
フランチャイズに加盟しての経営はメリットばかりではありません。
問題点や注意点もしっかりと把握しておく必要があります。
ここからは、フランチャイズに加盟して開業する場合の注意点について解説しましょう。
(1)自分で考えたメニューは提供できない
フランチャイズに加盟することで実績のある屋号やメニューシステムが利用できますが反面オリジナルメニューの提供などはできません。
自分で売れると思ったメニューも自由にメニューに載せることができない点には注意が必要です。
(2)必ずフランチャイズに加盟して開業できるわけではない
フランチャイズに加盟したいからといっても必ず加盟できるわけではありません。
フランチャイズ契約を締結する前に本部から審査があり、審査に通ると加盟店として開業が可能です。
審査に通らない理由として、資金面で十分な準備ができていない場合や、店舗の確保ができていない場合などが挙げられます。
資金計画や、エリア特性などを自分なりに準備、検討したうえで加盟店に応募する必要があるでしょう。
(3)本部の不祥事に影響されやすい
フランチャイズに加盟することにより、本部の実績や売れたノウハウを利用できる反面本部の不祥事などに影響されやすくなってしまいます。
屋号が同じですので、本部の悪い風評をもろに受けることもあるのです。
これもフランチャイズに加盟する注意点として挙げられます。
まとめ
天ぷらは海外でも寿司と並ぶ日本を代表する食として広く知られています。
天ぷら屋の開業は熟練した職人でなければ難しいと考える人も多いでしょうが、フランチャイズに加盟することにより研修で学び開業も可能です。
利益率も高く、国民の食として確立していますので、さらに実績のある本部に加盟すると一定の集客も見込めるでしょう。フランチャイズによる天ぷら屋開業の収益性と初期費用・失敗を避けるコツは?
フランチャイズによる天ぷら屋開業を検討している人は、是非この記事を参考にしては如何でしょうか。