フランチャイズのペットショップの開業資金や注意点・業界の将来性は?
2020年に起こったコロナウイルスによる世界的な感染により、ライフスタイルが一変した感があります。
Withコロナの中で生活を送らなければいけなくなった中、注目されているのがペットビジネスです。
コロナ禍においてペット産業は順調に業績を伸ばしており、今後、ペットショップなどを開業する動きが出てくることが想定されます。
では、ペットショップを開業しようとする場合、年収はどの程度になるのでしょうか?
また、開業の費用や手順、フランチャイズ経営を行った場合、メリットや注意点にはどのようなものがあるのでしょうか?
この記事では、ペットショップをフランチャイズ経営する場合について詳しく解説します。
目次
フランチャイズのペットショップ業の将来性(または需要)
ペットショップ経営を行う上でまず分析しておきたい点がペットショップの需要と供給です。そして今後の将来性です。
ここからはペットショップの将来性や需要について解説します。
(1)コロナ禍においてペット事業は逆に堅調
コロナ禍において、さまざまな業種が経済的にダメージを追う中、ペットビジネスは非常に堅調な動きを見せています。
ステイホームによって家に滞在することが多い中、求められているのがペットです。
あるペットショップでは2020年6月~7月において前年同月比4割程度の売り上げが上がったと伝えています。
ペット保険の大手企業も2020年4月~6月は前年同月比3割増と、巣ごもり需要の中で、最も需要が高かったものの一つがペットなのです。
コロナウイルスが終息後もペットの需要は高まると想定されており、今後人口が減少し高齢化が進む中でもパートナーとしてペットの存在は非常に大きくなると想定されます。
つまり、ペットショップ経営は、ニューノーマルなライフスタイルが叫ばれる中、重要な位置づけとして需要が増えてくると考えられるのです。
フランチャイズのペットショップ業の平均年収
実際にペットショップを運用したとして、どの程度の年収を得ることができるのでしょうか?
いくつかのモデルケースを見てみると、200万円程度の月商の場合、経費に170万ほどかかりますので、月収は約30万円、年収は360万円程度と算出されます。
利益率が非常に高いわけではなく、あまり大きな売り上げがあがっているわけではありませんが、取り扱うペットの種類を増やし、敷地面積を広げるなどするとより売り上げの増加が見込めます。
ペットショップ1店舗だけではそう大きな収益は見込めませんが、複数店舗展開することによりさらなる年収の拡大も見込めます。
更に、巣ごもり需要の増加からペットの需要は今後増えていくと想定されていますので、1店舗の売り上げが上がるとさらなる年収増にも大きな期待ができるといえるでしょう。
初期費用・ロイヤリティなどの費用
ペットショップを開業する場合、年収のほかに気になる点といえば初期費用や運転資金といったところでしょう。
ここからは開業した場合の初期費用と運転資金について解説します。
まずはフランチャイズに関する初期費用を算出しましょう。
こちらは2つのフランチャイズ募集の項目から初期費用を算出します。
A株式会社 | B株式会社 | |
加盟料 | 250万円 | 300万円 |
開店準備金 | 50万円 | 30万円 |
保証料 | 100万円 | 30万円 |
研修料 | 30万円 | |
合計 | 400万円 | 390万円 |
当初フランチャイズに加盟するのに必要な資金です。およそ400万円前後の費用が必要なことがわかります。
次に店舗の開業に至る費用を算出します。
(1)店舗を借りる
ペットショップを開業するにあたり物件を借りる必要があります。
賃貸物件を借りる場合、礼金や保証金、仲介手数料、前払いの家賃などが発生します。
一般的には礼金に1ヶ月分程度、仲介手数料も1ヶ月分程度、保証金は5か月程度が相場です。
月20万円の物件を賃貸すると初期費用として、約150万円の資金が必要となります。
店舗を借りる資金は初期費用の中でも大きなウエイトを占めますので、できる限り安くなるように交渉して初期費用を抑えましょう。
(2)内装
借りる店舗が決まると、次は内装です。
ペットショップを内奏するにあたり、相場としては坪15万円程度を見ておきましょう。
20坪の店舗を借りたとすると約300万円の費用を見込んでおく必要があります。
こちらも非常に多額の資金が必要になりますので、交渉しながらなるべく費用を抑える動きが必要です。
(3)備品
備品に関しては店舗の行う業務スタイルによって異なります。
グッズ販売を行うならショーケースなどが必要になり、トリミングを行うならペット用のいすやシザーが必要です。
100万円前後の見込み資金を準備しておきましょう。
(4)運転資金
店舗が黒字化するまで、3か月程度かかると見込んだ場合、赤字部分の補填をあらかじめ運転資金として確保しておく必要があります。
店舗の規模によって異なりますが50万円~100万円程度の資金は確保しておきましょう。
トータルするとおよそ1,000万円超の費用が必要です。
フランチャイズ企業によっては資金面の相談を受けている場合もありますので、初期費用の借り入れは十分に精査して取り組む必要があります。
(5)ロイヤリティ費用
フランチャイズとして開業する場合には、企業のノウハウや広告が利用できますが毎月一定の使用料としてロイヤリティの支払いが必要です。
売り上げに一定の割合をかけた金額を支払いますが、一般的に5%程度をロイヤリティとして設定しています。
フランチャイズに加盟すると必ずと言っていい程かかる費用ですのでしっかりと把握しておきましょう。
フランチャイズによるペットショップの開業手順
平均年収、かかる費用などがわかると、次に開店手順について解説します。
開店の手順は大きく、7つのステップに分けられます。
- ステップ1:加盟の相談
- ステップ2:物件の調査
- ステップ3:物件を借りるエリア調査
- ステップ4:加盟店契約
- ステップ5:開店の準備
- ステップ6:研修
- ステップ7:開店
これらのステップを踏むことで開店となります。
このステップをスムーズに運ぶことで、開店までの期間を縮めなければいけません。
通常3か月程度見ておきますが、早ければ1か月程度でも開店は可能です。
少しでも早く開店し、支出を抑えて収入を上げることを心がけましょう。
必要な資格や技術
ペットショップを開店するにあたり、開業に関して必要な資格などはどのようなものがあるのでしょうか?
ペットショップで犬や猫、鳥類や爬虫類を販売する場合に必要な資格が「第1種動物取扱業」の登録が必要です。
この「第1種動物取扱業」について解説します。
(1)第1種動物取扱業とは
第1種動物取扱業は、業としてペットの販売や貸出、訓練など7つの項目を行う際に必要な登録です。
2005年に動物愛護管理法が改正され導入された登録制度で、都道府県か政令指定都市へ登録しなければいけません。
基本的に動物を扱い仕事の大部分がこの動物取扱業の登録が必要です。
この登録を行わなければペットショップは開業できませんので、借りる物件が決まったら早めに申請しましょう。
第一種動物取扱業について詳しく知りたい方は、以下を参考にしてください。
対象の顧客層(または業界事情、向き不向き等でもOK)
ペットショップを開業する場合、対象となる顧客層をしっかりと考えておきましょう。
巣ごもり需要の増加により、多くの世代でペットの需要が増えています。
特に優良顧客といわれるのは、40代から50代の夫婦世帯です。
ペットショップの顧客層は比較的教育レベルや所得が高い層が多いといわれています。
少し郊外の住宅街などを商圏とするエリアでペットショップを行うと、優良顧客といわれる層のお客様が増える可能性が高くなるでしょう。
ペットショップの場合は、特に交通の便がいいところなどを気にしなくてもいい業種です。
最近多いのはホームセンターの中にペットショップを構えているところも多く、家族連れなどに人気があり多くの集客が見込めます。
自分が構える店舗エリアの商圏を前もって調べておき、対象の顧客層を絞りましょう。
フランチャイズでペットショップを開業するメリット
では、実際にペットショップを開業するにあたり、フランチャイズで経営した方が良いのでしょうか?
まずは、フランチャイズに加入するメリットについて解説します。
(1)ルートが構築されている
フランチャイズで開業すると購入ルートの構築をする必要がありませんので手間が省かれます。
ペットがいなければペットの販売はできません。ペットの購入ルートを構築するのが自主独立してペットショップを行う場合はとても大変です。
しかし、フランチャイズに加盟してペットショップを開業するとあらかじめ購入ルートを紹介してくれます。
つまりペットを仕入れるルートをつくる必要がありませんので他の業務に力を注げて効率的です。
(2)管理システムやデータがそろっている
ペットショップの顧客データやシステムをつくる必要がありません。
実は顧客管理を行う場合システムの構築が大変で、ソフトをつくるために業者に依頼するとまとまった資金が必要になります。
しかし、フランチャイズに加盟しているとフランチャイズ企業のシステムが使えるのでシステムを構築する費用がかかりません。
また、たくさんのノウハウが詰まっているシステムが利用できます。
(3)知名度を利用できる
大手の看板が利用できますので信用感があります。
やはり顧客は、大手の有名なペットショップの方が、安心感があり大手でペットの購入をしたいと思っています。
フランチャイズだと大手の看板を利用できるので顧客の安心感につながり、販売もしやすいです。
また広告もフランチャイズ企業が行いますので、広告料に大きな費用をかける必要がありません。
大手の知名度を利用できる点も大きなメリットといえるでしょう。
フランチャイズでペットショップを開業する問題点・失敗を避けるコツ
フランチャイズに加盟するとメリットしかないというとそうではなくいくつかの注意点があります。
ここからはフランチャイズ経営を行う場合の注意点について解説します。
(1)防音や防臭対策が大切
フランチャイズに限ったことではありませんが、ペットショップを行う場合は、防音対策や防臭対策を行い、近隣に迷惑をかけないようにしておきましょう。
防音や防臭をほったらかしにしていると近隣からのクレームに繋がり、フランチャイズ本部へ連絡されるかもしれません。
フランチャイズの企業はクレームやトラブルの類をすごく嫌がります。
いつまでも改善されなければフランチャイズ解約といった事態にもなりかねません。
しっかりと防音や防臭対策を行い近隣へ迷惑をかけないようにしましょう。
(2)社員教育をしっかりと行う
アルバイトなどを雇う場合は、フランチャイズ企業の教育方針に沿って社員教育をしっかりと行う必要があります。
せっかくの顧客もサービスが悪ければ離れていきます。
後に複数店舗を展開しようと考えている場合は、人材を育てて店舗を任せられるまでに育てられると、先々好調です。
フランチャイズでは、社員教育のノウハウもしっかりと確立されていますので、十分利用してしっかりとした人材を育てましょう。
(3)ペットの知識を高める
エリアの状況をしっかりと把握してどのようなペットが人気なのかを調べ、ペットについてよく知識を高めておきましょう。
フランチャイズで陥りやすいのが、フランチャイズのマニュアルだけの接客で、ペットの知識をしっかりと勉強していないことがあります。
フランチャイズのマニュアルが絶対ではありません。
しっかりと勉強してペットについて自分の知識にし、どのような状況になっても対応できようにしておきましょう。
ペットに詳しく的確なアドバイスでお客様は離れず、口コミで増えていきます。
フランチャイズのマニュアルに頼り過ぎないことも注意点のひとつです。
まとめ
ペットショップを開業する場合は、よっぽどの上級者でない限り、フランチャイズに加盟することをおすすめします。
最も大きな理由は、購入ルートが確保されているからです。
ペットを販売するので、信用のおけるところから購入し元気で健康なペットをそろえたいですね。
フランチャイズだとあらかじめ、購入ルートもできているので安心して取引ができます。
また、顧客管理システムも自由に利用できる、大手の場合は広告もしなくていいなど、経験が浅い人には願ってもないサービスが充実しています。
これらの点だけでも自主独立度行う場合と比較して優位性が高いです。
ペットショップ経営を考えている人は、フランチャイズ募集しているペットショップの話を聞いて、選択肢の一つにしてはいかがでしょうか?