フランチャイズのパーソナルジムの初期費用・難点と失敗を避けるコツも解説
今、フィットネス産業が盛り上がりをみせています。
健康志向ブームにより、男女問わず年齢も幅広い層から需要がある要因もあります。
そしてフィットネス産業の中でも、パーソナルジムも注目と需要が上昇傾向にあります。
このパーソナルジムに好評がある中、自身でパーソナルジム経営を目指す人も増えてきています。
一方でパーソナルジム業は、高精度な提供トレーニングが必要など、リピーター獲得が容易ではない業種です。
ですがフランチャイズ加盟の方法によって、オリジナルで特殊な方法を導入しているなど、注目を集めやすい方法もあります。
今回はフランチャイズとパーソナルジムについて、パーソナルジムの特徴や、パーソナルジムの難点と失敗を避けるコツなどに触れながら解説します。
目次
フランチャイズのパーソナルジム業の年収
フランチャイズのパーソナルジム業経営では、標準的に年収500万円を達成できやすいともいわれます。
そして、本格的にスポーツに取り組む固定客を得られたり、口コミによる新規顧客も得られたりするようになると、600万円以上を目指すことも可能です。
また複数店舗を経営し、従業員育成と物販もうまくできると、1,000万円超も視野に入る業種といえます。
高収入を目指すためには、以下のような点を心がけるとよいでしょう。
- 自分の得意分野トレーニングを活かせる、本部に加盟する
- 少人数顧客から始め、最初は営業よりトレーニングレッスンの精度向上に努める
- トレーナーとして技術や知識を学び続け、提供トレーニングの幅を広げる
- 本部に承認を得てスタッフ含め、SNSによる広告に取り組む
- 物件に対する、防音措置をなるべく施す
- 顧客の目標や希望を的確に認識し、当初の想定金額と期間で達成できるよう戦略を考える
- 年上顧客のケースでは特に、丁寧で謙虚な対応になるよう気を付ける
- 可能ならば当初は、最低限必要な道具や自宅開業にする
- 道具をはじめとした物品を、清潔に保つ など
初期費用とロイヤリティなどの費用
(1)初期費用
初期費用として標準的に、200~300万円程度要する傾向にあります。
そしてマシンをリースでなく新品調達にすると、350万円程度にもなります。
また高いケースでは、600万円や1,000万円以上要する時もあります。
一方でリーズナブルなケースでは、100万円やほとんどかからない時もあります。
加盟費も保証費も、ゼロのところもあります。
【初期費用内訳】
- 加盟費
- 保証費
- 研修費
- 物件取得費
- 店舗工事費
- マシンや道具準備費
- 初期広告費 など
(2)ロイヤリティ
変動型:12~15%程となっています。
月額定額制:5~15万円程度となっています。
ロイヤリティは、ないところもあります。
そして加盟費が安価な分、月々のロイヤリティが高くなるシステムもあります。
ロイヤリティに加え、広告分担金や月々研修費が課される本部もあります。
フィットネスクラブの業界特徴
フィットネスクラブには、次のような業界特徴があります。
(1)市場規模
フィットネスクラブ市場は、2000年以降右肩上がり状況にあります。
2000年、前半台には、2,000億円や2,500億円の市場数値情報もありました。
そして2018年には、4,800億円の市場数値情報もあった成長産業です。
(2)ジムのタイプ
ジムには、次のようなタイプがあります。
①総合型フィットネスクラブ
ジムやスタジオに加え、サウナやプールもあります。
幅広い運動や、エアロビクスレッスンなどを楽しめます。
②小中規模のジム
何か特定の内容トレーニングや、楽しめるプログラムを提供するジムです。
提供内容には、ヨガや各種ダンスなどがあります。
同じ時間帯には1人もしくは、多くて5~10人程度の人数による実施となります。
パーソナルジムは、このタイプに入ります。
③24時間セルフジム
24時間利用可能で、スタッフが常駐ではありません。
仕事の勤務時間が不規則な人にとっても、通いやすいです。
(3)フィットネスクラブの今後
日本では、慢性的に高齢化が進んでいます。
そして60歳や65歳を過ぎても、まだまだ足腰をはじめとした身体を、元気に力強く保ちたいと多くの人が希望します。
そこでフィットネスクラブは、今後効率的なダイエットや体型作りだけでなく、腰痛解消や健康な内臓と筋肉維持につながるトレーニングも求められます。
パーソナルジムの特徴
パーソナルジムには、次のような特徴があります。
(1)適切な姿勢でのトレーニングになる
例えば筋トレで想定した効果を得るには、適切な姿勢でのトレーニングも大切です。
適切でない姿勢でトレーニングをすると、想定した部分以外のトレーニングになる懸念もあります。
パーソナルジムでは、トレーナーが適切な姿勢をアドバイスします。
(2)トレーニングが効率的
ジム通いをする人は、基本的にダイエットや体力作りなどを効率的にしたい傾向にあります。
このためにはトレーニング内容や負荷などを、適切に組む必要もあります。
一方で大した知識がないと、何の器具をどの程度の負荷で使えばよいかわからない人が少なくありません。
パーソナルジムでは、トレーナーが個々に合った器具や負荷での、トレーニングメニューを考えます。
(3)マシンを1人で使える
一般的なフィットネスジムでは、自分が使いたいマシンを他の人が使っていて、数十分待つこともあります。
仮に自分が使えても他に待っている人がいれば、ある程度使ってゆずる必要性を感じる人もいます。
パーソナルジムでは、個室で使いたいマシンを自分1人で使えます。
(4)損傷リスクを防ぎやすい
自分の考えのみで鍛えると、例えば関節を痛めたり疲労性骨折を起こしたりするなどの、損傷リスクもあります。
パーソナルジムではトレーナーが、損傷につながる時は指摘します。
関節や骨などを痛めると、全治に時間がかかりモチベーションも落ちやすいです。
(5)集中できやすい
一般的なジムでは周りに人が多く、どうも集中できにくい人もいます。
パーソナルジムでは基本的にトレーナーとマンツーマンで、集中できやすいです。
フランチャイズによるパーソナルジムの開業手順
(1)ファーストコンタクト
まずは本部とコンタクトを取って、資料入手や説明会への日程調整をします。
(2)個人説明会
ビジネスモデルや、開業手順などを理解します。そして、パーソナルジム運営方針などを話し合います。
(3)店舗見学
実際の加盟店舗を見学したり、トレーニングを体験できたりするところもあります。
(4)契約締結
開業するケースでは、フランチャイズ加盟契約をします。この段階で、融資相談をするところもあります。
(5)物件段取
物件を選び、取得段取をします。アクセスのしやすさも大切です。
事業用物件取得は一筋縄に進まないこともあるので、本部の物件取得サポートがある点は大きいです。
(6)店舗工事
看板設置や、店舗の内装工事を施工します。
(7)研修
パーソナルジム経営のための、研修をします。トレーニングの技術的な部分はもちろん、接客方法や業務進行方法も大切です。
(8)スタッフ段取
最初から何らかのスタッフが必要なケースでは、スタッフ募集段取もします。人材確保は意外と容易ではないので、本部のアドバイスやサポートも請いたいものです。
(9)道具調達
必要なマシンや道具などを搬入し、準備完了となります。
(10)道具調達
(1)~(9)の手順を経てオープンし、パーソナルジム業務開始となります。
フランチャイズでパーソナルジムを開業するメリット
フランチャイズのパーソナルジム開業には、次のようなメリットがあります。
(1)ロイヤリティ無料
フランチャイズビジネスでは、基本的にロイヤリティの支払いがあります。
そしてまだ売上が軌道になっていない時や、一時的に売上が落ちた時には、数パーセントのロイヤリティも重くのしかかる時もあります。
フランチャイズではロイヤリティ無料のところもあるので、運転資金面で好都合となります。
(2)リーズナブルな初期費用
一般的にフィットネスジムを開業するには少なくとも500万円、面積を広くすると1,000万円2,000万円要する時もあります。
ですがフランチャイズパーソナルジムでは、150~300万円ほどや数十万円で開業可能なところもあります。
そして必要自己資金50万円から開業可能で、自らトレーナーをすると加盟金分割払いが可能なケースもあります。
長年フィットネスジム開業を目指して、少しずつ資金を貯めてきた人から見ると、手が届きやすい金額といえます。
(3)最短20分で効果発揮のトレーニング
全身の筋肉へ同時に負荷をかける特殊なボディスーツを着て、20分で3~4時間ほどのトレーニングと同等の効果を得られた、方法を導入しているところもあります。
費用面では余裕があるけど、忙しくてなかなか定期的には通えない人も通いやすくなります。
このように奇抜な方法で、集客につながります。
(4)小スペース1人運営も可能
大規模なマシンを必要とせず、必要なスペースは6畳ほどのところもあります。
一般的に運営経費で大きくかかる人件費や固定家賃が抑えられて、収益を確保できやすいです。
(5)遺伝子分析システム導入
「遺伝子分析システム」の、次世代型特殊システムを導入しているところもあります。
遺伝子レベルで身体を分析するので、より自分の体質に合った効率的なトレーニングになります。
国際大会出場レベルのプロスポーツ選手も、利用経験のある方法です。
このシステムはまだあまり普及していないので、今がビジネスチャンスともいえます。
(6)在庫リスクがない
従来のフィットネスジムでは、プロテイン販売などの物販による収益確保要素も大きいです。
一方で物販では「おそらく売れるであろう」と売れる自信のあるものであっても、やはり在庫リスク懸念はあります。
ですがフランチャイズパーソナルジムでは、物販なしで経営維持と収益確保は可能です。
(7)開業後の研修
今のフィットネス業には「ただ効率的にやせる、筋肉をつける」以外の要素も、求められる傾向もあります。
例えば、高度な医学的知識を使ったプラン作成や、楽しいトレーニングをしてやせたいなどの内容です。
このような希望に対応していくには、随時新しい考え方や他ジャンルの知識も必要です。
フランチャイズでは定期的に実績のある講師による、研修会を開くところもあります。
このように学びやすい体制整備では、知識の習得が進みやすいです。
(8)加盟者の裁量も容認
フランチャイズビジネスでは、本部の方針に沿う必要もあります。
ですがフランチャイズでは、加盟者の裁量が比較的認められているところもあります。
例えば、料金設定も加盟者の考えで決められるケースもあります。
そして会社などが加盟し、従業員用のリフレッシュ措置として、ヨガ教室やマッサージなどを導入できるところもあります。
フランチャイズでパーソナルジムを開業するデメリット
フランチャイズのパーソナルジム開業には、次のようなデメリットもあります。
(1)本部準備の人材がイメージと異なる
本部がスタッフ募集をするところもあります。
一方で本部が手配してくれたトレーナーなどの人材と、自分のイメージが異なる可能性もあります。
本部が手間をかけて手配した人材なので、断りにくい場合もあり、その点がデメリットになります。
(2)自分のトレーニング理論をチラシに書けない
自分自身が人体メカニズムとダイエットについて、専門的に勉強したことがあるとします。
そして、チラシに自分のダイエット理論を書きたいと考えます。
一方で根拠不十分などの理由で、チラシへの記入を認められないと不便点となります。
パーソナルジムの難点と失敗を避けるコツ
パーソナルジム運営には、次のような難点もあります。
(1)初回の対応方法
新規顧客のケースでは初回対応時に、トレーニングなどについて説明をする必要の時もあります。
そして説明には5分10分、もしくはそれ以上要する時もあります。
パーソナルトレーニングにて、顧客は安くない費用を払います。
たとえ5分10分であっても、顧客としては短時間の説明に要した時間分、損をしたと感じる可能性もあります。
よって本部とも相談し、初回対応時の説明時間分については、別途設けるなど気遣いも大切です。
(2)異性顧客の対応
フィットネス業一般に、顧客が言っていることを理屈だけでなく、身体の感覚として理解できることも大切です。
一方で、仮に豊富な実績と高度な知識のあるトレーナーであっても、異性の身体のことを感覚として理解することは難しいです。
よって1人運営で異性顧客への対応が必要な時には、異性スタッフ雇用も考慮の必要はあります。
(3)ボディタッチ
パーソナルトレーニングでは実際体に接して、対応する必要がある場合もあります。
この体に接する時には、注意が必要です。
仮に例えば男性同士であっても、顧客からみて必要以上に触れられると、気分が悪くなる人もいます。
よって同性同士でも、ボディタッチには慎重さが大切です。
(4)高度な理屈のみを押し付けない
顧客の中には、珍しい理論やシステムを前面に押し出した広告に惹かれて問合せしたり、入会したりする人もいるでしょう。
一方でトレーニング中の会話にて「だからこの理論はこういうように卓越しているんです」と、難しい高度な考えを抽象的に主張するだけの話し方は要注意です。
顧客としては理解できないどころか、憤慨させてしまう懸念もあります。
例えば、具体的なプロスポーツ選手が導入した事例や、実際の顧客で効果が表れた事例なども交えた、わかりやすく丁寧な説明も効果的です。
(5)トレーニング期間後のサポート
トレーニング期間が有期の顧客としては、トレーニング期間後も体型や体調を維持していけるか否かを、懸念する人もいます。
よってジム側としてはトレーニング期間終了後、顧客が自身で可能な措置やジム側の対応方法を、考えることもおすすめといえます。
このような対応はリピーター獲得や、口コミでの新規顧客獲得にもつながります。
(6)細かなカウンセリングと料金説明
初めてパーソナルジムを利用する顧客のケースでは、どれくらいの期間と費用を要するのか、見当がつかず来る人もいるでしょう。
このようなケースでは、カウンセリングを入念にしておく必要があります。
顧客としてはジム側が示した期間と費用にて、自分の目標は達成できるとイメージします。
一方で、当初のジム側の認識と顧客のイメージに誤差があり、顧客が目標を達成できないとクレームの可能性もあります。
よって、最終目標の認識にズレがないように確認し合い、料金説明も内訳を準備し丁寧にすることが大切です。
(7)オンライントレーニングも競合
今は、パソコンやスマホを使ったオンライントレーニングもあります。
オンライントレーニングには月額3,000円程度で、レッスンを受け放題のサービスにしているところもあります。
そして、自宅で受講できる点も手軽です。
よって、面と向かってプロオリジナルの高度なトレーニングを提供できるなど、オンライントレーニングへの差異点考案も要考慮点といえます。
(8)1県1社のみ加盟
特殊なトレーニング方法を導入していて、集客をできやすいところもあります。
一方で加盟者の商圏を保護するために、1県1社のみの加盟としているところがあります。
よってチャンスを逃さないためには、スピード感のあるアクションと決断が必要となります。
(9)物件選定
顧客が来店するタイプの業種なので、物件選定には慎重さも必要です
駅が近いなどの、アクセスのしやすさはもちろん大切です。
そして、パーソナルジムとしては音が響かないことも重要です。
音が響くと、トレーニングに集中できにくい懸念があります。
一方で音が響かないように大規模な内装工事をしようとすると、建物オーナーから承認されないこともあります。
物件は1度契約し金銭のやり取りを交わすと、契約キャンセルと返金は容易ではありません。
まとめ
ここまで、フランチャイズとパーソナルジム業について考察してきました。
押さえておきたい点は、集客に複数の強みがあるフランチャイズのメリットと、パーソナルジム業の難点や失敗を避けるコツです。
そして、年収や費用に関する内容もポイントといえます。
パーソナルジム業は多様化するニーズに応えれば、需要は今後も衰えないでしょう。
提供トレーニング精度を高め、接客対応方法で好印象につなげ、自分オリジナルのパーソナルジムにて人生を成功なさってください。