オムライス専門店をフランチャイズで開業するメリットと注意点
誰もが好きな洋食の一つであるオムライス。
街にはオムライス専門店など、オムライス単体だけのメニューで経営しているお店も見かけられます。
では、このようなオムライス専門店をフランチャイズで経営しようとする場合、どの程度の平均年収を上げることができるのでしょうか?
また、フランチャイズに加盟する初期費用やロイヤリティはどのくらいかかるのでしょうか?
この記事では、オムライス専門店をフランチャイズ経営した場合の年収や初期費用などについて解説します。
目次
オムライス専門店の将来性や需要は高いのか?
まずは、フランチャイズ経営を行うことを考えた場合、行わなければいけないことは将来性の分析です。
先行きの見通しが暗い業界で事業を起こしても長続きしない可能性が考えられます。
まずは、オムライス専門店の需要や将来性などについて解説します。
(1)バラエティは少ないが根強い人気で需要は安定している
オムライスの発祥は、大正14年に大阪から始まったといわれています。
日本で開発され、もともとオムレツと白飯を頼んでいた胃腸の常連客に、バラエティを少し変えるために作ったのが由来です(諸説あり)。
その後、全国に広まり、今の形として多くの人に好まれるメニューとなりました。
プレーンタイプのオムレツや、ふわふわ卵のオムレツなど調理方法はさまざまです。
しかし、基本的にはご飯を卵で包むというスタイルで、バラエティ自体はそう多くはありません。
定番メニューとして非常に人気のメニューとして需要は安定しています。
オムライス専門のお店として単体でも十分勝負できるメニューとして多くのお店がでており、今後も安定した需要が見込める事業だといえるでしょう。
フランチャイズのオムライス専門店の平均年収
では実際にオムライス専門店を開業した場合、どの程度の年収を得ることができるのでしょうか?
いくら需要が安定しているとはいえ、あまり収入を得ることができない事業であるなら経営しても意味はありません。
オムライス専門店をフランチャイズ経営した場合の年収について解説します。
(1)狭い店舗でも経営次第では年商2,000万円も夢ではない
フランチャイズを募集している企業が提示している収益モデルを見てみましょう。
広さは10坪程度の直営店経営と仮定します。
月間売上高 | 460万円程度 |
月間利益 | 140万円程度 |
利益率 | 30.4% |
年間利益 | 1,700万円程度 |
となっています。
利益率もそう低くはなく、非常に売り上げが高いことがわかります。
1店舗だけで1,700万円程度の利益が取れるので、企業努力次第では2,000万円の利益を上げても不思議ではありません。
更に複数店舗経営によりさらなる利益増も見込むことが可能です。
収益としては非常に良好だといえるでしょう。
(2)未経験者にも安心の研修制度
一つ心配な点は、未経験でオムライス専門店を開業する場合です。
オムライスは基本的に、ライスを卵で包む料理ですので、何度かこなすことできれいなオムライスを作ることができます。
そう難易度が高い料理ではありません。
未経験でも一定の作業をこなすことにより、お客様に提供できるようになるでしょう。
また、経営などについてもフランチャイズ企業の研修制度がしっかりしているところを選ぶことで、基礎から学ぶことが可能です、
つまり、未経験であっても十分飛び込むことができる事業だといえるでしょう。
オムライス専門店を開業する場合の初期費用やロイヤリティを知っておこう
フランチャイズ経営となると気になるのが初期費用やロイヤリティです。
フランチャイズに加盟すると、最初にフランチャイズ本部に支払う加盟店料や、フランチャイズ本部の看板や経営ノウハウを取得できる対価としてロイヤリティがかかります。
では、オムライス専門店をフランチャイズで開業する場合、どの程度の初期費用やロイヤリティがかかるのでしょうか?
コスト面について詳しく解説します。
(1)オムライス専門店を開業する初期費用は
フランチャイズを募集している本部のモデルケースを見てみましょう。
これによる加盟店の募集要件は以下のようになっています。
加盟店料 | 約100万円 |
保証金 | 約50万円 |
研修費 | 約30万円 |
開業支援費 | 約70万円 |
初期費用だけで約250万円程度の費用が初期費用としてかかることがわかります。
この金額に物件取得費や設備費などは含まれていません。
また、この初期費用は、フランチャイズ本部ごとに異なっています。
フランチャイズ本部を探す一つの目安として判断材料になるでしょう。
(2)フランチャイズに加盟するロイヤリティは?
次にフランチャイズに加盟するとかかってくるロイヤリティについて見てみましょう。
こちらも、フランチャイズに加盟するとかかってくるコストですが、先ほどと同様、フランチャイズを募集している本部のモデルケースは以下の通りです。
・ロイヤリティ・・・売り上げの4%(最低10万円)
これもフランチャイズ本部によって異なり、売り上げに一定割合を乗じたケースから、一定金額が定まっているものさまざまです。
フランチャイズによるオムライス専門店の開業手順
次にオムライス専門店を開業するにあたり、開業手順を見てみましょう。
各ステップに分けて解説します。
(1)ステップ1 フランチャイズ本部選択
どのフランチャイズに加盟するのかを選ぶのかといった点が、フランチャイズで事業を成功させるポイントの一つです。
フランチャイズを選ぶときは必ず複数の企業から話を聞き比較しましょう。
1社だけで選択してしまうと、適切な相場やサービスかどうかがわかりません。
フランチャイズの説明会や担当者からの直接聞き取りによって、フランチャイズの内容を把握することが可能です。
(2)ステップ2 フランチャイズの審査
申し込みをすると必ずフランチャイズに加盟できるわけではありません。
看板を提供するのですから一定の審査が必要となります。
加盟を断られる理由ははっきりといわれないことが多いのですが、資金計画が甘い、事業を行っても成功する可能性が低いなどの理由が挙げられるでしょう。
審査の結果、フランチャイズに加盟できるかどうかが決まります。
(3)ステップ3 物件取得 内装
審査に合格しフランチャイズの契約が締結すると、物件を取得します。
フランチャイズの審査中にあらかじめ、めぼしい物件を見つけておき、フランチャイズの審査が通るとすぐに申し込みから契約ができるとスムーズにオープンができるでしょう。
(4)ステップ4 開業
はれて開業となります。
ステップ1~ステップ3を2か月程度でクリアできると比較的早い開業といえるでしょう。
しかし、段取りが悪いとずるずると開業までの期間が延びてしまいます。
しっかりとスケジュール調整を行い早い開業を目指すことがポイントです。
必要な資格や技術
次にオムライス専門店を開業するにあたり、必要な技術や資格などについて解説します。
(1)資格は特に必要なく、研修により店舗経営を学べる
オムライスを作るのに必要な技術はや資格は特にありません。
数をこなし、慣れることでお客様への提供が可能です。
どちらかといえば、数多くのお客様をうまくさばくことができる段取りや準備などが大切といえます。
これらは、開業前にフランチャイズ本部の研修などで身に着けることができるでしょう。
また、経営についても研修などで学ぶことができます。
基本的に、未経験でも飛び込むことが可能な事業です。
(2)オムライス専門店 開業に必要な届け出
経営や調理の部分での資格は特に必要ありませんが、開業においてはいくつかの届け出が必要です。
開業に必要な届け出を表にまとめました。
個人の開業届 | 確定申告などに必要 |
飲食店営業許可 | 保健所に店舗完成の10日前までに提出 |
防火管理者選任届 | ガスの入力が350w以上使用する場合 |
労災や雇用保険の加入 | 従業員を雇用する場合に必要 |
最低でもこれらの届け出は必要です。
届け出を忘れると開業できないことになりますので、忘れずに届け出を行いましょう。
オムライス専門店を利用する顧客層
事業展開を行う場合、ターゲットを絞りそのターゲットに受け入れられるような店舗展開を行う必要があります。
フランチャイズの場合は、一定の顧客層をあらかじめ見込んだ経営スタイルをそのまま利用可能です。
ここからは、オムライス専門店のターゲットとなる顧客層について解説します。
(1)特に偏りがなく万人受けするのがオムライスの特徴
前述しましたが、オムライスは大正時代に発祥した、日本独特のメニューであり、多くの人に好まれているメニューです。
そのため、万人に受け入れられていますが、小さい子供さんには特に人気のメニューといえます。
子供さんが好むということは家族連れの顧客なども十分に見込める事業です。
凝りすぎたメニューにしてしまうと本来の持ち味が無くなってしまうかもしれません。
万人受けするメニューですので、特段顧客層を絞る必要はないといえるでしょう。
フランチャイズでオムライス専門店を開業するメリット
オムライス専門店の開業について年数から、コスト、資格などについて解説してきました。
フランチャイズ経営を前提とした解説でしたが、実際にフランチャイズ経営にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
ここからは、フランチャイズ経営のメリットについて見てみましょう。
(1)運営ノウハウがしっかりしている
運営ノウハウがしっかりしている点が挙げられます。
複数の店舗展開を行っているフランチャイズ本部は、さまざまな事例や対応方法を熟知しており、そのノウハウを利用できるのは大きなメリットです。
基本的には、運営ノウハウに沿って事業経営を行うと安定した売り上げが出せるような仕組みとなっています。
ノウハウの構築が、実は事業展開においては最も時間がかかり難解です。
フランチャイズに加盟することで、これらのノウハウを自由に使用できます。
(2)研修サポートが充実している
研修サポートが充実している点も大きなメリットでしょうか。
未経験で自主開業してしまうとさまざまなトラブルが起こる可能性が高くなります。
しかし、フランチャイズに加盟すると、研修制度が充実していますので、そこから経営のやり方や、仕入れ方法などのさまざまな点が学べるのです。
(3)独自メニューや仕入れ先の選定も自由なケースがある
基本的にフランチャイズとなると、仕入れ先からメニューの提供までほかの店と同等に画一的にしなければいけません。
しかし、近年はフランチャイズ経営とはいえ、独自メニューの提供や仕入れ先を選ぶことも可能なケースがあります。
すると、フランチャイズの経営ノウハウに自分なりのエッセンスを加えた店舗経営も可能です。
フランチャイズと自主独立のいい面ばかりを利用できる場合こともありますが、フランチャイズによって異なりますので、フランチャイズ選びの判断材料ともできるでしょう。
フランチャイズでオムライス専門店を開業する注意点・失敗を避けるコツ
次にフランチャイズを利用する場合の注意点についても見てみましょう。
注意点を把握することで心配を回避する手助けとなりますのでしっかりと理解しておきましょう。
(1)ロイヤリティがかかる
さまざまな運営ノウハウや、知名度、仕入れ先などを利用できる反面、ロイヤリティという形で毎月フランチャイズ本部へ支払わなければいけません。
基本的には売り上げに一定の割合をかけたものですので、売る上げが少ない時は少ない金額で済みます。
しかし、自主独立の場合だとかからない費用ですので、ロイヤリティも含めコストを十分に精査する必要があるでしょう。
(2)本部の不祥事が影響する場合がある
フランチャイズの場合、会社組織は異なりますが、同じ看板で同じメニューで経営しますので、本部や他店舗の不祥事が、自分の店舗に影響する可能性が非常に高いのです。
自分の店舗経営はうまくいっていても本部や他店舗の不祥事が悪影響を及ぼすケースがあります。
この場合は、普段から常連客や地域に密着することで、これらの被害を最小限に抑えることが可能です。
(3)メニューにアクセントがつけにくい
メニューに若干アクセントが付けにくい点が挙げられます。
万人受けするといったメリットがある分、変わり種のメニューはあまり好まれない傾向にあるでしょう。
王道メニューと並列でアクセントのあるメニューを提供するといった対策が必要かもしれません。
まとめ
今回は、オムライス専門店をフランチャイズ経営する場合の初期費用や開業手順、フランチャイズでオムライス専門店を開業するメリットや注意点について解説しました。
オムライス専門店のフランチャイズ加盟を検討する際は、複数の本部を比較検討するとよいでしょう。
未経験から始める場合は、研修制度が充実している本部を選ぶことをおすすめします。