フランチャイズの振袖(着物)専門店のメリットとデメリット・将来性や市場規模は?
2020年から猛威を振るうコロナウイルスショックによってさまざまなイベントが中止となりました。
成人式も同様で、振袖(着物)を着る機会も大幅に減っているのが近年の状況です。
しかし、あるフランチャイズ本部の振袖専門店はコロナ下においても着実に実績を上げており、振袖(着物)の需要は根強いものだといえます。
では、このような状況下でも実績を上げている企業がある振袖(着物)専門店をフランチャイズに加盟して開業しようとする場合、どの程度の収益を上げることができるのでしょうか?
また、コストや本部のサポートなどはどのようになるのでしょうか?
この記事では振袖(着物)専門店をフランチャイズに加盟して開業する場合について、メリットやデメリット、収益やコストなどについて詳しく解説します。
目次
振袖専門店業の将来性や市場規模は?
まず、振袖専門店を開業すると決めたとしてもどの程度の市場規模なのかをきちんと理解しておかなければいけません。
ここからは、振袖専門店の将来性や市場規模といった点について詳しく解説しましょう。
(1)2兆円規模の市場も今や2,600億円前後だが、減少は下げ止まり
振袖専門店は、他の企業とも似ていますがバブル期には大きくにぎわっていました。
一時は2兆円規模の市場まで膨らみましたが、その後景気の悪化とともに振袖の需要も減少。
残念ながら、現在では2,600億円程度の規模だといわれています。
しかし、成人式や結婚式といった一定層の需要は常にあるので、下げ止まりの状況といえるでしょう。
バブル期からこの間、振袖専門店も淘汰されており、フランチャイズにより振袖専門店を開業し、新たなビジネスチャンスをうかがう動きも出ています。
成人式など大きなイベントで一定数の需要があるというのが振袖業界のストロングポイントです。
ここの需要を更に高める動きをすることで更なる成長性も見込めるでしょう。
(2)縮小しきった市場だからこその新たなニーズの取り込み
縮小し切った市場において、新たに参入するのはリスクが高いと感じる人も多いのではないでしょうか?
しかし、縮小し切った市場だからこそ新たなニーズをつかめるチャンスだともいえます。
成人式のあり方もどんどん変化しており、「家族のための成人式」など成人式に参加しないニーズの発掘やITツールの活用など改善の余地が多いといえるでしょう。
まだまだ眠っている市場を掘り起こす余地は十分にあるといえます。
(3)男性の市場はいまだ未開拓で大きなニーズになりうる
成人式などを挙げても基本的に顧客層となるのは若い女性の層となり一定の購買層が限られているといえます。
男性層には全くの未開拓といっても良い分野でありました。
男性層に対し、着物に興味を持たせ振袖だけではなく男性の着物分野に対して進出できる可能性も含まれています。
このように振袖以外の分野にも進出することにより更なる需要拡大が見込めるのです。
フランチャイズによる振袖専門業の収益は?
振袖の需要はバブル期と比較すると落ち込みを見せているとはいえ、さまざまなニーズをこれから創りだすことが可能と解説しました。
では、実際にフランチャイズによって振袖専門店を開業する場合、どの程度の収益を上げることができるのでしょうか?
ここからは開業における収益面について解説します。
(1)6坪程度での開業でも6,000万円超の売り上げも可能
あるフランチャイズ本部が掲載している収益モデルを参考に見てみると、6坪のスペースで開業したとしても6,300万円程の年商を上げています。
5,500万円の振袖売り上げと写真の売り上げ800万円程度の内訳です。
成人式やウエディングなどのイベントにおいて必ず需要がある振袖ニーズを確実に取り込むことで収益を上げます。
紹介や口コミなども効果的に活用し、収益を安定させることが可能といえるでしょう。
(2)2店舗経営で売り上げ1億円超も夢ではない
振袖専門店は、購買エリアが決まっており一定の商圏内での顧客層を掴む必要があります。
つまり、商圏から離れてしまうエリアに新たな店舗を開業することにより、更なる収益を上げることが可能です。
1店舗目と同じ程度の収益を上げることができれば売り上げは1億円を超えることになります。
大きな収益をもたらすことができる業種です。
初期費用・ロイヤリティなどの費用
ここまでは、振袖専門店を開業した場合の収益面について解説しました。
次に気になるのは開業における初期費用やフランチャイズに加盟することによるかかるコストなどです。
では実際にフランチャイズに加盟して振袖専門店を開業する場合、初期費用はどの程度なのでしょうか?
また、フランチャイズに加盟するためにかかるコストにはどのようなものがあるのでしょうか?
振袖専門店を開業した場合のコスト面について解説します。
(1)開業における初期費用はどのくらいかかる
前述しましたが、振袖専門店は6坪程度で開業しても6,000万円超の売り上げを上げることが可能です。
つまり、店舗を構えたとしても6坪程度の広さがあれば十分開業ができるビジネスといえます。
あまり広い店舗を構える必要がありませんので、物件の取得費用もそう高額な費用が必要というわけではないのです。
さらに特別な設備が必要というわけではありませんので、設備設置費も安く抑えることができます。
物件の取得費は、エリアや広さによっても大きく異なりますので、それ以外の費用としては200万円以上もあれば開業は可能です。
比較的低資金で開業できる事業といえます。
(2)加盟店料やロイヤリティは?
フランチャイズに加盟することにより、自主独立よりも余計にコストがかかります。
加盟店料とはフランチャイズ本部に加盟する際に本部に支払う費用です。
加盟店料はフランチャイズ本部によって異なりますが、一般的には加盟店料が100万円前後といわれています。
その他に返金対象となる保証金が50万円前後必要です。
しかし、フランチャイズ本部によって加盟店料は異なり、なかには非常に加盟店料が安価な場合もあります。
また、ロイヤリティがかかる点も挙げられます。
ロイヤリティとは、フランチャイズ本部の看板や知名度を利用して開業する代わりに支払う使用料です。
ロイヤリティは、フランチャイズ本部によって異なりますので定額のロイヤリティの場合や売り上げの割合に応じたものなどがあります。
ロイヤリティもフランチャイズ本部によって異なりますので、ロイヤリティの大小による本部選びも効果的です。
フランチャイズによる加盟店へのサポートは何を行う?
振袖専門店をフランチャイズに加盟して開業する場合、フランチャイズ本部は開業前から開業後もさまざまなサポートを行います。
実際にフランチャイズに加盟した場合、どのようなサポートを行うのでしょうか?
ここからは、フランチャイズ本部のサポートについて解説します。
(1)オープニングスタッフへの無料研修
開業前にしっかりとオープニングスタッフへの研修を行います。
フランチャイズに加盟することで、本部の知名度や屋号が使用でき、更に経営スタイルも引き継いだうえで経営しなければいけません。
経営スタイルをきちんと理解した上で開業から運営を行うことができるようにしっかりとした研修を本部が行います。
(2)広告反響の高いDM
フランチャイズ本部は長年の実績や経験からそのノウハウを加盟店に提供しますが、広告反響の高いDMもそのうちのひとつです。
資金をあまりかけずに反響の高いDMを打つことで、利益率を上げることが可能です。
宣伝方法にはさまざまな方法がありますが、本部からのDM方法の提供は効果的なサポートといえるでしょう。
(3)本部スタッフによる定期的な巡回
振袖専門店を開業するオーナーのあなたは経営者ですので、運営についてさまざまな悩みを抱えるかもしれません。
このような心配事や悩み事の相談について本部スタッフが定期的に巡回し、相談やアドバイスなどを行います。
また、店舗運営において本部のスタッフが気付いた点などを共有できますので、経営において非常に心強い存在となるでしょう。
フランチャイズで振袖専門店を開業するメリット
振袖専門店を開業する場合、自主独立するのかフランチャイズに加盟するのかは、大きな選択肢のひとつです。
フランチャイズに加盟しての開業にはさまざまなメリットがあります。
ここからはフランチャイズに加盟するメリットについて解説しましょう。
(1)開業後、本部スタッフが巡回するので相談しやすい
前述しましたが、経営者ともなればさまざまな悩みや不安がのしかかります。
しかし、経営者の悩みとしてなかなか相談相手がいないといった点が挙げられるでしょう。
従業員とはそもそも立場が違いますので相談相手にはふさわしくありません。
そこで相談相手となるのが、本部スタッフです。
本部スタッフは、巡回しながら経営状況のチェックや相談に対する的確なアドバイスを行います。
経営状況や他の加盟店の事例などをよく理解している本部スタッフなら、絶好の相談相手となりますので大きなメリットといえるでしょう。
(2)在庫の購入をせずに事業ができるので低資金で開業できる
振袖専門店は、フランチャイズによっては在庫を抱える必要がありません。
加盟店が振袖を買い取って販売すると思う人も多いでしょうが、本部が一括管理していますので在庫を構える必要がないのです。
在庫ナシなので買い取る経費や在庫を保管する倉庫を構える必要が無いので、低資金で開業スタートできます。
これも大きなメリットといえるでしょう。
(3)副業でも、未経験でも開業のスタイルは多彩
フランチャイズに加盟しての開業は、経営スタイルが非常に多彩です。
副業からのスタートも可能ですし、未経験からでも開業ができます。
経営のスタイルが多彩なので、自分のライフスタイルに合った経営が可能です。
これもメリットとして挙げられます。
フランチャイズで振袖専門店を開業する問題点・失敗を避けるコツ
フランチャイズに加盟しての開業はメリットばかりではありません。
デメリットもあり、両方をしっかりと理解して、フランチャイズに加盟するか自主独立するかを選択しなければいけません。
ここからは、フランチャイズ開業における注意点について解説します。
(1)ロイヤリティや加盟店料がかかる
自主独立よりもコストがかかる点がデメリットといえます。
加盟店料やロイヤリティなどが余計にかかりますので自主独立のとき以上に収益を上げなければいけないのです。
損益分岐点が高くなる点が注意点となります。
(2)イベントの不振を取り戻しにくい
振袖業界の一大イベントといえばやはり成人式です。
成人式には一定の収益を上げなければいけません。
もし成人式での売り上げが不振であれば、なかなか悪化分を取り返すのが難しくなってしまいます。
ひとつのイベントが大きく影響する点も注意点といえるでしょう。
(3)オリジナル商品の販売は不可
フランチャイズに加盟しての経営は、基本的に本部の意向に沿った経営を行わなければいけません。
自分たち独自のオリジナル商品を販売することはできないのです。
本部が指定する商品以外を販売してしまうと契約違反となりかねません。
これも、フランチャイズに加盟する場合は把握しておかなければいけない注意点といえるでしょう。
まとめ
振袖専門店は振袖の需要がバブル期と比較すると大幅に落ちましたが下げ止まり感があり、開拓していないニーズを掘り起こすことで更なる成長性も見込めます。
比較的低資金で開業ができ、フランチャイズの加盟することで本部のさまざまなサポートを受けることが可能です。
フランチャイズに加盟して開業するか自主独立するかはそれぞれメリットやデメリットがあります。
この記事を参考にしっかりと双方を把握して、自分に合った方法を選びましょう。