フランチャイズでフィットネスジムを開業するのに資格は必要?開業方法や失敗を避けるコツを解説
近年は健康志向ブームや運動不足解消目的でフィットネスジムへ通う人は多く、フィットネスジムの需要が高まっているので、フランチャイズでフィットネスジムを開業したいと考える方も多いのではないでしょうか。
フィットネスジムは多様化し、さまざまな種類のジムがあります。
開業するのであればどのようなフィットネスジムにするのか考え、必要に応じた資格取得や開業準備を行わなければなりません。
ここでは、フィットネスジム開業で必要な資格やフランチャイズで開業する方法、メリットなどに触れながら解説します。
目次
フィットネスジム開業に資格や専門知識は必要か?
フィットネスジムを開業するにあたり、必ずしも資格が必要というわけではありません。
しかし、資格や専門知識を取得していると集客やサービス向上につながります。
フィットネスジム開業で経営の助けになるような資格や専門知識を解説します。
(1)資格
フィットネスジム開業に役立つ資格は、以下のの通りです。
①公認スポーツ指導者
公益財団法人日本スポーツ協会公認の資格で、認知度の高い資格といえます。
スポーツに関する技術はもちろん、科学的そして医学的なことを含め、適切なスポーツ指導を行う能力を有することを保証する資格です。
公認スポーツ指導者の資格には、スポーツ指導者基礎資格・フィットネス資格・マネジメント指導者資格・競技別指導者資格の5種類があるため、開業するフィットネスジムに役立ちそうな資格を取得しましょう。
②NSCA認定パーソナルトレーナー
アメリカ国内や国際的にも、信頼性の高い資格として認知されている資格で、パーソナルトレーナーを目指す場合に取得することが多いです。
一般的なトレーニングプログラムの指導はもちろん、コンディショニング全般の指導を行うことができるなど、優れた専門的能力を有することを認定する資格内容になります。
国際的な資格ですが、日本語で受験することができます。
③健康運動指導士
運動プログラムに関する内容はもちろん、運動と心の健康関係や運動障害など、健康に焦点が当てられた資格です。
シニア世代やダイエットや美容を目的とした顧客に対応する際に役立つ資格でしょう。
④ヨガインストラクター
ヨガはダイエットや健康増進、美容などを目的とした女性から支持されています。
激しい運動ではないのに身体への健康効果が期待できるため、近年ではシニア世代にも人気があります。
そもそもヨガは、ゆがんだ骨格や筋肉を正常に戻すことによって、身体を健康に導くという考え方です。
ヨガインストラクターの資格は、ポーズや呼吸法だけではなく、ヨガの歴史や哲学、瞑想、身体の構造を理解し安全に指導を行う方法など、さまざまな知識やスキルが必要になります。
(2)専門知識
フィットネスジムの開業では資格だけではなく、次のような専門知識があれば役立つでしょう。
①医学に関する専門知識
ダイエットや健康な身体づくりには運動だけではなく、食事やサプリメントなども併用することで効果を高めたいと考える顧客も多いです。
その際には、医学の知識があれば役立つでしょう。
顧客にプロテインや薬剤の相談を受けた際も、知識があれば適切なアドバイスを行うことができます。
②スマホのダイエットアプリ
ダイエット向けのスマホアプリは多数存在し、新しいアプリが次々に開発されています。
その日の運動内容や食事内容を記録するだけでなく、アプリ参加者によるダイエット情報交換をできるアプリなど、内容は多様です。
スマホのダイエットアプリについての知識があれば、顧客とのコミュニケーションに役立つだけでなく、アプリ内の情報交換で自身のフィットネスジムの話題が出れば、口コミの宣伝効果も期待できるでしょう。
③栄養に関する専門知識
ダイエットや身体体型作りは、健康的に進めることが大切です。
そのためには運動だけではなく、適切な食事と栄養摂取が重要になります。
フィットネスジムを開業すれば、パーソナルトレーナーとして顧客の食事管理やサポートを行うこともあるでしょう。
栄養に関する知識はフィットネスと密接したものになるため、必要な専門知識といえます。
フィットネスジムを開業した場合の収入
フィットネスジムを開業した場合、どれくらいの収入を得ることができるのか気になる方は多いでしょう。
ジムの規模やエリアによって売上は変動しますが、450~550万円が平均といわれています。
安定した経営を行い、規模を拡大すれば、年収1,000万円以上になるケースも珍しくありません。
フィットネスジムの売上は顧客の月会費や利用料が8割近くを占め、残りがジムで販売するグッズなどになります。
フィットネスジムはフランチャイズで開業できるため、フランチャイズで開業すれば個人で開業するよりも集客しやすくなり、高年収も狙いやすくなるでしょう。
フランチャイズで開業する場合の初期費用とロイヤリティ
フィットネスジムはフランチャイズに加盟して開業することが可能です。
フランチャイズで開業する場合の初期費用とロイヤリティの目安について紹介します。
(1)初期費用
フィットネスジムを開業するための資金の目安は、300~2,000万円です。
費用目安の幅が大きいですが、フィットネスジムの規模によって費用は大幅に変わります。
小規模であれば300~500万円程度で開業できますが、大規模店舗のケースでは500~3,000万円ほどかかるでしょう。
初期費用に含まれる費用は、以下の通りです。
【初期費用内訳】
- 加盟金や保証費
- 物件取得費
- マシンなど、機器調達費
- シャワー設備などの内装費など
フランチャイズで開業するのであれば加盟金が必要になりますが、加盟金の費用目安は100万~400万円です。
(2)ロイヤリティ
ロイヤリティとは、毎月本部に支払う費用です。
本部の商標やノウハウの使用料といえます。
ロイヤリティには変動制と固定制の2種類があり、変動制は売上の〇%支払うものです。
フィットネスジムのフランチャイズのロイヤリティの費用目安は、以下の通りです。
- 変動制:5%程度
- 固定制:75,000~300,000円程度
本部によってはロイヤリティがゼロのところもあれば、システム利用料や広告分担金がかかる本部もあります。
フランチャイズでフィットネスジムを開業する手順
フランチャイズでフィットネスジムを開業するには、まず加盟するための本部探しから始めなければなりません。
フランチャイズでフィットネスジムを開業する手順を解説します
(1)情報収集
フィットネスジムのフランチャイズは多数あるため、まずは情報収集を行います。
自分が興味や関心のあるフィットネスジム形態の本部の資料請求を行い、問い合わせをして説明会などに参加しましょう。
実際の開業者のフィットネスクラブに視察へ行き、開業後の雰囲気や運営状況を見学することも大切です。
(2)打ち合わせ
加盟を希望する本部が決まれば、本部と打ち合わせを行います。
話し合うべき内容は、以下の通りです。
- フィットネスクラブ運営方針
- 準備可能な自己資金
- 開業時期
- 収益など
疑問や不安に思うことは、打ち合わせにてしっかり話を聞いておきましょう。
(3)契約手続き
加盟が決まれば、契約手続きを行います。
契約書内容は非常に長いものになりますが、あとからトラブルにならないようにしっかり確認しましょう。
契約書内容の確認が難しい場合は、弁護士に依頼することも可能です。
契約に合意すれば、加盟金を支払い、開業に向けた準備へ進みます。
(4)開業準備
物件取得や道具搬入など、具体的な物理的準備段階です。
最初から従業員を雇用するケースでは、この段階で従業員の段取りもあります。
道具については、費用加盟者負担で本部調達のところもあります。
また、開業にあたって必要な資格や知識を身に付けることも大切です。
また、法律を確認する必要がある職種もあります。
以下の資格や法律の確認についても開業までに準備しておきましょう。
① 加圧インストラクター
加圧は、血流をコントロールしてトレーニングする方法です。
軽い負荷で、通常以上の効果を見込めます。
加圧トレーニングを施術するには、加圧インストラクターの資格が必要です。
② 食品衛生法
フィットネスでプロテインや栄養食など食品を扱う場合は、食品衛生法に基づく営業許可の取得が必要です。
保健所への申請や、食品衛生責任者の講習受講によって取得できます。
③ 公衆浴場法
シャワーやサウナ設備を設ける時には、念の為の確認すべきでしょう。
(5)研修
本部によっては、トレーニング方法や店舗運営などに関して、研修を実施するところもあります。
研修は数日間で終わることもあれば、数カ月間給与を得ながら働く実地研修を行うケースもあります。
(6)開業
(1)~(5)の段取りを経て、遂に開業です。
短くて4か月程度で開業可能な本部もあります。
フィットネスジムの業態
フィットネスジムの業態には、さまざまなものがあります。
自分の興味や希望に合う業態を探し、その業態のフランチャイズ本部を探しましょう。
(1)24時間フィットネスジム
24時間無休のタイプのフィットネスジムは、需要が高まっており、全国のあちこちで見かけるようになりました。
「早朝出勤前に行きたい」「仕事が終わるのが遅いけど、仕事の後に行きたい」など、さまざまな利用者のライフスタイルに合わせることが可能です。
夜間や真夜中の管理に関しては、専用セキュリティキーや警備会社の緊急呼出ボタンがあり、セキュリティ面は万全な体制が整備されています。
近年では無人営業のフィットネスジムもあり、24時間営業でも人件費を削減できます。
24時間フィットネスジムには、次のようなフランチャイズ本部があります。
(2)コンビニジム
コンビニジムは、短時間だけでも気軽に利用できるフィットネスジムです。
スキマ時間を活用したい人や、長時間のトレーニングが苦手な人向けのタイプになります。
コンビニ感覚で利用しやすく、短時間だけでも運動できる点が利用者にとっての魅力です。
コンビニジムには、次のようなフランチャイズ本部があります。
【Attivo Gym(アッティーボジム)】株式会社ジーズニューコンセプト
(3)パーソナルジム
完全マンツーマン対応形式の、フィットネスジムです。
完全予約制で利用することができ、顧客一人ひとりに合ったトレーニングメニューや食事管理を行います。
一般的なフィットネスクラブと比較して、利用料金が高い傾向にあります。
その一方で、高品質な対応を短時間で受けられるため、利用者は短期間かつ高い可能性で目標を達成できる傾向にあります。
パーソナルジムには、次のようなフランチャイズ本部があります。
【CALORIE TRADE JAPAN】株式会社EVANESS
(4)ヘルスケアを目的としたジム
健康寿命延伸やリハビリなどヘルスケアを目的としたジムです。
高齢者向けに運動をサポートすることもあれば、アスリートのリハビリや身体作りに向けたメニュー作りなどを行なうことがあります。
ヘルスケアを目的としたジムは幅広い層を獲得しやすく、高齢化が進む中で更なる成長が期待できます。
ヘルスケアを目的としたジムには、次のようなフランチャイズ本部があります。
(5)キックボクササイズジム
キックボクササイズは、キックボクシングを取り入れたエクササイズです。
全身運動なので有酸素運動と無酸素運動を同時に行うことができ、ダイエットやストレス解消などさまざまな効果を得られます。
近年では男性だけではなく女性もキックボクササイズを行う人が多く、人気が高まっています。
キックボクササイズジムには、次のようなフランチャイズ本部があります。
【9ROUND】株式会社Japan Wellness Innovation
フランチャイズでフィットネスジムをによる開業するメリット
フィットネスジムを開業する方法は、「独自で開業する」もしくは「フランチャイズに加盟して開業する」という2種類の方法になります。
フランチャイズで開業する場合、次のようなメリットがあります想定できます。
(1)マシンなどの情報提供やレンタル
フィットネス経営には、最新鋭の道具や筋トレ器具などは必要になります。
フランチャイズでは道具に関する情報提供はもちろん、自身のみの経営では入手できないような道具も、入手できる可能性があります。
しかし、フィットネスジムで使用するマシンは高額になるため、個人での購入は予算的に厳しいことも多いでしょう。
フランチャイズであれば本部によってはマシンをリースしてくれるため、費用負担を軽減できます。
プロテインなどの商材も大量入荷により、割引販売などが可能になることがあります。
(2)副業も可能
フランチャイズは副業で行うケースも多いです。
なぜならば、運営マニュアルなどは本部によって決められているため、従業員を雇用すればオーナーは店頭に立たずに運営することが可能です。
パーソナルジムであればオーナー自身の顧客が来店する際のみに出勤すれば良いですし、無人営業のフィットネスジムならば基本的に店舗に立つ必要はありません。
軌道に乗るまでは副業として小規模経営を行い、安定してから事業を拡大して本業にするケースも少なくありません。
(3)屋号を使える
ビジネス一般にいえることですが、屋号のブランド力は非常に大きな影響を与えます。
有名な屋号は認知度が高く、顧客からの信頼度も高いです。
そのため、開業当初から集客を期待できます。
(4)ノウハウの提供
仮にフィットネストレーナーとしての経験はあったとしても、経営経験がなければ開業や運営のノウハウはわからないでしょう。
また、フィットネスジム業界は全くの未経験という人もいるかもしれません。
フランチャイズならば開業段取りから集客方法、節税策など、多様な業務内容のサポートを受けられます。
開業前の研修のある本部ならば、未経験でも実際に働いて経験を積んでから開業することが可能です。
フィットネスジム開業で失敗を避けるコツ
フィットネスジムを開業するのであれば、失敗を避けたいと考えるものです。
開業後に後悔しないために、失敗を避けるコツを知っておきましょう。
(1)立地選択は慎重にする
フィットネスジムは基本的に顧客が来店するタイプの業種なので、立地選定は非常に重要です。
立地選びで失敗すれば、集客に苦戦することになります。
そのため、立地選択は慎重に行うべきです。
仮に良い物件が見つかってもすぐには決めずに、周辺に競合店が開業しそうなところはないかの分析しましょう。
検討しているエリアでのフィットネスジム需要を市場調査することも大切です。
また、居抜き物件を見つけられれば、初期費用節約にもつながる可能性があります。
(2)人材確保をする
フィットネスジム運営と繁盛には、人材確保も関係しています。
無人のフィットネスジムでは雇用は不要ですが、それ以外のジムではトレーナーなどの人材が必要になります。
次のような特徴の人材が、フィットネスクラブ業務に向いているでしょう。
- 接客が好きで、お客様とのコミュニケーションをスムーズにできる
- 道具の使い方やトレーニング方法を、学ぶ姿勢がある
- パソコン作業が苦手でない
- 丁寧な履歴書や職務経歴書で応募してくる
しかし、人材の見極めと確保は、容易ではありません。
採用や人材育成業務が不慣れな間は、本部に相談することをおすすめします。
(3)資金にはゆとりを持たす
ビジネス一般にいえることですが、経営維持のためにはある程度の資金が必要です。
資金にゆとりを持って開業すれば、サービス内容そのものの改良や人材育成に、着実に取り組めるため、売上を伸ばすことにつながります。
反対に、資金にゆとりを欠くと、足元が安定しない経営状況になりがちです。
自己資金だけでは不安な場合は、融資や雇用に関する助成金などの活用も検討しましょう。
商用利用が可能なマンションの一室からの開業ができれば、開業資金を抑えることにもつながります。
(4)近隣迷惑対策
フィットネスジムで集団の顧客が同時に利用するケースでは、大きな音や揺れが近隣迷惑になる可能性があるので注意が必要です。
クレームがくると、運営に支障が生じる可能性もあります。
音や揺れを意識した立地選定やはもちろん、内装工事の際の防音意識も重要です。
(5)じっくり検討してから契約する
フランチャイズ契約をする際の契約書の内容や契約に至る経緯はとても重要なもポイントです。
契約に至る経緯から、言葉に表れない意図や本部の戦略が読み取れることもあるでしょう。
また、契約書は膨大な量になりますし、難しい言葉も多いので読解に時間を要します。
可能であればフィットネスクラブ経営経験者や、士業者にも相談しながら契約を進めることをおすすめします。
まとめ
フランチャイズでフィットネスジムを開業する方法やポイントを解説してきました。
フィットネスクラブは、健康体や希望する体型実現はもちろん、人を喜ばせることで社会貢献にもなります。
高度なトレーニング技術習得と本部の力も借りて、繁盛するフィットネスクラブ創造の成功率を高めてください。