フランチャイズによるコーヒースタンド開業の流れ・本部のサポートは?
近年大手コーヒーショップが増加しており、さらにコンビニなどでもドリップマシンでコーヒーを販売しています。
コーヒーは、日常生活の中でも気軽に楽しめる飲料といえるでしょう。
コーヒー市場はすでに飽和状態ではないかと感じる人も多いと思いますが、これからコーヒー市場で開業するのは難しいのでしょうか?
大手コーヒーチェーンやコンビニコーヒーとは一味違ったコーヒーを提供することでまだまだニーズを取り込むことは可能です。
コーヒースタンドでの開業は狭い坪数でも美味しいコーヒーを提供し、コストを抑えた起業で収益が見込めます。
フランチャイズによるコーヒースタンドでの開業は狙い目の分野といえるでしょう。
この記事では、コーヒースタンドをフランチャイズにより開業する場合の収益性や開業の流れなどについて詳しく解説します。
目次
コースースタンドをフランチャイズで開業するメリットは?
前述しましたが、コーヒー市場はすでに多くの企業が参入しており、コーヒースタンドとはいえ、開業してもすでに市場は飽和して、需要は少ないと考えている人も多いのではないでしょうか?
ここからはコーヒー市場の動向や、コーヒースタンドの特徴などについて解説します。
(1)コーヒーの市場は増加傾向にあり、市場の成長は今後も見込める
2010年から2020年までのコーヒー国内消費を表にまとめました。
年数 | 国内消費(トン) |
2010年 | 431,217 |
2011年 | 420,932 |
2012年 | 428,068 |
2013年 | 446,392 |
2014年 | 449,908 |
2015年 | 461,892 |
2016年 | 472,535 |
2017年 | 464,686 |
2018年 | 470,213 |
2019年 | 452,903 |
2020年 | 430,719 |
引用:全日本コーヒー協会「日本のコーヒー需給表」
順調に市場が伸びていることがわかります。
2019年と2020年の需給が落ちているのは、コロナ禍によるものが大きな要因ですので、今後も成長性に期待できる市場ということが国内消費の伸びを見てもわかるでしょう。
特に多いのが自宅で美味しいコーヒーを楽しみたいというニーズです。
家庭用コーヒーメーカーやコーヒー器具の市場は5年間で1.7倍もの伸びを示しています。
コーヒースタンドで淹れたコーヒーは、テイクアウトが主流の場合、自宅で楽しみたいニーズにマッチしています。
市場性やニーズから考えてもコーヒースタンド開業は、これからも成長が見込める事業といえるでしょう。
(2)大きな店舗を構える必要がなく1坪でも開業が可能
コーヒースタンドの開業は、最低面積1坪からでも美味しいコーヒーをテイクアウトで提供することができます。
もちろんお客様がその場所で楽しんでもらえるようにコーヒーショップ形式で提供することも可能です。
自分たちのプランや予算に合わせて柔軟に開業することができますので非常に自由度が高い点が挙げられます。
コーヒー豆もフランチャイズ本部が厳選した数種類の美味しいコーヒー豆を仕入れることができますので、仕入れに心配することがありません。
コーヒースタンド開業はテイクアウト専門でもコーヒーショップ形式でも可能な自由度が高い業種といえるでしょう。
(3)既存店舗に併設してオプション的な役割を持たせることができる
1坪からでも開業できる自由性の高さは、併設展開できるというメリットも生み出します。
例えばパン屋さんでパンと一緒にコーヒーを提供することができます。
また、余らせている場所を有効活用するのにも優れており、事業を行っている店舗の活用していないスペースでコーヒーを提供することも可能です。
コーヒー機器を設置する場所だけあれば開業が可能ですので、併設として活用もできます。
(4)オペレーションの比較的簡単で未経験からでも開業が可能
フランチャイズに加盟することにより、未経験からでも開業が可能です。
まず、コーヒーマシンの操作性を覚えると誰でも美味しいコーヒーを提供することができます。
操作自体もそう難しいことはなく、一定期間の研修によりほとんどの人がマスターすることができるでしょう。
本部のスタッフが丁寧に機器の操作方法をレクチャーし、万が一の故障などにおいても、本部と提携した業者が対応します。
フランチャイズによる研修によって未経験からでも開業することが可能です。
フランチャイズによるコーヒースタンド開業の収益は?
コーヒースタンド開業は、事業の自由度が高く未経験でも開業が可能と前述しました。
では実際にコーヒースタンドを開業した場合、どの程度の収益を得ることができるのでしょうか?
ここからは、コーヒースタンド開業の収益性について解説します。
(1)スモールスタートが可能で、損益分岐点が低い
コーヒースタンドは自分の事業規模に合わせて開業することができるので、無理な融資を組むことなく開業することも可能です。
1坪からでも開業できますので、損益分岐点が非常に低い状況で開業することができます。
1坪だと固定費も大きくはありません。
売り上げが上がらない場合でも、赤字になりにくい状況での開業が可能といえます。
(2)収益のモデルケース
実際の収益モデルケースを、フランチャイズ本部が掲載しているモデルケースから見てみましょう。
売上高(月間) | 90万円(1杯600円×50杯×30日) |
材料費 | 30万円 |
水道光熱費 | 3万円 |
宣伝広告費 | 5万円 |
雑費 | 3万円 |
純利益 |
49万円 |
利益率も高く、あなた自身が店頭に立たず、従業員一人に任せておいても十分収益を得ることができます。
あなた自身は、店舗管理を行い従業員に販売を任せることで、複数店舗経営により収益を大幅に上げることも実現可能です。
コーヒースタンドをフランチャイズで開業する初期費用やロイヤリティ
収益がわかると次に気になるのが開業に必要な資金です。
予算に合わせた開業が可能とはいえ、初期費用はやはり気になります。
またフランチャイズに加盟しての開業となると、加盟店料やロイヤリティも把握しておく必要があるでしょう。
ここからは、コーヒースタンド開業におけるコスト面について解説します。
(1)開業における初期費用はどのくらいかかる
コーヒースタンドでの開業は店舗を構える必要はありますが、1坪からでも開業が可能ですので物件取得費があまりかかりません。
必要なコストとしては
- 物件取得費
- 機器導入費
- 設計工事費
- 研修費
- 消耗品購入費
などが挙げられます。
物件取得費は広さや立地によって大きく異なりますので一概に費用は出せません。
物件取得費を除く、開業資金は最低230万円程度からでも開業が可能です。
フランチャイズによる開業の中でも、店舗を構える事業の中では非常にコストを抑えて開業することができます。
(2)加盟店料やロイヤリティは?
フランチャイズに加盟して開業する場合、自主開業では必要のないコストが必要になります。
加盟店料は、フランチャイズに加盟するための入会金、ロイヤリティとは本部のオペレーションや看板を利用する使用料と考えておけばいいでしょう。
コーヒースタンドのフランチャイズ募集を見てみると、加盟店料やロイヤリティは発生しない本部などがあります。
加盟店料やロイヤリティはフランチャイズ本部によって異なりますので、コスト面から比較してはいかがでしょうか?
コーヒースタンドをフランチャイズで開業における本部のサポート
フランチャイズに加盟して開業することにより、前述した研修による未経験でも開業可能になるなどいくつかのサポートを受けて開業、経営することが可能です。
では、その他にフランチャイズによるサポートはどのようなものがあるのでしょうか?
フランチャイズ開業における本部の代表的なサポートについて解説します。
(1)店舗設計や区画設計のアドバイス
店舗設計や区画設計のアドバイスを受けることができます。
フランチャイズに加盟する場合、フランチャイズのブランドイメージに合わせた店舗デザインにしなければいけません。
本部では加盟店に店舗設計や区画設計において、ブランドイメージを損なわないデザイン設計をサポートします。
(2)営業許可申請のサポート
コーヒースタンド開業は、いくつかの営業許可申請が必要になります。
また提供するメニューなどにより申請先が異なることになるので、やや複雑です。
本部は、開業する事業形態に合わせた営業許可申請のサポートを行います。
営業許可申請が上手くできず、オープンが遅れるケースなどがありますが、本部がしっかりと営業許可申請のサポートを行いますので安心です。
(3)設備や備品購入サポート
フランチャイズ本部は設備や備品購入のサポートを行いますので、本部のオペレーションがそのまま活用できます。
設備や備品も本部からのサポートにより、通常購入よりも低コストで購入することも可能です。
(4)マニュアルの提供
フランチャイズに加盟するメリットは、成功した本部のノウハウや知名度が利用できる点です。
加盟店は本部の成功ノウハウを使って経営することができますので、開業当初から安定した経営となる可能性が高くなります。
成功したポイントや経営方針をまとめたものがマニュアルですが、加盟店にはマニュアルが提供されます。
経営ノウハウをマニュアルによって取得することが可能です。
(5)メニューの提供
コーヒースタンドにおいてはお客様の好みに合ったメニュー提供も欠かせません。
コーヒーにはたくさんの種類があり、どのコーヒー豆を提供するのかといった点も自主経営においては悩みどころです。
フランチャイズでは、メニューも提供します。
多くのフランチャイズ加盟店からの情報などを基に売れ筋のコーヒーを提供できる点も本部のサポートといえるでしょう。
(6)スタッフの研修
フランチャイズ本部の知名度を利用して開業ができますが、本部としては加盟店がいい加減な経営をしてしまうと悪評により本部にも悪影響となってしまいます。
そのため加盟店にはスタッフ研修を行い、看板を汚さないようにサポートを行います。
スタッフの研修により開業当初から教育されたスタッフでのサービス提供が可能です。
(7)メディア掲載保証
本部によって異なりますが、なかには開業後メディア掲載保証をサポートしている本部もあります。
メディアに掲載してもらうことにより、大きな宣伝効果が見込めることになりますので非常に大きなサポートです。
メディアとの関係性が深い本部だとメディアの掲載サポートなども充実していますので、このようなサポートの有無を本部の比較としてもいいでしょう。
コーヒースタンドを開業するまでの流れは?
コーヒースタンド開業はフランチャイズ本部の決定から開業までいくつかの手順を踏まなければいけません。
手順を理解してスケジュールを組むことで、余計な労力を必要とせずスムーズな開業ができます。
ここからは、開業までの流れについて解説しましょう。
(1)本部決定とフランチャイズ契約
まずは、加盟するフランチャイズ本部の決定です。
本部によってかかるコストやサービス内容は異なります。
いくつかの本部から比較分析して自分のコンセプトや理想に合った本部選びが重要です。
(2)コンセプトや顧客層を想定した店舗選び
自分の経営したいコーヒースタンドのコンセプトや想定される顧客層から店舗を選ばなければいけません。
本部によっては空き物件などを紹介してくれる場合もあります。
予算との兼ね合いもありますので、本部とよく話し合った店舗選びが重要です。
(3)店舗の決定
店舗を決め、契約を締結します。
契約の際に、物件の取得費用が必要となりますので準備が必要です。
賃貸か購入か、立地における家賃の違いや広さなどで初期費用は異なります。
(4)設備、備品の設置
設備や備品の購入や設置です。
設備や備品は、本部からのサポートにより購入するケースが多いでしょう。
スタッフが設備になれる必要もありますので、オープン前の研修なども考えて導入する時期を決定しなければいけません。
(5)必要な営業申請
営業申請が必要です。
主な申請としては「食品衛生責任者」がありますが、その他にもフードやスイーツの提供も加えるか、コーヒーだけの提供かによって異なる申請が必要です。
また開業するエリアの自治体でも申請条件が異なりますので、本部のサポートをしっかりと受けて、早めの申請をこころがけましょう。
(6)研修やトレーニング
いよいよオープンに向けて研修やトレーニングを行い、オープン当初から満足度の高いサービスを提供しなければいけません。
機器の操作方法や、お客対応などの研修が行われます。
オープン時にいる社員やアルバイト全員で研修を行い、方向性を共有することが目的でもあります。
数日の研修で基本的な接客や操作をマスターしなければいけません。
(7)開業
晴れて開業です。
速めの黒字化や安定経営を目指しましょう。
まとめ
多くのコーヒーチェーンや、コンビニコーヒーなどが販売されていますが、まだまだ市場規模の伸びが期待できます。
コーヒースタンド開業は、1坪からでも開業できるので併設店舗経営やテイクアウト専門など自由な経営が可能です。
コストもあまりかかりませんし、フランチャイズによくある加盟店料やロイヤリティが必要ではない本部などもあります。
自分のコンセプトに合い、サービスがマッチしたフランチャイズ本部選びがポイントといえるでしょう。