フランチャイズでベビーシッターを行う際の初期費用やロイヤリティを解説
女性の積極的な社会進出が叫ばれる中、働きたくても働きに出ることができない女性の最も大きな要因が、保育所や託児所の不足で子供を預けられないことです。
保育所へ入ることができるのに定員オーバーで入ることができないのを待機児童といいますが、各自治体とも待機児童問題をなかなか解消できていません。
そこで、注目されるのがベビーシッターです。
働きたくても働けないお母さんへの大きなサポートを提供しています。
では、このベビーシッター業をフランチャイズに加盟して開業しようとした場合、需要は高いのでしょうか?
また、フランチャイズに加盟してベビーシッター業を開業するにおいて、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
ベビーシッター業のフランチャイズ展開について解説します。
目次
ベビーシッター業の将来性について
フランチャイズ展開を検討する場合、まずは現状分析や将来性分析を行わなければいけません。
ベビーシッター業の現在の需要や将来性などについて解説します。
(1)保育施設の不足は慢性化 需要は高い
保育施設の不足は慢性化しており働きたくとも働けないお母さんの現状はなかなか改善されません。
特に人口が集中している都心部にその傾向は強く、都心部における保育所の開業は、近隣住人の理解を得るのが難しいため待機児童問題が解決しません。
そこで、求められるのがベビーシッターです。
自宅に訪問してお世話するタイプや、マンションなどに一定数を集めてお世話をするタイプなどいくつかのスタイルがあります。
不定期に依頼することもできますので、非常に便利で多くの需要があり、今後の需要も堅調といえるでしょう。
(2)少子化だが共働き世帯が増えることで需要が伸びていく
今後は少子化で子供は減っていくからベビーシッター業も先細りではないかと考える人も多いのではないでしょうか?
確かに、今後子供世帯は減少傾向にあります。
しかし、共働き世帯の増加や前述した女性の社会進出により、子供が減るにも関わらず、ベビーシッターの需要は大きく高まるといえるでしょう。
更に、ベビーシッターがもっと社会に定着すると、仕事を持ったお母さんの不安も大きく解消され、少子化防止にもつながります。
社会的にも非常に有益な仕事といえるのです。
フランチャイズによるベビーシッター業はどれくらい稼げる?
少子化などのマイナス面を上回る要望や需要により、今後も安定した経営が見込めることを述べました。
では、実際にベビーシッター業を開業した場合、どの程度の収入が見込めるのでしょうか?
ベビーシッター業の売り上げについて解説します。
(1)時間給2,000円前後、集める人数がカギになる
一般家庭に浸透させるためにはそう大きな費用をかけることができません。
一般的には時給2,000円程度で子供さんを預かっている企業が多いようです。
売上を上げるためには、多くの人を顧客とする必要があります。
モデルケースとしては、営業利益1,000万円程度の想定となっており、複数店舗展開により年収アップにも期待が持てる事業といえるでしょう。
フランチャイズでベビーシッターを行う際の初期費用やロイヤリティ
フランチャイズでベビーシッター業をビジネス展開する場合、一事業所を開業する費用はどの程度かかるのでしょうか?
また、フランチャイズ経営する場合、気になるのはロイヤリティです。
ロイヤリティがどの程度必要かといった点も前もって把握しておく必要があります。
ここからは、ベビーシッターを開業した場合、初期費用やロイヤリティといったコストについて解説します。
(1)ベビーシッターを開業するための初期費用
ベビーシッター業は大きく2つのパターンに分類できます。
- 直接自宅に出向き、世話をする派遣型ベビーシッター
- マンションなどの1室で世話をする店舗型ベビーシッター
ここでは、コストが高い店舗型について初期費用を算出します。
店舗型の場合、物件の取得にコストをかけなければいけません。
あわせて、店舗型も派遣型も発生するのが加盟店料。
加盟店料とは、加入時にフランチャイズ企業に支払う手数料としての位置づけです。
加盟店料はフランチャイズ企業によって大きく異なります。
なので、一概には言えませんが、一般的には200万円~300万円といった費用帯が多いようです。
加盟店料も含む大まかな初期費用は700万円前後といったところでしょう。
しかし、物件はエリアや広さによって変わりますので、物件の取得費に関しては大きく異なる場合があります。
(2)フランチャイズ加盟時のロイヤリティ
ロイヤリティとは、フランチャイズ企業のノウハウや知名度などを利用できる代わりに毎月支払う使用料といったものと考えればいいでしょう。
ロイヤリティもフランチャイズ企業ごとに異なる点や、ロイヤリティは安いけど別途研修費用がかかるなど形態がさまざまなので、一概には言えません。
ある企業のベビーシッター業におけるロイヤリティは売り上げの10%程度となっています。
一般的には10%前後のロイヤリティがかかるといえるでしょう。
フランチャイズによるベビーシッターの開業手順
フランチャイズに加盟してベビーシッター業を行う場合、どのような手順を踏めばスムーズに開業できるのでしょうか?
ここからはベビーシッターを開業する場合の手順について解説します。
まずは、どこのフランチャイズに加盟するかを決定しなければいけません。
検討する場合は、必ず複数社から選択して判断することをおすすめします。
というのも、1社だけだと加盟店料やロイヤリティが高いか安いかがわからないからです。
開業する場合は、当然ですが条件が有利なところを選ぶことやサービス内容の比較をしなければいけません。
担当者との打ち合わせや説明会に参加することで、しっかりと内情を掴みます。
しかし、1社だけだと比較するものがありません。複数の比較や検討をして、本当に自分に合った企業を選択しましょう。
次にフランチャイズ企業と契約を締結しますが、その前に審査があるケースが多いです。
フランチャイズ企業も、事業計画の練り具合や、その人の人柄などを判断し、パートナーになりえる人物かどうかを判断します。
審査が通ると、フランチャイズ契約を締結し次の段階に進むことができるのです。
フランチャイズ企業が決まると、物件の取得に入ります。
フランチャイズ企業の審査中に、あらかじめめぼしい物件に目を付け、費用の計算などを前もって行っておくとスムーズに進むことができるでしょう。
物件の取得が終わり、内装などを行うと、いよいよ開業です。
開業前にはHPの作成や広告など、周りに認知させる作業も同時に行います。
フランチャイズの決定から開業までおよそ1ヶ月~1ヶ月半の範囲での開業を目指しましょう。
ベビーシッターの資格や技術は何が必要?
ベビーシッターを開業するにあたり、持っておくと便利な資格などはあるのでしょうか?
そもそもその前に開業に必要な資格などはあるのでしょうか?
もし開業するのに必要な資格があるのであれば、自分が取得するか資格者を採用しなければいけません。
ここからは、開業や経営における必要な資格について解説します。
(1)資格は特に必要ないが民間資格など積極的に取得しよう
何かの資格を持っていなければ開業できないというわけではありません。
未経験からでも開業できる点が、ベビーシッター業の特徴ともいえるのです。
しかし、子供を預ける親の立場からすると何か資格がある人がお世話してくれる方が安心と思うでしょう。
ベビーシッターの資格は公的なものではありませんが、民間資格として社団法人全国保育サービス協会が実施している「ベビーシッター資格認定試験」などがあります。
これらの資格を取得しているとお客様の信頼も強くなり仕事もやりやすくなるでしょう。
他にもいくつかの資格があります。
このような資格取得にチャレンジし、どんどんベビーシッターとしてのスキルを高めましょう。
ベビーシッターに向いているのは?
ベビーシッターは、子供を預かり、世話をするとても大切な役割を持っています。
しかし、ベビーシッターにも適性がありますので、誰でもがつとまる仕事というわけでもありません。
ではどのような人がベビーシッターに向いているのでしょうか?
一番に挙げられるのは、やはり子供が好きという人でしょう。
子供のことを心底好きでお世話したいと考える人は天職ともいえる仕事です。
また、親御さんたちともきちんとコミュニケーションが取れる能力が高いことも大切なポイントといえます。
親御さんの不信を買ってしまうと子供のお世話が満足にできない、良かれと思って行ったことも悪意に取られてしまう場合もあるのです。
総じていえることは、人と接することが好きという人ならばベビーシッターに向いているといえます。
フランチャイズでベビーシッターを開業するメリットやストロングポイント
ここまでは、ベビーシッター業を行場合のモデル売り上げや初期費用といった点にスポットを当てました。
ここで悩む点が自主独立した方がいいのか、フランチャイズとして経営した方がいいのかといった点です。
フランチャイズに加盟することでさまざまなメリットを受けて開業することが可能です。
ここからは、フランチャイズに加盟することのメリットについて解説します。
(1)運営ノウハウがしっかりしている
ベビーシッター業未経験や経験が浅いといった場合には、フランチャイズに加盟することをおすすめします。
なぜなら運営ノウハウがしっかりと構築されているからです。
開業するにあたり、さまざまな問題や悩みが出てきますが経験が浅いとそのたびに戸惑い、落胆するといったこともあるでしょう。
フランチャイズではさまざまなノウハウを持った企業がサポートしてくれますので、困ったときはフランチャイズ企業に相談し、ともに解決する方向性を歩むことができます。
このように運営ノウハウがしっかりしている点が大きなメリットの一つです。
(2)研修サポートが充実している
ベビーシッター業は預かる子供が増えてくると、他のベビーシッターを雇わなければいけません。
しかし、自分の経験が浅い場合だと新しいベビーシッターに対する教育が不十分な場合がります。
このような時にもフランチャイズ企業は、研修などのサポートがしっかりしていて企業の経営方針に沿った研修方法により、人を育てるのです。
このような研修サポート体制が充実している点も大きなメリットといえるでしょう。
(3)団体保険の加入も充実
子供さんを預かるベビーシッターさんの不安な点として、いくら注意しても起こりうるケガなどへの対応があります。
フランチャイズに加盟していると団体保険の加入など、ケガや病気に関する対応もしっかりとサポートしてくれます。
自主独立だと、保険料も高くなりがちで、どのような補償内容にすればいいのかといった点もわからないかもしれません。
保険加入に対する安心感も備えることが可能です。
フランチャイズでベビーシッターを開業するときに前もって注意する点
フランチャイズに加盟することはメリットばかりではありません。
デメリットをしっかりと把握し、前もって対策を練っておくことも安定経営には欠かせません。
ここからは、フランチャイズに加盟することのデメリットについて解説します。
(1)ロイヤリティがかかる
フランチャイズは、大手の経営ノウハウや看板が利用できる反面、対価として支払うロイヤリティがかかります。
ロイヤリティは各企業によってさまざまですが、モデルとしては前述した売り上げの10%など、自主独立するよりも多くの売り上げを上げなければいけません。
基本的に売り上げに対する割合にロイヤリティを発生させるところが多く、損益分岐点が高くなってしまいます。
加盟店料も含め、ロイヤリティ等コストがかかる点がデメリットといえるでしょう。
(2)自由度に欠ける
フランチャイズに加盟すると、基本的にフランチャイズ企業の方針やカラーにあわせて
経営を行わなければいけません。その点、若干自由度にかけてしまいます。
自分の行いたいサービスが、フランチャイズ企業に受け入れられない場合もありますので、自由な経営をしたい方には向いていないかもしれません。
まとめ
ベビーシッターは少子化の世の中とはいえ、働きに出る女性が今後増えていくことからも将来性のある事業です。
顧客を増やすことがポイントですが、継続することで地域に密着し、安定した経営につなげることも可能です。
そのためには、信頼のおける企業と提携することが重要で、子供を預かる仕事ですので、しっかりとした経営ノウハウやサポートが充実した企業を選ぶ必要があります。
成功すると多店舗経営も可能なことから、大幅な年収アップにも期待できるといえるでしょう。