フランチャイズビジネスで失敗するのはなぜ?代表的な3つの原因を紹介
フランチャイズビジネスは、契約したブランド本部から各種サポートを受けられるため、一人で独立開業する場合と比べると失敗しにくいといわれています。
しかし、フランチャイズで開業しても、経営不振で廃業する方もいます。
ブランドのバックアップを受けたうえで失敗することには、どのような理由があるのでしょうか。
今回は、フランチャイズで失敗する原因や、ブランド選びの際に失敗しないためのポイントを紹介します。
フランチャイズで失敗する3つの原因
フランチャイズで失敗する原因さまざまですが、代表的な原因は次の3つです。
(1)資金の不足
意外に多いのが開業時点での資金の不足です。
開業資金として用意していた金額よりも、フランチャイズ企業が提示した初期費用の額が大きいケースが多いです。
結果として、運転用の資金に手をつける、早々に融資を利用する、といった事態に陥ることがあります。
開業にかかる初期費用は、本部に支払うお金だけでなく、その他の出費も含めた総額で計算しておくと、想定外の出費が発生しにくくなります。
全部でいくらかかるのか、手元で用意できるお金はいくらなのか、あらかじめ把握しておきましょう。
(2)市場環境の変化
店舗の経営そのものには問題がなくても、外部環境の変化で失敗してしまうこともあります。
例えば、近隣にライバル店が出店し、競り負けてしまうケースなどが代表的です。
ライバルの出現は、店舗を運営して利益を得る以上避けては通れません。
他の店舗では真似できない商品やサービスの開発など、店舗ならではの強みを持つことで、競争力を高めていきましょう。
(3)オーナーの経営力不足
経営力不足から、フランチャイズビジネスに失敗してしまうことがあります。
フランチャイズブランドとの契約で、ノウハウや看板の提供などサポートを受けられますが、経営するのはあくまでオーナー自身です。
頼りきりではいけません。
たとえば、事業運営に従業員が必要であれば、採用や管理など人材のマネジメントや育成能力なども必要です。
ほかにも、資金繰りやライバルとの差別化、契約するフランチャイズブランド選びなど、経営の能力が問われる部分は多いです。
勉強と実践を繰り返しながら、経営者としてのスキルを磨く必要があります。
失敗を避けるためにブランド選びで整理すること
フランチャイズで失敗しないためには、自分に合ったブランド選びが重要となります。
では、何をもって自分に合っているか判断すればよいのでしょうか。
(1)自己分析で強みや能力を知る
開業を検討する際は、まず自分の強みや得意なことなどを、自己分析で明らかにします。
フランチャイズで何がしたいのか、何が好きなのかなど、好みを知るほか、過去のキャリアを振り返り、結果を出せたことを整理するのも大切です。
社内での昇進や売上アップなど、客観的に評価できる数値や事実があれば分かりやすいですね。
どんな仕事や業種でモチベーションを高めることができるのか知る重要な作業です。
まずはここから始めてみましょう。
(2)SWOT分析を行う
SWOT分析とは強みや弱み、機会、脅威を書きだすことです。
これを行うことで今後どうすべきかを導き出すことができます。
強みや弱みは自分の経験から、機会や脅威は外的要因からになるものです。
これらを分析することで、これまで評価された実績が実力によるものなのか、外的要因によるものなのかが分かります。
フランチャイズで業種を選ぶときは、自分の強みが発揮できる業種で決めると良いでしょう。
(3)好きなことや関心のある業種を考える
趣味や取得した、仕事とに無関係にだが取得した資格や、関心のある事柄などを考えてみましょう。
この要素は、自ら行動したことによりで結果として残っているもので、自分の好みや関心事への熱量を把握するのに役立ちます。
事業運営を好きになれれば、仕事へのモチベーションも高まります。
また、起業したばかりのころはやることが多いためプライベートの時間が削られやすいです。
こういった点からも、自分が好きになれそうな仕事を選ぶとストレスになりにくいです。
(4)開業資金の相場の調査
フランチャイズビジネスでは、加盟の際に開業資金が必要です。
業種や店舗の有無でだいたいの相場があるため、いくら必要かも確認しましょう。
加盟のための費用のほか、当面の生活費や、店舗の準備の資金など、何にいくら必要か把握することが大切です。
フランチャイズ契約時の資金調達の方法
前述のように、フランチャイズビジネスの開業には、相応の資金が必要となります。
預貯金で賄えればよいのですが、店舗型の業種では初期費用が高くなりやすく、外部からの融資が必要なケースもあります。
資金調達としては、国や自治体の補助金が利用できるほか、銀行や日本政策金融公庫などからの借り入れも検討できます。
ただし、融資を受ける場合は当然利息がかかりますので、計画的に返済が可能か、返済分を賄える程度の利益が期待できるかなど、入念にシミュレーションを行いましょう。
失敗を避けるために契約前の情報収集が重要
フランチャイズ契約で失敗しないためには、事前の情報収集が重要です。
ひとくちにフランチャイズブランドといっても、さまざまな業種があり、自分に適した加盟先を選ぶことが大切です。
情報収集の方法としては以下の方法があります。
(1)フランチャイズビジネスの専門誌を読む
あまり馴染みがないかもしれませんが、フランチャイズビジネスの専門誌があり、新聞や雑誌、刊行物として出版されています。
フランチャイズ専門誌は業種や職種ごとに出版されていますので、興味のある業種の情報について知ることができます。
紙媒体よりもインターネットのほうが情報は早いのですが、信頼性は紙媒体のほうが高いといえます。
特定の業種に特化した情報を知りたい場合、紙媒体を選ぶと良いでしょう。
(2)インターネットの情報サイトを利用する
情報量と充実具合、情報の新しさという面では、WEBサイトでの情報収集も有効です。
ただし、信ぴょう性の薄いサイトもありますので、発信元はしっかりと見極める必要があります。
インターネットにはフランチャイズ加盟に必要な資金などを比較できるサイトや、情報サイトがあります。
欲しい情報が手軽に手に入りますので、上手に活用しましょう。
(3)イベントや説明会に足を運ぶ
毎年開催されているフランチャイズビジネスの展示会「フランチャイズショー」に足を運んだり、各企業の説明会に参加したりするのもおすすめです。
特に、展示会はフランチャイズブランドが多く集まり、複数のブランドを比較検討したいときにおすすめです。
説明会や募集ページを見て、良さそうなブランドがあった場合は、直接連絡して、本部を訪問してみましょう。
説明会では深く聞けなかった点や、具体的な費用感やビジネスの進め方など、さまざまな情報が手に入ります。
本部訪問の前に、聞きたい内容をまとめておくと、当日の流れがスムーズに進みますよ。
まとめ
フランチャイズビジネスは、本部のサポートがある分、単独で開業するより有利といわれていますが、それでも失敗するケースがはあります。
あらかじめ失敗しやすいポイントを整理し、対策を練っておくと安心です。
加盟先選びでは、知名度だけでなく自分に合っているかや、提供する商品やサービスの優位性、開業資金などさまざまなポイントを評価し、総合的に判断する必要があります。
まずは、複数の企業の説明会や本部訪問を行い、内容を比較してみてください。