障がい者向けの就労支援事業をフランチャイズで開業する場合の収益やコストは?
近年、独立開業できる事業として注目を受けているのが障がい者向けの就労支援事業です。
これから迫りくる超高齢化社会。
生産人口の減少が懸念される中、障がい者雇用率を上げる施策が推進されています。
国家戦略の一つとして今後成長期待が高まるのがこの障がい者向けの就労支援事業です。
では、この障がい者向けの就労支援事業をフランチャイズで経営する場合、どのくらいの収益が確保できるのでしょうか?
また、コストやフランチャイズ本部が行うサポートにはどのようなものがあるのでしょうか?
この記事では障がい者向けの就労支援事業をフランチャイズで経営した場合について解説します。
目次
障がい者向けの就労支援事業とはどのような事業なのか?
今後の成長産業として期待が持てる障がい者向けの就労支援事業ですが、実際にどのようなサポートを行うのか?
障がい者の人口は増えているのかといった点が気になるポイントです。
ここからは、障がい者向けの就労支援事業の概要などについて解説します。
(1)障がい者向けの就労支援事業の概要
障がい者向けの就労支援事業の概要は、いわゆるハローワークの職業訓練校のような支援を行う事業です。
パソコンにより、エクセルやワードなどによる文章の書き方やビジネスマナーなどを教育します。
そこまで難解な教育ではなく、基本的な知識やスキルを学ばせ社会に対応できる教育を目指す事業です。
また基本的な工場作業に伴う機械の使い方なども教えることで、広く対応できる人材育成に注力できます。
働くことを通じてスキルアップ、社会との連携を障がい者がスムーズにできるサポートを行う事業として社会的な意義を持つ事業といえるでしょう。
(2)障がい者人口は増えているの?
障がい者の数は年々増加傾向にあります。
下記の表を見てみましょう。
引用:内閣府「障害者の状況」
障がい者の数は年々増加しています。
更に懸念材料としては、18歳~64歳の障がい者が300万人以上いるのに対し就労者数が25%しかいないという現状です。
前述しましたが今後我が国の労働人口は大幅に減少していくことが想定される中、25%しかない障がい者の社会進出が経済において大きなカギとなります。
そのため、障がい者向けの就労支援事業は国家戦略となり今後の成長性にも期待が持てる事業となるでしょう。
(3)就労継続支援A型 B型とは?
障がい者向けの就労支援事業のHPをいくつか閲覧すると、就労継続支援A型 就労継続支援B型という言葉をよく目にします。
これはどのような意味があるのでしょうか?
就労継続支援A型とは、就労が困難な、障がいや疾病がある人を対象として就労場所の提供や作業による知識、能力の向上を目的としています。
就労継続支援B型とは、一般企業への雇用が厳しい障がい者に対して知識や教育、作業スキルを教育し、就労の場を提供するものです。
このような教育、就労の提供といったことを行うのが障がい者向けの就労支援事業といえます。
障がい者向けの就労支援事業を開業した場合の収益はどのくらい?
では、実際にフランチャイズにより障がい者向けの就労支援事業を開業した場合、どの程度の収益を得ることができるのでしょうか?
また、収益アップの鍵となるのはどのようなことなのでしょうか?
収益面から障がい者向けの就労支援事業を見てみましょう。
(1)月商1,500万円を越えるケースもみられる
収入のメインとなるのは国からの保険収入です。
1名あたり月額25万円が基本となりますが、その他家賃や食費といった収入も加算されます。
およそ10人程度の利用者で、月額の売り上げは300万円程度となり経費を差し引くと利益は100万円程度となるでしょう。
障がい者向けの就労支援事業の中では、月額1500万円の売り上げを計上しているケースもありますので、収益面から見ても魅力のある事業ということがわかります。
(2)利用者の数が鍵となる
収益アップの最も大きなキーポイントはやはり利用者数となるでしょう。
前述しましたが国からの保険収入が売り上げの大部分を占めるため利用者が多ければ多い程収益アップの期待が高くなるのです。
利用者が50名程度で月額700万円、100名程度の利用で、1,500万円もの売り上げが見込めるのです。
いかに利用者を集めるのかが大きなポイントといえます。
(3)提供するサービスの内容によっても収益は大きく変わる
また、提供するサービスの内容によっても収益に大きく影響します。
食事の提供や宿泊場所の提供を同時に行うことにより、食費や宿泊費といった部分が売り上げ増につながるのです。
人数を集め、さまざまなサービスを提供することにより、収益アップが目指せる事業といえるでしょう。
障がい者向けの就労支援事業を開業した場合のコストはどのくらい?
ここまでは、障がい者向けの就労支援事業の売り上げなどについて解説しました。
しかし、事業は売り上げだけではなくコスト面にも注意しなければいけません。
特に、フランチャイズに加盟して事業を行うとなると、加盟店料やロイヤリティが必要となります。
では実際に、障がい者向けの就労支援事業をフランチャイズで開業する場合、どの程度のコストがかかるのでしょうか?
ここからは障がい者向けの就労支援事業のコスト面について解説します。
(1)初期費用にかかる項目や費用について
まずは、開業にかかる費用について見てみましょう。
フランチャイズに加盟する場合最初に加盟店料がかかる場合があります。
加盟店料とはフランチャイズ本部に支払う入会金といった扱いです。
しかし、障がい者向けの就労支援事業のフランチャイズ募集を行っている企業のHPを調査してみると、開業キット料金として約40万円程度となっています。
フランチャイズとしては非常に安価で加盟できるのではないでしょうか?
その他に必要な初期費用としては、主に以下の項目です
- 事業所の取得費
- 椅子などの備品購入費
- 人件費
- 申請手数料
- 保険料
等がかかります。
規模や開業する場所などによっても費用は異なりますが、一般的には300万円~1,000万円程度の初期費用と見ておくといいでしょう。
(2)ロイヤリティなどランニングコストについて
次に事業にかかるランニングコストについて見てみましょう。
フランチャイズに加盟すると、フランチャイズ本部の看板や経営ノウハウを使用できる一方、ロイヤリティをフランチャイズ本部に支払わなければいけません。
ロイヤリティとはフランチャイズ本部の知名度やノウハウなどを使用する使用料といった位置づけです。
ここも障がい者向けの就労支援事業のフランチャイズ募集を行っているフランチャイズ本部のHPを見てみるとロイヤリティではなくコンサルティング料が必要となります。
コンサルティング料は15万円~35万円程度となっており、コンサルティングの内容によっての違いです。
その他にかかる費用は以下になります。
- 事業所の家賃
- 人件費
- 事務用品費
- システム利用料
- 保険料
が必要です。
規模などによっても異なりますが。一般的に月200万円程度の費用がかかるといわれています。
これらの費用を充分に把握しておきましょう。
フランチャイズによる障がい者向けの就労支援事業はどのようなサポートを行う
ここまでは、フランチャイズに加盟して障がい者向けの就労支援事業を開業した場合の収益面やコスト面について解説してきました。
コストの中で、フランチャイズに加盟することで費用がかかると述べましたが、実際にフランチャイズ本部はどのようなサポートを行うのでしょうか?
ここからは、フランチャイズ本部が行うサポートについて解説します。
(1)開業前のサポート内容
開業間のサポート内容としては以下の通りです。
- 指定許可等申請支援
- 事務所や施設の提案
- 研修
- 人事採用の支援
指定許可の申請から物件の提案、人事採用から研修まで、完全なサポート体制により事業者の不安を取り除きます。
多岐に渡るサポートといえるでしょう。
(2)開業後のサポート内容
次に開業後のサポート内容を見てみましょう。
開業後のサポートは以下の通りです。
- 給付申請
- 変更届の支援
- 指導やスタッフの研修
- 広報、営業活動の支援
給付金の請求や研修などこれも開業に関するさまざまな重要ポイントをきちんと支援します。
非常に頼りになるフランチャイズ本部といえるでしょう。
障がい者向けの就労支援事業はどのような人がおすすめ?
実際に障がい者向けの就労支援事業を開業するにあたり、どのような人がこの事業を行うのに向いいているといえるのでしょうか?
事業は行う業種によって向いている人、向いていない人がいます。
ここからは、障がい者向けの就労支援事業の開業に向いている人について解説しましょう。
(1)新規で事業を始めたい
新規で事業を行う人には、障がい者向けの就労支援事業はおすすめの事業です。
国からの強力な下支えの中、事業を行うことができます。
売上の大部分は国からの保険収入となりますので、利用者さえ増やすことができると取りはぐれることはほとんどありません。
もし未経験だったとしても、フランチャイズ本部がノウハウをしっかりと研修などにより伝えてくれますので心配する必要はないでしょう。
申請の支援なども行いますので、新規での事業も問題なく経営することが可能です。
(2)安定した収益を得たい
安定した収益を得たいという場合もこの障がい者向けの就労支援事業は向いているといえるでしょう。
先ほど前述しましたが、保険収入が売り上げとなりますので。まずは利用者を集めることができれば安定した売り上げに繋がります。
また、宿泊や食事といったサービスまで提供できるとなると更なる売り上げの積み重ねも可能です。
安定した売り上げを事業によって得たい人には障がい者向けの就労支援事業での開業は非常に向いているといえるでしょう。
(3)社会に役立つ仕事をしたい
労働人口の減少に伴い現在、なかなか就労の機会にめぐまれない障がい者の教育や就労のフォローなど障がい者向けの就労支援事業は社会的意義のある事業です。
現在働きたくても働けない障がい者の支援に尽力できるこの事業は、社会に役立つ仕事がしたいという人にとても向いているといえるでしょう。
更に国も国家戦略として推進しており、我が国の経済に欠かせない事業となる可能性も秘めています。
社会にとってプラスとなる事業です。
社会に役立っていることが実感できるといえるでしょう。
まとめ
社会的意義もありますが、開業まで結び付け、一定の利用者を集客できると非常に安定した収益を上げることができるのが障がい者向けの就労支援事業です。
利益率も高く、提供するサービスの数によっては更なる売り上げにも期待が持てます。
フランチャイズ本部のサポートも多岐に渡り、スタッフ研修から申請支援までさまざまなサポートを行います。
地域貢献や社会貢献とも結びつく、非常に有意義な事業といえるでしょう。