ケータリングのフランチャイズに加盟するメリットと注意点
コロナ禍により、パーティなど交流の場がほとんどなくなってしまった昨今、冷え込みを見せていたケータリングサービスもコロナの終息と共に息を吹きかえしてきました。
ここまで自粛ムードでなかなかパーティなどが開催できませんでしたが、コロナウイルスの終息や5類への変更に伴い、ケータリングサービスの需要も増えていくことでしょう。
この記事では、ケータリングサービスをフランチャイズに加盟して起業する場合の開業費用やメリット、デメリットについて詳しく解説します。
目次
ケータリングサービスの定義や市場性
ケータリングサービスの起業を解説する前に、そもそもケータリングサービスの定義や市場性といった点について見てみましょう。
(1)ケータリングサービスの定義とは?
ケータリングサービスとは、パーティなどにおいて、テーブルのセッティングから空間デザインなどを行い、美味しい食事や飲み物を提供することを指します。
ホテルのビュッフェスタイルをパーティなどで提供するサービスともいえるでしょう。
ケータリングの種類は多岐にわたっており、ホームパーティのケータリングやレセプションパーティのケータリング、イベントのケータリングなどが挙げられます。
ケータリングサービスで起業する場合、どのようなタイプのケータリングサービスを対象にするかをしっかりとイメージしておく必要があるでしょう。
(2)法人の需要が増加している
ケータリングサービスの需要は、特に法人の需要が増しています。
2019年〜2022年のコロナ禍において企業が開催するパーティが大幅に減少しました。
2021年には忘年会などが今までの9割近く減少しています。
しかし、会社など横のつながりを重視する中において、コミュニケーションは非常に重要です。
そこで、お店での宴席を設けることができない中、会議室などを使っての宴席にケータリングサービスを利用するケースが増えています。
コロナ禍においても、一定の需要があったケータリングサービスは、今後、さらに需要が増えていくといえるでしょう。
(3)インバウンド需要にも期待が持てる
コロナ禍でも、上記のような法人の利用によりケータリングサービスには一定の需要がありました。
今後、コロナの終息と同時に外国人観光客の増加が想定されている中、ケータリングサービスにはさらに追い風になる好材料といえます。
パーティなどの開催によるケータリングサービスの利用度は、国内よりも外国人の方が認知度は高く、身近に利用されるサービスです。
今後、インバウンド需要の増加により、ケータリングサービスの需要も同時に拡大するといえるでしょう。
(4)事業者が少ないブルーオーシャン市場である
ケータリングサービスを行っている企業は、あまり多くありません。
あまり事業者が多くはないブルーオーシャンな市場です。
ノウハウや機材などを揃えてケータリングサービスの進出している企業が多くない中、今から参入しても十分、需要を確保できる事業ともいえます。
また、ケータリングサービスは非常にリピーターが多い業種でもあります。
一度利用した顧客から継続依頼されるケースが多いケータリング事業は、安定した集客が得られる可能性が高く、今後の成長に向けてより一層の需要が見込めるといえるでしょう。
フランチャイズでのケータリングサービスにおける費用
実際に、フランチャイズに加盟してケータリングサービス事業を開業する場合、どの程度の資金が必要なのでしょうか。
ここからは、フランチャイズに加盟してのケータリング事業開業の初期費用やランニングコストといった点について詳しく解説します。
(1)初期費用の目安と内訳
ケータリングサービス業を開業する場合、一般的な開業に必要な費用は約500万円程度です。
開業資金として必要な項目として、車両に関する費用が挙げられます。
コーヒーケータリングなど専用車両を利用してサービスを行う場合、車両の確保や改装、設備の設置費などが必要です。
また、フランチャイズに加盟しての開業となると、開業当初に加盟金が発生します。
これらの初期費用を下記の表にまとめました。
項目 | 費用 |
加盟金 | 約30万円 |
車両の確保や改装、設備設置費 | 約400万円 |
保証金 | 約10万円 |
研修費用 | 約50万円 |
合計 | 約490万円 |
加盟金や保証金などは、加盟するフランチャイズ本部によって異なります。
研修費用も同様です。
店舗を構える場合には、上記費用の他店舗取得費が発生します。
ケータリングサービス事業においてフランチャイズに加盟する際にかかる資金などを比較して、本部を選択してもいいでしょう。
(2)ランニングコストの目安と内訳
次にランニングコストについて解説します。
ランニングコストとして必要な費用が人件費や材料費と共に、ロイヤリティが発生します。
ロイヤリティとは、フランチャイズに加盟することで、本部の屋号やシステムが利用できる代わりに毎月本部に支払う使用料と考えるといいでしょう。
これらのランニングコストも下の表にまとめました。
項目 | 費用(月額) |
材料費 | 約30万円 |
人件費 | 約20万円 |
出店料 | 約3万円 |
経費 | 約2万円 |
ロイヤリティ(売上の3%程度) | 約3万円 |
合計 | 約58万円 |
月額売り上げを90万円と想定した時の運転資金です。
ロイヤリティは本部によって異なり、今回は一般的な3%程度としています。
ロイヤリティの額も本部の比較ができやすい項目です。
ロイヤリティが低い方が、当然ながらコストが下がるのでメリットは大きいのですがサポート体制の内容にも影響します。
コストパフォーマンスを比較して本部選びの材料としてもいいでしょう。
フランチャイズによるケータリングサービスを開業するメリット
フランチャイズに加盟してケータリングサービスを開業するにおいて、どのようメリットがあるのかといった点を詳しく解説します。
(1)開業資金が比較的安価
開業資金が比較的安価です。
飲食業に必要な店舗を構える必要がありません。
提供する料理などは本部が提供するケースが多いので、本部が料理をつくる場合は、料理を運ぶ車両の準備ができていれば経営が可能です。
スモールスタートしたい場合は、自分一人で開業することもできますので、人件費や研修費用を最大限抑えた状態スタートすることができます。
(2)未経験でも開業が可能
フランチャイズに加盟しての開業だと、開業前に研修をみっちりと行います。
未経験であっても、研修によって接客や商品知識、経営管理といった経営に必要な要素を学ぶことが可能です。
これらの研修が充実していることもあり、未経験でも開業することができます。
(3)本部がメニューを準備
独立開業において、時間や労力がかかるもののひとつにメニューつくりがあります。
しかし、フランチャイズに加盟しての開業となるとメニューの開発や仕入れの提供は本部が行っているケースもあり、加盟店が準備する必要はありません。
仕入れの提供だけではなく調理まで本部が行っているケースもあり、本部のサポート体制はそれぞれ異なっている点にも注意が必要です。
本部が仕入れ先も開拓していますので、仕入れ先の確保とメニューつくりという非常に難しい項目を本部が受け持ちます。
オーナーは経営に集中することができます。
本部がメニューを準備してくれるケースがある点もフランチャイズ経営の大きなメリットです。
(4)ブランドと知名度による集客に期待
フランチャイズに加盟することで、本部の看板やメニュー、知名度を持った状態で開業することができます。
つまり、開業時には一定の知名度を持っての経営が可能です。
独立開業の場合は知名度がまったくない状態で開業しますので、最初に集客面で苦労するかもしれません。
フランチャイズでは、開業当初から知名度を持っていますので、非常に差が大きい開業といえるでしょう。
フランチャイズによるケータリングサービスを行うデメリット
フランチャイズに加盟してのケータリングサービス開業はメリットばかりではありません。
デメリットもありますので、ここからはフランチャイズに加盟してケータリングサービスを開業した場合のデメリットについて解説します。
(1)独立開業よりもコストがかかる
フランチャイズに加盟しての開業となると、まずフランチャイズに加盟する際に加盟店料が必要です。
開業後には、屋号やメニューなどが利用できる代わりにロイヤリティといわれる使用料を払わなければいけません。
そのため、独立開業するよりもコストがかかってしまいます。
独立開業するよりも多くの売上を上げなければ黒字化することができません。
(2)自由度が高くない
フランチャイズに加盟しての開業となる、看板やメニューが使える反面、オリジナルのサービスが提供できません。
フランチャイズに加盟して開業する場合、それぞれが勝手なサービスを提供していると統一感がなく、フランチャイズビジネスの特色が活かせません。
自由度が高くない点もデメリットといえるでしょう。
(3)契約期間が決まっている
フランチャイズ本部とフランチャイズ契約を締結して開業するにあたり契約期間が定められます。
契約期間は本部によってまちまちですが、契約期間内に経営がうまくいかず廃業してしまう可能性も考えられます。
契約期間内に契約を加除してしまうと違約金が発生する場合がありますので注意が必要です。
違約金の額も契約内容によって異なりますので、フランチャイズ契約前にしっかりと確認しておきましょう。
(4)本部や他の加盟店の不評が影響する
フランチャイズビジネスは、基本的に横並びの経営が求められます。
利用者は、同じ会社が経営していると思っているケースも非常に多いでしょう。
経営母体はまったく異なるのに、他の加盟店や本部が不祥事を起こしてしまうと、悪影響が自分の店舗にも及ぶ場合があります。
これもフランチャイズビジネスにおけるよくあうデメリットのひとつです。
ケータリングサービスのフランチャイズ開業における準備
ここからは、フランチャイズに加盟してケータリングサービスを開業する流れについて解説します。
(1)店舗の準備
店舗の確保が必要です。
前述しましたが、本部がメニューをつくる場合は、調理場の準備をする必要がありません。
調理が必要な加盟店は厨房設備の整った店舗を準備します。
来客があるわけではありませんので、立地にこだわる必要がなく、コストをあまりかける必要はないでしょう。
ケータリングを運ぶ車両用の駐車場は必須です。
(2)人材教育
ケータリングサービスには、接客が必要になる場合があります。
接客マナーや調理技術、運営といったことを開業前にしっかりと学んで質の高いサービスを提供しなければいけません。
(3)資格や免許の取得
ケータリングサービスを開業するための資格や免許の取得が必要です。
営業許可や、食品衛生責任者の資格を取得しなければいけません。
開業の日にちを逆算して、準備しておきましょう。
まとめ
2019年から2022年にかけて猛威を振るった新型コロナウイルスの影響により、ケータリングサービスを理由する機会は激減していました。
2023年に入り、終息の動きを見せており、2023年5月には5類に分類されますのでコロナ前の状態に戻りつつあります。
つまり、外国人観光客の復活や各パーティの開催なども今後急速に増えていくことが想定され、事業者も少ないのでブルーオーシャンの市場です。
フランチャイズの加盟することでたくさんのサポートを受けた状態での開業が可能ですので、安定収益が期待できる事業といえるでしょう。