フランチャイズオーナーの年収はどの程度?高収入を実現しやすい業種も解説
フランチャイズオーナーとして開業するに当たり、業種やフランチャイズブランドを選ぶ基準の一つとなるのが「どの程度の年収が見込めるのか」というポイントです。
独立するのであれば、初期投資の回収を早め、安定した経営を行なうためにも高い年収を実現する必要があります。
とはいえ、フランチャイズにおいても開業後しばらくは赤字、というオーナーは少なくありません。
早期に事業を軌道にのせるには、どのように経営を行なえばよいのでしょうか。
今回はフランチャイズオーナーの年収をテーマに、平均的な年収や高い収入を得るための業種選びなど、押さえておきたいポイントを紹介します。
目次
売上のうちオーナーの収入はどのくらい?
オーナーの収入は業種や経営手法によっても異なります。
平均すると、フランチャイズオーナーの年収は400~500万円程度に収まることが多いようです。
年収は多くの場合、事業収入(売上)から、ブランド本部に支払うロイヤリティと、変動費・固定費を除いた金額でおおまかに計算できます。
【フランチャイズビジネスにおける支出内訳】
- ロイヤリティ
- 固定費(家賃や人件費など毎月発生する経費)
- 変動費(原料費や仕入れ原価など経営状況に応じて変動する費用)
なお、これらの費用を引いて残った金額が全てオーナーの所得となるわけではありません。ほかにも、商品や店舗にかける保険料や、店舗の修繕積立費など細かい経費も存在します。
利益率を計算する際は、何にどの程度かかるのかを把握し現実に即したシミュレーションを行なう必要があります。
また開業当初に発生する初期費用として数百万円単位の投資を行ないますので、融資を利用した場合は返済も発生します。
高めの年収を実現しやすい業種と年収
ひと口にフランチャイズビジネスといっても様々な業種があり、オーナーの年収もそれぞれ異なります。では、どの業種を選べば高い年収を実現できるのでしょうか。
比較的高い年収を見込める4種の業種と、平均年収を見てみましょう。
(1)ハウスクリーニング業の年収
家庭向けのハウスクリーニングは、平均年収900万円程度になるなど、高い年収が見込める業種の一つです。
成長産業として知られており、需要が伸びています。
ブランドによっては50万円程度の少額の自己資金からでも加盟が可能と、参入のハードルもそれほど高くありません。
(2)リペア(修理)業の年収
リペア(修理)業も、高収入を見込める業種の一つです。
リペアの対象にもよりますが、開業から1年数か月程度で年収700万円ほどになります。
初期費用が比較的低額で済むのも特徴で、70万円程度の自己資金からでも加盟可能なブランドも存在します。
仕入れや在庫リスクが少ないメリットがあり、フランチャイズブランドによっては粗利率9割に上ることもある業種です。
修理(リペア)の対象は車やビジネス革靴に加え、スマホなどと多岐にわたります。
特に車の修理でディーラーが顧客になると定期的に発注を受ける場合もあり、長期で安定して利益を得られる可能性があります。
(3)コンビニエンスストアオーナーの年収
コンビニエンスストアのオーナーになった場合、平均年収約700万円程度です。
人手不足による営業時間の短縮や店舗の飽和など、厳しい環境に変化しつつある業種ですが、ブランドの知名度が大きいため、オーナーの手腕しだいでは大きな収入を得るチャンスがあります。
コンビニの初期費用は150万円~350万円程度が目安ですが、フランチャイズブランドによっては加盟金の全額免除制度も用意されています。
(4)高齢者配食サービスでの年収
高齢者配食サービスとは、個人宅や病院・や介護事業所に、高齢者向けのヘルシーな食事を届けるサービスです。
平均年収はおおよそ700万程度になります。
高齢者の増加に伴い近年着実に成長してきている業種の一つで、今後もは増加傾向にあるため安定した需要が見込めます。
経営が軌道に乗れば年収1,000万円を達成できる場合もあります。
高齢者向け配食サービスは初期費用が安く済む業種の一つで、安い場合にはブランドによっては自己資金80万円程度からの低コストで開業が可能です。
なかには、月額数万円程度の会費のみで、加盟金や保証金、ロイヤリティが0円という、運営がしやすいところもあります。
副業でも高い年収になりやすい業種と年収
フランチャイズビジネスというと、脱サラして本業として経営するイメージが強いですが、中には本業と両立している副業オーナーも存在します。
副業でも経営可能で、高収入を得やすい業種を紹介します。
(1)コインランドリー業と年収
共働き世帯の増加に伴い需要が高まっているのがコインランドリーです。
事業が軌道に乗れば、年収ベースで300~360万円程度の収入が見込めます。
無人で経営している店舗が多く、オーナーや従業員が常駐する必要がないため、副業としての開業に適しています。
初期費用で2,000万円以上かかる点が大きなハードルの一つですが、他業種と比べて人件費が安く済む点がメリットです。
(2)ネットショップの年収
利用者が拡大しているネットショップも、副業としての開業が可能な業種です。
平均年収はおよそ150~180万円程度です。
店舗や人件費が不要な分、初期費用が各段に安く済むのが特徴で、初期費用も数万円から数十万円に収まることが多いです。
売れる商品としっかりした販売環境を整備できれば、さらなる売上を伸ばすことも可能です。
フランチャイズで平均年収に到達するまでに要する期間
(1)平均年収到達の平均期間は約3年
フランチャイズブランドの力を借りずに開業した場合、軌道に乗るまでは5年程度を要するといわれています。
ですが、その前に廃業する事業主が多いのも事実です。
自分で仕事を取って想定した売上を確保していくのは容易ではありません。
起業から10年後も会社が存在している可能性は10%程度といった厳しい数字もあるほどです。
この一方で、フランチャイズビジネスは軌道に乗せやすい傾向があります。会社名や商品名にブランド性があるなどの強みがあるためです。
そのため、7割程度のフランチャイズオーナーが3年以内の単月黒字常態化を達成できているともいわれています。
例えばハウスクリーニング業では、早い場合は3~6か月程度で黒字化を達成し、1年程度で平均的なオーナーの年収に達するケースもあります。
フランチャイズオーナーが高い年収を得るためのポイント
フランチャイズのオーナーが年収を上げるために取れる対策の一例を紹介します。
(1)事前計画を作る
まずは、綿密な事業計画が必要です。事業を失敗させてしまうオーナーの特徴の一つとして、事業計画の見通しの甘さ見られます。
事業計画で考えるのは、簡単にいうと「今後の事業をどのように運営していくのか」です。
具体的には、以下のような内容を詰めていきます。
【事業計画で考えておきたいこと】
- どのターゲット層にどのような商品を提供するか
- 競合の分析
- 競合に対する強み
- 宣伝戦略
- 事業運営で考えられるリスクと予防策
- 資金計画(収支のシミュレーションや資金調達の方法など)
これらを書面にまとめたものは「事業計画書」と呼ばれ、補助金の申請や銀行の融資を受ける際の資料として活用できます。
書面化する際は専門家の監修を入れると、より精度の高い事業計画書にできます。
(2)売上増加のための経営戦略
年収を増加して安定した経営を実現させるには、漫然と事業運営を行なっていては難しいでしょう。
売上増加のために行なうべき戦略をいくつか考えてみましょう。
認知度をあげて集客を行なう
商品やサービスを利用してもらうには、まずはその存在をターゲットに認知してもらわなければなりません。
集客のために認知度を向上させたい場合、地域への宣伝活動とWeb上での宣伝活動の二つのアプローチが可能です。
ポスティングやティッシュ配りなど
ポスティングやティッシュ配りなど昔ながらの宣伝活動は、地域の顧客内での認知度向上に効果的です。
ポスティングでもとティッシュ配りでも、チラシの文面やデザインは非常に重要といえます。
商品・サービスの第一印象を決定づける要素だからです。
インパクトが強いことはもちろん、一目で何のサービスなのかわかりやすく伝わるよう配慮する必要があります。
インターネットによる宣伝活動
WebサイトやSNSなどを駆使した宣伝も重要な販売戦略の一つです。
インターネットをうまく利用できれば、エリアを限定せず全国から集客が可能となります。
たとえば、フランチャイズ本部のWebサイトホームページに加盟店として掲載してもらう方法があります。
また、店舗で独自にサイトをもつ場合は、サービス内容や価格表がわかりやすく、新規顧客を問い合わせフォームへと誘導しやすい仕組みも必要です。
そのほか、Line@などで期間限定キャンペーンやお知らせなどを手軽に配信できるサービスもあるため効果的に活用しましょう。
店舗や事業範囲の拡大
最初の店舗や事業が軌道に乗ってくると、さらなる売上を目指して2店舗目の開業や事業領域の拡大といった選択肢も生まれてきます。
事業を拡大するうえでの注意点としては、同じ商品やサービスが別の場所でも受けがよいとは限らない点です。
勢いで事業を拡大し最初の店舗での利益を使い果たしてしまうという事態もあり得ます。
出店エリアの需要調査など、一店舗目と同じく丁寧に戦略を練っていきましょう。
オーナー自身のスキルアップ
リペア業など、オーナー自身が従業員として参加する場合、自身のスキルアップは非常に重要です。
リーズナブルな費用で高品質を実現できることが、リピーター獲得や新規顧客の獲得にもつながります。
利用特典をつける
リピーターを獲得するために、利用によって特典をつけるのも良い方法です。
たとえば、スタンプカードや新規顧客の紹介による割引などの特典は付加価値が高く効果的な手法といえます。
また、商品を販売するタイプの業態であれば「~と~をセットで注文すれば1,000円引き」「~を~個以上注文すれば~個サービス」など、競合店舗との差別化を図る特典をつけることもできます。
経営を安定させ年収を増加するための戦略例
フランチャイズビジネスを始めた後も、売上を伸ばし事業を成功に導くにはいくつかの工夫が必要です。
比較的挑戦のハードルが低く、効果の大きい手法を2点紹介します。
(1)コストを抑えた経営をおこなう
経営を安定させるのに重要なポイントの一つが、ランニングコストを抑えた経営を行なうことです。
事業の支出を可能な限り抑えることで、売上の減少に強い事業経営ができるようになります。
コストを抑える際に注意したいことの一つが「商品・サービスの品質を落とさないこと」です。
コスト削減が売り上げの減少に影響してしまっては本末転倒です。
たとえばコンビニであれば、人件費削減のために従業員を減らし、お店の運営が回らなくなっては意味がありません。
レジ要員を減らす代わりにセルフレジを導入するなど、品質はそのままにコスト削減ができる工夫が必要です。
また、機械の導入など「長期的なコスト削減のための投資」が必要な場合もあります。
投資が必要な場合は費用対効果をシミュレーションしたうえで決定するようにしましょう。
(2)異業種との連携
例えばフランチャイズのコーヒーショップでは、本屋と隣接するスペースに出店しているところがあります。
利用者は購入した本を読みながらコーヒーを満喫し、友人との待ち合わせ時間までリラックスして過ごせます。
このように、異業種と連携することでさらなる価値を生み出すことも、ビジネスのポイントといえます。
収入アップのために覚えておきたい「フランチャイズ二大あるある失敗例」
フランチャイズビジネスで収入を向上させるのは大切ですが、まずは経営を軌道に乗せることが最初の目標となります。
そこで、フランチャイズビジネスにありがちな失敗例を2点見てみましょう。
(1)資金が不足し支払いができなくなる
フランチャイズビジネスの失敗に多いのが、手持ちの資金が不足して支払いができなくなり、廃業に追い込まれてしまうケース。
おもな原因として考えられるのが「支出の見積もりが甘い」ことです。
毎月の支出や開業費用は「だいたい」で把握しておくと実際の支出が予想より大きくなることがあります。
可能な限り現実に即したシミュレーションをし、設備の発注などがある場合はかならず見積もりを取るようにしましょう。
余裕を持って資金を用意しておくことで、資金繰りがショートしての廃業を防止できます。
(2)ライバルの出現でシェアを奪われる
同業の店舗が近隣にでき、シェアを奪われ売上が減少するのもよくある事態です。
出店を防ぐことはできないため、商品やサービスの競争力を高めることで生き残りを目指しましょう。
「ライバルにはない商品やサービスの開発」「接客技術を向上させる」など、地域の住人の心を掴む店作りができれば、事業が簡単に倒れることはありません。
自分の店ならではの強みを考えてみましょう。
フランチャイズオーナーの労働時間はどのくらい?休むことはできる?
フランチャイズオーナーとして働くのであれば、休みや労働時間も気になるところ。収入は大切ですが、そのために長時間労働で体を壊してしまっては元も子もありません。
一般的に、フランチャイズオーナーの労働時間は1日9時間程度が平均的です。
意外に長い、と感じた方も多いかもしれませんね。オーナーの労働時間は、とくにフランチャイズブランドとの契約で定められないパターンも多いです。
しかし、店舗従業員としてオーナーが働く場合や、事務作業をオーナーが行うケースでは労働時間が長くなることもあります。
またオーナーが現場に出る場合、会社員のように週休二日の休みを取れないケースもあります。
従業員の雇用や定休日の設定などで調整は可能ですが、経営が軌道に乗るまでは不定休になることも頭に入れておきましょう。
まとめ
フランチャイズオーナーとして高い年収を実現するためには、業種やブランド選びが非常に重要です。
どの業種・どのブランドを選ぶかによって初期費用や平均年収が大きく異なるため、吟味したうえで決定しましょう。
また、事業の運営にあたっては、顧客を獲得し売上を伸ばすためにさまざまな工夫が必要となります。
自分にはどの業種が最も適しているのか、どのように運営すれば高収入が見込めるのか、十分に検討してみてください。
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