非常用発電機のメンテナンス業は安定性が高い?開業方法を解説
非常用発電機のメンテナンス業は、法律で定期点検が義務付けられているため、安定した需要が見込めるビジネスです。
また、防災意識が高まったことにより設置台数は増えたものの、メンテナンスまで追いついていないのが実情です。
非常用発電機は、災害などが原因で停電が起こった際に稼働して電力を自動的に供給するための大切な装置です。
この装置の点検は法律で義務付けられているため、メンテナンス業の仕事は安定的に収入が得られる事業として注目されています。
ここでは、非常用発電機のメンテナンス業の需要や開業するメリット・デメリット、開業方法などについて詳しく解説します。
目次
非常用発電機のメンテナンス業とは
日常生活では非常用発電機について知る機会がないため、そもそも非常用発電機がどのようなものであり、メンテナンス業ではどんなことをするのかご存じない方も多いでしょう。
まずは、非常用発電機やそのメンテナンス業の内容について解説します。
(1)非常用発電機とは
商業施設やマンション、オフィスビルなどの建物には、非常用発電機の設置が法律で義務付けられています。
非常用発電機は、災害や事故など何らかの理由で建物の電力供給が途絶えてしまった際に、自動的に稼働して電力供給を行うための設備です。
自然災害や事故が発生した際に電力の供給が止まってしまうと防災設備が稼働できず、被害が甚大化する原因になってしまいます。
そのため、一定の条件を満たす建物には電気事業法と建築基準法によって非常用発電機の設置が義務付けられているのです。
設置が義務付けられている建物は、ホテルやマンション、学校、商業施設、オフィスなど不特定多数の人が出入りするような建物になります。
(2)非常用発電機のメンテナンスとは
非常用発電機を設置した場合、非常時に非常用発電機が作動するように定期的に点検することが法律で義務付けられています。
この点検が、非常用発電機のメンテナンスに該当します。
消防法においては、機器点検を6カ月に一度、総合点検を1年に一度行うように規定されています。
また、建築基準法においては、非常用発電機の点検を各種建築設備の点検の一環として行うように規定しています。
点検の頻度は半年から1年に一度で、点検の結果は特定行政庁への報告が必要です。
非常用発電機のメンテナンス業の安定性が高いといわれる理由
非常用発電機のメンテナンス業は、非常に安定性の高い業種とされています。
開業の検討にあたり、安定的な収益を得られることは非常に重要な部分といえるでしょう。
非常用発電機のメンテナンス業が安定的とされる理由について解説します。
(1)法律で義務付けられているビジネスだから
非常用発電機の設置、そしてメンテナンスは、法律で義務付けられています。
全ての建物に義務付けられているわけではないものの、多くの建物や施設に非常用発電機が設置されています。
そのため、非常用発電機のメンテナンスの需要が無くなるようなことはありません。
ユーザーの任意によるサービスや商品提供をするビジネスは、いつか需要が減少するリスクがありますが、法律で義務付けられているビジネスは需要の減少を心配することなくビジネスを継続しやすいです。
また、法律で義務付けられているため、メンテナンスを怠れば罰金または拘留される恐れがあるため、建物の管理者が定期点検を意図的に行わないケースは少ないといえるでしょう。
(2)定期的に収益を確保できる
前述したように、非常用発電機の設置とメンテナンスは法律で義務付けられています。
非常用発電機のメンテナンスは一度実施すれば終わりというわけではなく、毎年繰り返し行われます。
つまり、毎年安定的に収益を得られるということになります。
現在では全国に費用上発電機が125万台設置されており、毎年行われる点検で収益を安定的に確保することが可能です。
(3)防災意識が高まっている
年々、日本国民の防災意識は高まっています。
これまでに日本は大きな震災を何度も経験しており、震災の度に防災の見直しが行われています。
そして、近年では南海トラフや東京の直下型地震なども予想されており、より防災意識は高まっている状況です。
非常用発電機においても以前は法律で義務付けられているにも関わらず点検を行われないケースも多かったですが、東日本大震災において点検を怠ったせいで非常用発電機が正しく作動しなかったケースが非常に多かったため、被害が甚大化してしまいました。
この教訓を経て、非常用発電機が正しく稼働するか確認するためのメンテナンスを定期的に受けるオーナーが増加したといえます。
非常用発電機のメンテナンス業を開業するメリット
開業にあたり、非常用発電機のメンテナンス業にはどのようなメリット・デメリットがあるのか知っておくことが大切です。
まずは、非常用発電機のメンテナンス業で開業するメリットについて解説します。
(1)収益が得られやすい
前項でも解説したように、非常用発電機の設置は法律で義務付けられており、メンテナンスも必ず年に一度は行わなければなりません。
そのため、需要が無くなることはなく、安定的にメンテナンスの依頼を得ることができます。
現在では全国に125万台設置されていますが、非常用発電機のメンテナンスができる業者は少なく、競合他社が少ない状態です。
需要は高いものの競合他社が少ないため、ユーザー獲得に有利であり、新規開業でも収益が得られやすい市場といえます。
(2)利益率が高い
事業の経営において、利益率は収益を左右する大きなポイントです。
利益率が高いほど収益も大きくなるため、利益率が高いほど事業の成功率が高まるといえます。
そして、非常用発電機のメンテナンス業は、利益率が高いというメリットがあります。
非常用発電機のメンテナンスには大掛かりな設備は必要ないのでコストは低く、高い利益率が望めます。
また、1回の点検に要する時間は2時間ほどなので、1日に数件対応することが可能です。
(3)競合が少ない
全国に非常用発電機は130万台近くありますが、非常用発電機の点検ができる技術者の数は足りていないのが現状です。
近年になって防災意識の高まりなどから非常用発電機の定期メンテナンスの重要性が認知されたこともあり、技術者の数は多くないとされています。
競合が少ないほど顧客獲得は行いやすく、開業当初からの集客を望めます。
顧客の任意によるビジネスではなく、法律で義務付けられているビジネスだからこそ、競合が少ないほどより顧客獲得が行いやすいです。
非常用発電機を開業するデメリット
非常用発電機を開業すれば利益率の高さと集客のしやすさにより、高い収益が期待できます。
しかし、開業にはデメリットもあります。
非常用発電機を開業するデメリットについてみてきましょう。
(1)専門知識が必要
非常用発電機のメンテナンスをするには、専門知識が必要です。
発電機の仕組みや点検における負荷運転気操作、発電機の取り扱いなどの知識がなければできる仕事ではありません。
これまでに電気系統の仕事をしてきた人であれば理解しやすい内容かもしれませんが、未経験で始めることは難しいかもしれません。
開業までに勉強や研修が必要になる点がデメリットといえるでしょう。
(2)資格を取得しなければならない
非常用発電機のメンテナンス業を開業するには、一定の資格の取得が必要になります。
非常用発電機のメンテナンス業において必要な資格は、以下の通りです。
電気事業法 |
・電気主任技術者 ・電気管理技術者 |
建築基準法 |
・一級、二級建築士 ・建築設備検査員 ・防火設備検査員 |
消防法 |
・自家発電設備施文技術者 ・消防設備士または消防設備点検資格者 |
それぞれの法律において、上記のような資格を持つ者が非常用発電機の点検を実施できます。
非常用発電機のメンテナンス業の開業方法
非常用発電機のメンテナンス業を開業する方法は、主に2種類が挙げられます。
「個人で開業する」方法と、「フランチャイズで開業する」です。
それぞれの方法について解説します。
(1)個人で開業する
非常用発電機のメンテナンス業を自力で開業する場合、開業に必要な準備や開業後の営業、運営など全てを自分一人で行わなければなりません。
個人で開業すれば、経営の自由度が高いというメリットはありますが、開業準備や経営は非常に大変でしょう。
点検の際に使用する機器の調達や、顧客獲得のための営業や広告などを行なう必要があります。
未経験の場合、発電機に関する勉強や必要な資格取得も必要なので、開業までに時間がかかります。
(2)フランチャイズで開業する
フランチャイズで開業する場合、本部によるサポートを受けられるという点は大きなメリットです。
研修制度を導入する本部が多いため、未経験でも実務研修などを受けることで、開業から業務開始までがスムーズに行えます。
また、本部によっては新規顧客の開拓や、本部の既存顧客の振り分けによって集客をサポートしてくれることもあります。
非常用発電機のメンテナンス業におけるフランチャイズ本部には、次のような本部が存在します。
① JLS
JLSは、JLA(一般社団法人日本発電機負荷試験協会)のグループ会社であり、非常用発電機のメンテナンスに特化しています。
2日間以上の実務研修を行い、基本知識から発電機や負荷運転気の稼働操作を学ぶことができるため、未経験からも始めることが可能です。
全国でフランチャイズを募集しているため、住まいのエリアで開業できます。
点検の際に必要になる部品交換などの付帯事業に関しても本部からのサポートを受けることができ、スムーズな開業と運営が可能です。
詳細はこちら: 株式会社JLS
まとめ
非常用発電機のメンテナンスは、今後起こる可能性のある災害に備えるための大切な防災措置です。
人の命を守るために必要なものであり、法律でも定期的な点検が義務付けられています。
そして、非常用発電機のメンテナンス業は、法律で義務付けられているからこそ需要が無くなることはなく、安定的な収益を得やすいビジネスだとえいます。
非常用発電機のメンテナンス業の開業に関心がある人は、まずはフランチャイズ本部の開催する説明会に参加してみてください。