脱サラ起業のメリットとデメリット・成功させるコツも解説
脱サラ起業をすれば、サラリーマンとして得ていた給与よりも遥かに多くの収益を得られる可能性があります。
脱サラ起業するのであれば、成功させたいと考えることは当然ですが、起業が失敗に終わることもあるので注意が必要です。
この記事では、脱サラ起業するメリットやデメリット、起業を成功させるためのコツなどを解説します。
脱サラ起業するための方法
脱サラ起業とは、所属する会社を退職して新たに起業することを指します。
脱サラ起業をする場合、どのような方法で行えばよいのでしょうか。
脱サラ起業をするための方法からみていきましょう。
(1)個人事業主か会社設立か?
脱サラ起業をする場合、起業形式として個人事業主と法人という2つの選択肢から検討します。
どちらも経営者になることに違いはありませんが、会社を設立するか否かという違いがあります。
個人事業主の場合、税務署に開業届を提出すれば手続きは完了します。
一方で、会社を設立する場合は法人の手続きが必要になり、個人事業主よりも手続きが複雑です。
また、個人事業主は赤字の場合は所得税や住民税の負担はありませんが、法人化すれば赤字でも法人住民税が発生します。
そのため、事業が軌道に乗るまでは個人事業主からスタートするケースが多いといえます。
(2)独自開業かフランチャイズ加入か?
脱サラで起業する方法には、独自開業とフランチャイズ加入という2つの方法があります。
独自開業は、自分で一から開業する方法です。
これまでサラリーマンとして働いてきた同じ業種で開業することもできますし、これまで経験のない業種で新規開業することもできます。
一方で、フランチャイズ加入は、フランチャイズ展開する本部と契約を交わし、本部の持つ商標や経営ノウハウを利用して開業する方法です。
開業前に研修を受けられるケースも多く、開業後も本部のサポートがあるため、経験のない業種でも開業しやすいというメリットがあります。
脱サラ起業のメリット
組織で働く続けることは安定をもたらしますが、脱サラ起業には多くの魅力があります。
脱サラ起業するメリットとして、以下のようなことが挙げられます。
(1)収入の大幅アップを期待できる
脱サラ起業をする場合、サラリーマンとして働くよりも収入が大幅にアップするのではないかと期待する方も多いでしょう。
サラリーマンのまま働いていれば、昇給はあっても限度があります。
頑張って売上を上げても自分の給料が大幅アップするようなケースは非常に少ないです。
一方で、脱サラ起業をすれば、売上が増えるほど自分の収入も増えていきます。
定年後に再雇用で給与が下がるようなこともないため、定年後も高い収入を得られる可能性があります。
(2)自分のやりたいことを仕事にできる
生活のためにサラリーマンとして仕事をしている方の中には、本来やりたい仕事は異なるという方も少なくありません。
やりたい仕事だと思って入社したものの、部署異動などでやりたい仕事ができなくなってしまったというようなケースもあるでしょう。
脱サラ起業をすれば、自分のやりたいことを仕事にできます。
やりたいことだからこそ仕事に力を入れることができますし、やりがいも感じられやすいです。
「定年後から夢だった自分のお店を開きたい」「自分が本当にやりたいことを仕事にしたい」と考える方も多いでしょう。
サラリーマンでは実現が難しいですが、脱サラ起業すれば自分の希望や夢を叶えられます。
(3)時間の自由度が増す
時間の自由度が増すという点も脱サラ起業のメリットです。
サラリーマンは労働時間や休日が決められています。
しかし、脱サラ起業すれば、自分でスケジュールを管理するようになるため、働く時間を自由に決められます。
労働時間や休日を調整し、家族との時間や趣味の時間などを持つこともできるようになるでしょう。
ただし、事業内容によっては起業当初は一人で全ての仕事を行う必要があるため、仕事に時間を割かなければならなくなるケースもあります。
(4)ビジネスの自由度が増す
脱サラ起業をすれば、仕事の融通が効きやすくなります。
サラリーマンは会社という組織に属しているため、仕事内容や労働条件などに厳しい制約があります。
そのため、自分がやりたいと考える商品やサービスの提供ができないようなケースや、ビジネスの方向性の違いを感じるケースもあるでしょう。
一方で、脱サラ起業すれば、自分の裁量で仕事内容や方針を決めることができ、ビジネスの自由度が増します。
自分の信念やアイデアをビジネス展開することができるため、やりがいにもつながります。
(5)人間関係のストレスが軽減される
サラリーマンは上下関係があり、人間関係が仕事に反映されてしまうことも少なくありません。
人間関係がストレスになり、仕事が嫌になるようなこともあるでしょう。
脱サラをすれば人間関係のストレスからは解放されます。
とくに開業当初は従業員を雇わず一人で運営するケースが多いため、人間関係に悩まされることは少ないでしょう。
脱サラ起業のデメリット
脱サラ起業にはメリットばかりではなくデメリットもあるので、デメリットについて理解しておくことが大切です。
脱サラ起業の主なデメリットとして、以下のようなものが挙げられます。
(1)収入が不安定になる
脱サラ起業すれば、サラリーマンをするよりも高額な収入を得られる可能性がある反面、収入が不安定になるというデメリットがあります。
経営者になれば、売上によって収入が変動します。
売上が多くて高収入を得られる月もあれば、売上が低くて収入が少なくなってしまう月もあるでしょう。
とくに開業当初は顧客や取引先のいない状態からスタートするため、収入がゼロになるケースも考えられます。
事業が軌道に乗る数カ月間は収入が少なくても耐えられるよう、資金を確保しておくことが大切です。
(2)自分で責任を負わなければならない
経営者になれば、責任は大きくなります。
サラリーマンならば仕事のミスがあっても上司や同僚にカバーしてもらうことができ、何か問題が起きても管理者である会社が責任を負います。
一方で、脱サラして経営者になれば、仕事で起こるトラブルやミスは全て自分の責任です。
仕事の自由度が高まりますが、その反面で責任が大きくなる点はデメリットといえるでしょう。
しかし、責任を持って仕事に取り組むため、やりがいや達成感を得られるはずです。
(3)事務作業が増える
事業を運営していくにあたり、事務作業は大切な業務の一環です。
日々の経理業務や決算書類の作成、確定申告などの事務作業を怠れば、税務調査が入るなどして大変なことになってしまいます。
事務作業の経験がない人にとっては、脱サラ起業で事務作業をしなければならない点はデメリットになるかもしれません。
事務作業の手間を省略したい場合は、従業員を雇うことや税理士など専門家への依頼を検討するとよいでしょう。
脱サラ起業で成功するためのコツ
脱サラ起業をしても必ずしも成功するとは限りません。
失敗するリスクを軽減するためには、成功するためのコツを知っておくことが大切です。
脱サラ起業で成功するためのコツを解説します。
(1)事業計画をしっかり立てる
起業するにあたり、事業計画書の作成は欠かせないタスクのひとつです。
どのような内容の事業を行い、どんなターゲット層に向けてサービスを展開するのか、どのくらいの収益が見込めるのか、など具体的に事業計画を立てていきます。
しっかり事業計画を立てていれば、赤字経営が続いて運転資金が回らなくなるようなことを避けられるでしょう。
自分が行おうとする事業が市場においてどのくらい需要があるのか客観的に精査し、安定した収益が見込めるのか慎重に判断することが大切です。
(2)初期費用やランニングコストを抑える
開業するのであれば、最初はお金をかけてビジネスの準備をしたいと考える方もいるかもしれません。
しかし、初期費用の負担が大きくなれば、失敗のリスクも高くなります。
店舗の賃貸料や什器・設備費用など初期費用の負担は大きくなりがちですが、できるだけ抑えて開業すれば、失敗のリスクも軽減できます。
例えば、開業当初は自宅で行えるように仕事環境を整え、軌道に乗ってきてから事務所を構えるなどしてもよいでしょう。
また、光熱費や人件費などのランニングコストをできるだけ抑えることも大切です。
(3)財務管理をしっかり行う
どれだけ素晴らしい事業計画を立てて開業しても、財務管理がしっかりできていなければ赤字が続いて廃業に追い込まれる可能性があります。
個人事業主でも法人でも財務管理は非常に大切です。
これまでサラリーマンとして財務管理を行ったことがないという方も多いかもしれませんが、財務管理は事業を継続していくには欠かせない業務です。
自分自身で管理が難しい場合は、税理士など専門家に相談しましょう。
(4)未経験の事業は避ける
経験のない業種や業界で事業を始めることは、知識やスキルがないのでハイリスクです。
サラリーマンとして経験を積んできた業界や業種ならば、これまでに培った経験や知識、スキルを生かすことができます。
脱サラ起業の失敗を避けるには未経験の事業を選ばないようにすることが賢明ですが、どうしても未経験の事業で開業したいという場合にはフランチャイズへの加入がおすすめです。
フランチャイズならばすでに成功した本部の経営モデルや商標を活用できるため、未経験でも開業当初から安定した集客を得られる可能性が高いです。
開業前の研修制度や開業後のサポート体制は本部ごとに異なるため、複数の本部を比較しましょう。
まとめ
脱サラ起業をすれば、仕事の自由度が増してやりがいを持って仕事に取りかかることができるでしょう。
サラリーマンの時には得られなかったような高収入を得られるチャンスもあります。
しかし、未経験の分野での開業や、経営の経験がない状態での開業は不安が多いものです。
脱サラ起業を成功させるためのひとつの選択肢として、フランチャイズへの加盟が挙げられます。すでに確立された経営ノウハウを活用し、開業当初からの集客も期待できるでしょう。
自分に合う起業方法を慎重に検討してみてください。